雪の日の作業は静寂の中で

先週末は、春を思わせる暖かさで気分もちょっとゆるんでいたのだが、今朝は一転して雪模様。
雪の日
気温はというと、さほど下がっていなくて零度前後。でも春の暖かさから引きずり戻された体にはとても寒く感じる。
雪の畑
畑もビニールハウスも雪に覆われた。

雨が降ると雨音がうるさいほどのビニールハウスの中なのだが、雪の日は一転して静寂に包まれる。

ビニールハウスの雪
雪の降った朝は静かだというが、上下左右が雪に囲まれた広い空間は、すべての音が雪に吸い込まれるようでなにか怖さを感じるぐらいの静けさだ。

ときおり、ビニールハウスから滑り落ちる雪の音にさえびっくりさせられる。周りが静か過ぎるので、自分がたてる音さえもとても大きく感じる。でも、それが悪いというわけではなく、かえって一つ一つの作業が丁寧になる感じだ。

そういえば先日、ネットで雪の朝のような静けさを作り出す耳栓の記事を見つけた。

デスクワーク時の耳栓愛用者としてはとっても気になる。

まだ発売は先のようだが、一度試してみたい。雪の日のハウスの中とどっちが静かかな?

夕方の天気予報

ビニールハウスの横には、ビニールを開閉するための装置がある。これを回して、側面のビニールを開けたり閉めたりして換気する。
ビニールハウスの開閉
閉めっぱなしだと冬でもそこそこ内部の気温が上がって、苗は成長するのだが、その代わり、病気や害虫の悩みは増える。

なので、冬でもできる限り開けるようにしている。

とはいっても、それは昼間だけで、さすがに夜は閉める。朝開けて、帰る時に閉めるという、わかりやすいパターンだ。

ところがこの冬はちょっと状況が違ってきた。

昨秋から、例年になく気温が高めの日が続いている。圃場にあるアップルミントの親木、例年ならばもっと葉が硬く、黄色味がかって、地面に張り付くように冬を耐えている。
アブラムシとアップルミント
ところが今年は青々とした葉がどんどん上に伸びている。まあ、それはいいのだが、先日、この時期にはあまり見なかったアブラムシが結構見つかってびっくりした。暖かさで、普段の年なら葉の隙間で目立たずにじっと冬を耐えているはずのアブラムシが、春先のような様子を見せている。

そんなこんなで、冬なのに育苗ハウスの開閉も気温次第でということになった。こんなことは初めてである。

夜でも気温が高めの時は開けっ放しにし、気温が極端に下がりそうな時だけ閉める。そのため、夕方の天気予報のチェックが欠かせないようになった。

明日から1週間ほどは最低気温が零度前後になりそうな感じ。久しぶりに天気予報のチェックをしなくて済むかもしれない。

アブラムシたちも少しおとなしくしてもらえるといいのだが。

タヌキの口角

「ありゃりゃ・・・またやられた!」
これで何回めだろうか。ビニールハウスのビニールを押さえている紐がまた切られていた。

マイカ線
犯人はタヌキではないかと推理しているのだが、大抵は夜中の犯行なので現場をおさえることができない。

しかも、見ていたかのように新しく付け替えた紐ばかりが狙われるのだ。

この紐、華奢に見えるが、中には芯線も入っていて、相当丈夫である。もちろん、素手などでは決して切ることはできない。カッターナイフか、しっかりしたハサミが必要だ。

マイカ線
切り口を見てみると何度も歯でかじったような跡が見える。ときどき、完全に切り離せず、跡だけたくさん残った紐もあったりするので、噛むのが目的かもしれないと、以前、わざと新品の紐を置いてみたりしたのだが、全く効果がなかった。こういうのって、とても悔しい。

ただ、こんな行為、自分にも思い当たることがある。アイスクリームを食べるとき、木のスプーンが付いていると、食べ終わってから、なぜかこのスプーンをガジガジ噛んでしまう癖が私にはある。別に味が残っているわけでもないのに、気づくといつの間にか噛んでいる。なんとなく気持ちが良いのだ。かといって、酢昆布やするめに惹かれるわけではない。

