要経過観察

まだ天候は安定しないけれど、春を感じさせる日がときどき現れるようになり、お庭の作業もボチボチ進んでいる。

今の時期は、病害虫のトラブルも無いし、植物の方もほとんど成長らしい成長をしないので、久しぶりに様子を見に行くとか、お客様への挨拶程度の訪問が多い。

ところが、とある庭で異常事態を発見。バラの株元に怪しい穴。それも一つどころではない。株によっては二つ三つと見つかった。

ローズの株元の謎の穴

これは一体なんだということになり、穴の様子を確認。問題は、ここへ潜ったのか、ここから出て来たのか。出て行ったならまだ良いが、ここへ潜っていったなら今後が心配だ。とりあえず掘ってみたものの相当に深い。まっすぐでなく、斜めに深い穴だ。しかも結構でかい。

潜るにせよ、出て来たにせよ、掘り上げた泥でもありそうなのにそれも無い。お客様には、「とりあえず今後注意しておきます」と言って帰ろうとした矢先、スタッフが
「支柱のあとじゃないの?」
と指摘。

そういえば、冬の剪定を行ったとき、雪対策に支柱をかけ直した。特に埋め戻すこともしなかったのだろう。さらに観察すると、今冬新たに定植した株元には一つも穴は見つからなかった。

「おそらく原因はそれだね」
と、結論づけたものの、万一と言うこともある。要経過観察である。

教訓。支柱のあとはきちんと埋め戻しておきましょう。

冬の優等生

今冬の日照時間の少なさのせいにしてはいけないが、苗たちに春らしい動きがまだ見られない。

店頭に出せる種類も限られていて、お客様にも何度か謝らざるを得なかった。ハーブ中心なのでどちらかといえば地味目な店の前が今の時期はなおさら寂しい。

そんななかで孤軍奮闘しているのがアカンサス・モリスの鉢植え。雪も寒さもなんのその。葉が傷むどころか、なお一層元気という感じでつややかな葉っぱを広げている。その心意気を買われ、いつの間にやら入口脇の一番目立つところに昇格。

acanthus.mollis

アカンサスは花も見事だが、葉の存在感を生かしたい。そのため、鉢も大きめで葉が映えるものに植えるとより楽しめる。

でも、昔、「あれー、これ、ヤツデ?? ヤツデもハーブなのー?」
なんて言われたことがある。冬の優等生もボーゼンとしたに違いない。

庭土今昔

今日はお客様の家へ庭仕事。庭の縁に沿ってモッコウバラの定植作業だ。

はじめての作業を行う庭は、勝手もわからないことが多くいろいろ気を使う。さらに新築だとあまり周囲を汚したくないし、第一土の問題がある。今までの経験上、近年建てられた家の場合、大抵は庭土30cmより下はガッチガチの土、または砂利のことが多い。現在の家は基礎の関係からしっかり下が固めてあるのだろう。ただ、それならまだいい方で、数年前作業した、とあるモデルルームの庭なんて10cm掘ったらコンクリートや鉄筋等建築廃材が山ほど出て来て閉口したことがある。

それに比べ、40年ぐらい前に作られた家の庭は良い土が入れてある場合が多い。まっさらなマサ土が1メートルぐらい掘っても入っていて感涙にむせいだこともあるぐらいだ。(水はけが良すぎて、肥料が抜け気味なのは仕方ないけど)

幸いこちらのお庭は、事前に確認したところ30cmほどは良好な土、その下は石まじりの固い土だったが、なんとか掘れそうだ。

穴掘り開始!
穴掘り開始!
30cm。ここまでは楽勝。問題の固い層が現れてきた。
30cm。ここまでは楽勝。問題の固い層が現れてきた。

シャベルでは限界があるので、固い層からは鉄棒で突き崩しながら掘り進む。風が強いところなのでなるべく根が深く行くようにしっかり掘りたい。

鉄の突きん棒で崩しては掘り出し。明日は筋肉痛か?
鉄の突きん棒で崩しては掘り出し。明日は筋肉痛か?
ようやく目標の深さに近づく。
ようやく目標の深さに近づく。

なんとか80cmぐらいは確保できたので、固い土や石は取り除き、柔らかな土と肥料も加えて土作りを行う。

ここからは楽しい作業。鼻歌まじり。
ここからは楽しい作業。鼻歌まじり。

ちょっと苦労したが、しっかり植え込むことができた。

定植完了。あとは支柱を立てて完成。
定植完了。あとは支柱を立てて完成。

(おまけ)
仮止めかなにかの釘と、なぜか球根?????がひとつ出て来た。

釘と球根?を発掘。
釘と球根?を発掘。

秋の失敗、春の反省

昨日は各地で春一番が吹いたといわれるけれど、この辺りでは、「そう?」といった感じだった。確かに南風は少し強かったようだが、毎年、ビニールハウスが揺さぶられるような風で春一番を感じるので、それに比べればまだまだだったようだ。

まあ、それでも圃場のところどころで春の兆しが見つかるようになった。今日は、花壇の様子をなんとはなしに眺めていたら、あちゃー、昨秋植えたポットマリーゴールドの真下から球根の芽が!

スキラとポットマリーゴールド

ラベルがどこかへ行っていたせいか気がつかずにポットマリーゴールドを植えてしまったのだろう。確かここには・・・と頭をひねることしばし。葉の様子から花の様子はぼんやりと思い浮かぶのだが、名前が出て来ない。情けなや。

結局事務所に帰って、昔植えた球根のリストを検索して、ようやくScilla campanulata(S. hispanica)だと思い出した。しかし、ピンクかブルーかはいまもって不明。花が咲いたらしっかりとラベルをつけておかねば。

どうも球根類に対してはこういうミスが多い。性格的に向いていないのかなぁ。

しかし、この球根も植えっぱなしで、おそらく10年近くになるのではないかな?決して良い環境とはいえないはずなのに、徐々に増えつつあるようだ。よほど丈夫なのだろう。

さて、近接して育ってしまうことになった2つの種類、今後どうなるやら。

3月の声

いよいよ3月。3月の名を聞くだけで少し気分が明るくなる気がする。思えば長い2月だったように思う。毎日暗い空を見上げては「今日も雪(雨)か・・・」とため息ばかりついていたひと月だった。

そのうえ、頼みもしないのに一日多い閏年。2月を多くするよりも他のもっといい気候の月を多くしてもらうわけにはいかないのだろうか。

ところで、昨夜日記をつけようとしたところ、私のはいわゆる5年日記というものなので、2月29日の欄には上下が無い。5年日記(10年日記)は、昨年、一昨年を一目で見れるから意味がある。それを思うと記入もややためらわれる。閏年の29日だけぽつんとひとりぼっち。うーん、2月29日生まれの人の気分ってきっとこんな感じなのだろう。

さて、圃場の畑では3月の声が聞こえたのか、ルバーブの新芽が顔を出していた。寒さに強いのは重々承知だが、それでも春の新芽を見つけるとなぜだかホッとしてしまうんだよね。

ルバーブ