冬のコケ

私にとって、コケはなぜだか夏のイメージである。それなのに、育苗ハウスでは、むしろ冬に我々を悩ますのだ。

コケ

写真は秋に植え替えたジャイアントキャットミントのポットである。いつの間にかコケが侵食して今ではすっかり株の周りを覆い尽くしてしまった。

原因ははっきりしている。秋から冬にかけては気温が低めなので、表土が乾きにくい。冬に入れば、曇天が続く山陰ではなおさら日が当りにくくなる。コケにとっては快適なのだろう。でも、こんなに寒いのに何でこれほどまでに青々としているのか、少し憎たらしくも感じる。

ずいぶん前、水道を使って育苗していた頃はこんなにコケに悩まされた事は無かったように思う。井戸水に変えてから目立つようだ。塩素の害が無くなったのだろうか。

さて、このコケ、水分をすってふわふわのじゅうたんのような触り心地。苗の生育に問題がなければここで育ってもらって構わないのだが・・・。

でも、このタイプのコケは有る程度の厚さ(?)になるとペリペリッと剥すことができる。キャットミントでは無理だが、ラベンダーなどだと上手に丸く剥す事もできるだろう。

途中でちぎれてチョット口惜しい
途中でちぎれてチョット口惜しい

あえて立ち入る気はしないけれど、コケの世界は奥が深いらしい。子供の頃、田舎の伯父の家に遊びに行って、庭のコケの上で遊んでいるとメチャクチャ叱られた。子供心に「なんで?」と不思議でしょうがなかったが、愛好家の伯父にとっては許し難い行為だったのだろう。

そうだ、伯父の家に行くのはいつも夏休みだった。それでコケは夏のイメージとして植え付けられているのかも知れない。