当然、ガリガリ君みたいなアイスバーのスティック?というか、持ち手の部分も同じ運命をたどる。

もちろん、人前ではみっともないので気をつけるようにしているし、万一当たり棒だったりしたら持っていくのが恥ずかしいしね。

先日、考え事をしていて、口がへの字になっていたら、スタッフに「口に割り箸をくわえて、口角を上げましょう!」と言われた。フフフ、これは一石二鳥かも。

なので、もし私が割り箸をガジガジしていても、それは口角を上げるためですから、気にしないでくださいね。

この冬一番

今朝目が覚めてみると思わぬ大雪に少し驚いた。

昨夜の間にかなり降り積もり、自宅の横でも早朝から除雪車が走り回り、うるさいのなんの。いやいや、こんな朝早くから除雪していただき、ありがたく思わねばなりませぬ。

昨年の豪雪では痛い目にあったので、さすがにビニールハウスが気になり、朝食もそこそこに様子を見に出かけた。

ユーカリも雪をすっぽりとかぶり、重そうな様子だし、ギンヨウボダイジュも枝に雪をまとっている。

今年も冬前の剪定をしなかったためでもある。ゴメン
今年も冬前の剪定をしなかったためでもある。ゴメン

ギンヨウボダイジュ

ビニールハウスは幸い大丈夫だったが、ずり落ちた雪がハウスとハウスの間に高く積もる。この冬一番の積雪だ。

ハウスの間の雪

山陰地方でももう少し雪が多い場所だと、この横に落ちた雪の重みで、横からビニールハウスがつぶれるという。幸い、この辺りではまだそれほどの雪は積もらないので(昨年は微妙だったが)、今のところは心配していない。

昨年はビニールが古くなって苔などが生えたビニールハウスが、雪が滑らずに被害を受けた。今年はほぼ新しいビニールなので雪もある程度積もると自然に落ちるが、一つだけ古いビニールのままのハウスはやはり滑りが悪い。

ビニールが新しいとあまり積もらないうちに滑り落ちてくれる
ビニールが新しいとあまり積もらないうちに滑り落ちてくれる
ビニールが古いと自然には落ちにくい。(落ちているところは人手で落としたが、難儀な作業)
ビニールが古いと自然には落ちにくい。(落ちているところは人手で落としたが、難儀な作業)

さて、上記の「この冬一番」という表現だが、個人的にはあまり好きではない。もちろん、【今までのところでは】一番にという意味だということはわかっているものの「この冬一番の寒気が」なんて天気予報で言われると、冬になったばかりでもこの冬中で一番寒いんじゃないかという印象を与えられて思わず縮こまってしまう。スタッフもこの言葉を聞くと、「ええっ!」と大騒ぎする。何かもっといい表現が無いんでしょうかねぇ。

冷蔵庫

寒い!
この冬一番の寒気が・・・と天気予報が言うとおり、久々のまともな寒さが到来。今朝はビニールハウスにも雪がうっすらと積もる。

雪とビニールハウス

ビニールハウスは、雪がそこそこ積もっても、溶けて滑り落ちてくれさえすればそれほど作業に支障はない。ところが、気温が上がらなかったり、雪が降り続いたりするとかなわない。加温設備の無いこのビニールハウス、上からは雪の冷気、下からは地面の冷気に覆われてまさに冷蔵庫状態なのだ。

雪とビニールハウス

その上、積もった雪のせいで音が吸収されるのか、回りの静けさが増幅され、いっそう寒さを強く感じてしまう。ハーブたちも静かに寒さに耐えているようだ。こんな状態ではどうしても働く意欲も失われがちになる。種まきや挿し木などをしたら気が滅入る事間違いなしである。せいぜい、なるべく体を動かすような仕事を探して明るく一日を過ごすようにしている。

結局、夕方まで似たような状態であった。