朝のフレッシュサラダ

主に多年草を主体に育てているせいか、正直言うとあまり一年草の栽培は得意ではない。特に、開花期になると、有無を言わさず花芽を付けていくエネルギーについていけない感じだ。

苗を育てる上でも、ちょっと目を離した隙に花が咲いていたということもよくある。このナスタチウムもちょっとポット上げ(用土節約のため、プラグまきであった)が遅くなったこともあり、まだ株が十分に成熟しないうちに花を咲かせ始めた。

ここ数日バタバタしていたため、気にはなっていたのだが、花芽の剪定も後回しだった。今朝ようやく少し時間に余裕ができて花芽を摘む。ナスタチウムは本当にどこでも食用にできて、花や葉はもちろん、花芽も、花の後にできる種子(柔らかいうち)もぴりっとした辛みとともに、美味しく食べられる。

見た目は花のほうが良いだろうけれど、柔らかい食感や、これから花を咲かせるところを食べてしまうという罪悪感もスパイスになって、花芽のほうが美味しい気がする。

ナスタチウム花芽

いくつか食べると、朝の眠気もどこへやら。明日はもう少し摘んで、朝食のサラダに入れよう。

援軍の到来

さて、いよいよローズのつぼみが膨らんでくるようになると、ゾウムシとともにいやでも目にすることが多くなるのがアブラムシ。もうすぐ開花を迎えそうなつぼみにびっしりとたかられるとさすがにいい気分はしない。庭の持ち主のお客様も、姿が見えにくいゾウムシと違い、見えやすいので心配されることが多い。

アブラムシ

つぼみが少なければ直接手でつぶすのが確実だし、こまめに木酢などで予防するという手もあるにはあるが、大きなツルばらなどではそういうわけにもいかない。

幸い、いくつかのお庭では今年、強力な援軍がやってくるようになった。ひとつはナミテントウ。ツルばらの葉の間をごそごそと動き回り、あまりアブラムシを食べている様子を見ることは少ないが、卵を産んでくれれば幼虫は特に強力な助っ人である。

ナミテントウ
もう一つはヒラタアブ。これも幼虫は大食漢のようで、すでにつぼみの奥のほうへ頭(?)をつっこんでいるからお食事中なのかもしれない。

ヒラタアブ

専門家がやってきたので、しばらく我々は手を出さず、アブラムシについてはあとはお任せすることにした。我々の仕事は、庭の持ち主に援軍の到着を伝え、彼らのために、薬剤などまかれずにしばらくは様子を見てほしいとお願いすることであった。

嫌われる理由

当店が手入れしているお庭にはローズが最低でも一つ二つ植わっていることが多い。気温が急上昇して新芽やつぼみが成長し始める今は特にこまめに巡回が必要だ。

ここ数日、何件かのローズを見て回ったが、被害の差はあるものの、ほぼすべての庭でゾウムシ(クロケシツブチョッキリ)の被害が・・・。毎年のことなのでそれほど驚かないし、よほど毎日チェックしないと防ぎきれないのもわかっている。

クロケシツブチョッキリ
新芽が見事にやられている

友人の中にはこまめに特製唐辛子入り木酢をこまめに散布して被害を抑えている人もいるが、十日や二週間に一度しかチェックができない我々には無理な話。ただ、つぼみをやられても、次の花を咲かせるエネルギーはまだ十分あるからあきらめる必要は無い。

クロケシツブチョッキリ

それにしても、これからという新芽やつぼみをピンポイントで狙ってくるのはほんとうに悔しい。そのうえ、捕まえようとするとひょいっと逃げるすばしこさ。ついでに小さいので見つけにくいことこの上無し。嫌われるのもよくわかる。でも、たくさんの種類を育てていると、選択して狙っているのがよくわかる。どういった基準で選ぶのかはわからないけど。

まあ、ゾウムシの被害もここしばらくがピーク。収まる頃にはそれぞれの庭で花が見られるだろう。

蜂のお気に入り

昨日、開花中のカーネーションの中に一生懸命に潜り込んでいる蜂らしきものがいた。柔らかい花びらの奥に頭を突っ込んだまま、
「もしかして死んでるのかな?」
と思うぐらいピクリともしない。

ニッポンヒゲナガハナバチ

蜜を探しに来て昼寝でもしてるのかもと、そっとしておいた(だとしたらさぞ気持ちがよいことだろう)。下手に手を出して痛いめに会うのも嫌だしね。

翌朝、やはり同じ花の上でまた再会。よほどこの花が気に入ったようだ。時々目にする、触角がとても長い蜂らしき昆虫。触角が立派なだけで、なにか強そうな感じがする。朝でまだ気温が低いせいか、花の上をごそごそするばかり。潜り込む気配はなかった。

ニッポンヒゲナガハナバチ

後で調べてみるとニッポンヒゲナガハナバチという種類だった。

友人が、ビーガーデン(蜜蜂の蜜源となる花を集めたお庭)を作ったという話を聞いた。レッサーカラミントが蜜蜂は特にお気に入りだということだが、カーネーションも植えてあるのだろうか。

当たり年

「あれ、こんな花あったっけ?」
あるお庭の手入れに行った時、一緒に庭で話をしていたお客様がおっしゃった。

指差す先には、イエロースイートバイオレット。幅2メートルほどにに広がり、色調が抑えめの庭でもひときわ目立っている。

イエロースイートバイオレット

「ええ、以前から植えておりましたよ」
「えー、今まで見たこと無い!今年はじめて咲いたの?」

決してそんなことは無く、何年か前にもものすごくたくさん咲いたはずである。ただ、ここ2年ほどはあまり開花にお目にかかっていないが、開花時期にこのお庭に来ていなかったのだろうと思っていた。

ところが、このお庭のすぐ近くのもう一件のお庭、そして、かなり離れたまた別のお庭でも今年はなぜかイエロースイートバイオレットが絶好調。うち、一件は確かに昨年の秋に植え替えをしたので、それが刺激となり良く開花したのかもしれないが、残り二件は特に何もしていない。もしかして、果樹のように豊作、不作の年があるのかも、そして今年が当たり年?

他の庭に無かったっけ?と思い出してみたら、店の花壇でも今年は良く咲いていた。

このところの強い雨でちょっと傷み気味。
このところの強い雨でちょっと傷み気味。

もし良かったら店のほうへ見に来てください。でも、お早めに。