年初以来の積雪となった。量はそれほどではないが、水分を含んだ重い雪。といっても春を目前として振るような雪とは趣が違う。

裏山もモノクロームの世界。竹が雪の重みでずいぶんたわんでいる。
こういう雪はあまり嬉しくない。足元もべちゃべちゃで歩いていて気持ち良くないし、潅木タイプのハーブには枝折れと言う危険がつきまとう。今日の雪はすぐ解けるだろうけれど、もう少し多く降ったら割ける枝もあるかも知れない。

雪には強い方のグロッソラベンダーも今日の雪は嫌がっているように見えた。
年初以来の積雪となった。量はそれほどではないが、水分を含んだ重い雪。といっても春を目前として振るような雪とは趣が違う。

裏山もモノクロームの世界。竹が雪の重みでずいぶんたわんでいる。
こういう雪はあまり嬉しくない。足元もべちゃべちゃで歩いていて気持ち良くないし、潅木タイプのハーブには枝折れと言う危険がつきまとう。今日の雪はすぐ解けるだろうけれど、もう少し多く降ったら割ける枝もあるかも知れない。

雪には強い方のグロッソラベンダーも今日の雪は嫌がっているように見えた。
朝、車で走っていて、なにか遠くのほうがかすんでいる事に気がついた。その時は、今日は霧が出るほど冷え込んでいたっけ?。とぐらいにしか思っていなかった。
10時の休憩を過ぎてもやはり遠くがかすんで見えている。スタッフと、これってもしかして黄砂?でもまさか今の時期になんてねぇ。などと話していた。

昼にニュースを聞いていたスタッフから「やっぱり黄砂だった」と教えてもらった。
黄砂と言えば、洗濯物を汚したり、近年はアレルギーの原因としても嫌われているが、今の自分はちょっと違う思いで眺めている。
今、就寝時、布団に入ってから開くのがスウェン・ヘディンの「さまよえる湖」。行った事の無い地を文字だけで想像しているといつの間にか心地よい眠りの世界に引き込まれてしまう。
砂漠の中の幻想的な水の流れ、タマリスクとポプラの生える地に思いをはせ、現実から心はかけ離れていく。
今ならば、テレビやビデオでいくらでも現地を見ることができるし、その気になれば自分自身をその地へおく事さえ不可能ではないだろう。
でもむしろ、想像の中で遊んでいる方がはるかに楽しい一面もあるように思う。だって、こんな嫌われ者の黄砂さえ、ヘディンが踏みしめたタクラマカンの砂が飛んできているのかも・・・なんてちょっと好意的に見ることができるのだから。
寒い!
この冬一番の寒気が・・・と天気予報が言うとおり、久々のまともな寒さが到来。今朝はビニールハウスにも雪がうっすらと積もる。

ビニールハウスは、雪がそこそこ積もっても、溶けて滑り落ちてくれさえすればそれほど作業に支障はない。ところが、気温が上がらなかったり、雪が降り続いたりするとかなわない。加温設備の無いこのビニールハウス、上からは雪の冷気、下からは地面の冷気に覆われてまさに冷蔵庫状態なのだ。

その上、積もった雪のせいで音が吸収されるのか、回りの静けさが増幅され、いっそう寒さを強く感じてしまう。ハーブたちも静かに寒さに耐えているようだ。こんな状態ではどうしても働く意欲も失われがちになる。種まきや挿し木などをしたら気が滅入る事間違いなしである。せいぜい、なるべく体を動かすような仕事を探して明るく一日を過ごすようにしている。
結局、夕方まで似たような状態であった。
山陰の冬は灰色が支配する。もう少し降雪が多い地方なら白が支配するところだろうが、松江の近辺では積雪しても長く残る事は少なくなった。空は灰色、海も灰色、田畑もグレーが目立つ。
白に支配される冬も相当辛いだろうが、灰色に支配されるのもまた強い精神力が試される。
そんな中で明るい色の存在は貴重である。無加温とはいえ、そこはビニールハウスの中、例年なら年が明けてからでないと開花しないスイートワットルが一輪咲いて、ほのかな香りとともに周囲を明るくしている。

気温が低いので、香りもそれほど強くは無いが、他の香りが少ない中、僅かの香りでも、近くを通ると甘く感じる。重く沈んだ気分を少しでも照らしてくれるグレーの中の貴重な星のような存在である。
松江なら地植えもおそらくできるはずなのだが、今まで2度ほど失敗していて、その後試す気にはならず、この株は鉢植えである。
鉢植えといっても、そこはアカシア。既に背丈ぐらいの株で少々邪魔になりつつある。その上トゲもあったりするので、時々引っ掛かる。三度目の正直で春になったら地植えしてみようか・・・。冬の星も見納めかも知れない。
圃場では、11月の半ばぐらいからストーブが登場する。天気が良い日はともかく、これから曇天が多くなる山陰の冬はストーブ無しでは作業にも支障を来す。もちろん?、ハーブたちのためではなく、我々スタッフのためである。
もともと、山際で湿気が多い事も有り、冬は底冷えがひどい。バタバタする作業はともかく、植替や挿し木など、長時間じっとして行なう作業は足元からズーンと冷えてくる。広いビニールハウスを暖めるような事はもちろんしないので、足元だけを暖めるためのストーブである。それでも無いよりはずいぶんましだ。
そんなストーブが3台ほどあるのだが、いずれもお払い箱になったものをもらい受けてきたものばかり。ここには掲載し辛いほどボロボロになった歴戦の勇者ぞろいである。
そんなところに、今年一台のニューフェイスが現れた。スタッフが知り合いの電気屋さんからもらったようなのだが、まだまだ新品に近く、スイッチで火がつく。(他のは全てマッチが必要なのだ)。

サイズもコンパクトで、ついついこちらを使いたくなるのだが、しばらくして重大な事に気がついた。灯油の消費量が多いのか、すぐにタンクが空になる。他の大きな図体のストーブもタンクはほぼ同じ。手をかざして分かった。燃焼効率が良いようで、実際に非常に熱い。
ところが、この場所では強力な熱さよりも、長時間ほのぼのとした熱さであれば充分なのである。
以来、スタッフの間では「OPECの回し者」と呼ばれ、やや冷遇されつつある。