こんな場所にはこのハーブ-アジュガ・バーガンディグロウ

グラウンドカバープランツとしてよく用いられる原種のアジュガ(アユガ。また、ジュウニヒトエと呼ばれることも多い・・・正確には違うが)は、丈夫で、日陰から相当の日向まで耐えてくれるし、春にはブルーの花が楽しめる。ただ、葉色が濃すぎてやや重たい印象を与えるのも否めない。

そんなアジュガの中でも葉色がカラフルな種類がいくつかあり、このアジュガ・バーガンディグロウもその一つだ。
原種に比べると、極端な強光線や乾燥にはやや弱いし、広がりもゆっくりだ。しかし、葉色は年中楽しめるし、春のブルー花も葉色に映えて軽やかな印象を与える。

アジュガ・バーガンディグロウ
このお庭では、南側〜西側のフェンスとそれに絡ませたバラ、東の建物のために直射日光は入りづらい。なので、ローズマリーやラベンダーなどは徒長してしまうのだが、プルモナリアなどの日陰向き植物の仲間とともにアジュガ・バーガンディグロウは元気にしている。葉の間から漏れてくる光ぐらいがちょうど良いのだろう。

自分でも徐々には広がっていくが、毎年冬か春先に株分けをしてやることでずいぶん広がった。背丈も低いので、縁取りのようにするとお勧めである。

こんな場所にはこのハーブ-モッコウバラ

病害虫の悩みが少ないことから、ハーブと組み合わせて育てられることの多いモッコウバラ、たくさん咲く花はもちろん一番の楽しみだが、しっかりと伸びるツルは使わない手は無い。

モッコウバラ
このお庭でもフェンス際に植えて、隣家との目隠しとして役立っている。向こう側にあまりツルが伸びないように気を付ける必要はあるものの、気になるほどの落葉もないのでどうやらうまく機能しているようだ。手入れする場合も刺が無いというのもメリットだし、剪定時期や剪定方法も気にする必要がないのもありがたい。気心が知れた相手ならば、「邪魔になるようでしたら気兼ねなく切って大丈夫ですから」と言っておけば良い。(別のお宅だが、その様にお隣の方にお願いしている場所もある)

また、耐陰性も相当あるため、太陽さんさんと言った場所でなくても良く育ってくれる。もちろん、大きく育てるのなら、しっかり根が張るように植える時にはできるだけ深く耕しておきたい。

こんな場所にはこのハーブ-マートル

美しい葉を持つ常緑のハーブで甘い葉の香り、可愛らしい白花など魅力が多いマートルだが、コンディション良く育てるにはやや場所を選ぶ必要がある。

特に気を付けたいのが強い北風。このごろ冬もあまり気温が下がらない松江市でも北風がまともに当る場所では葉が茶色になってしまう。

幸い、植物自体がダウンすることは無いし、春先には新芽も芽吹くのでそれほど心配することは無いが、見た目に痛々しい。

マートル
このお宅では南向きのたっぷり日が当たる前庭にマートルを地植え。北風は家で完全にシャットアウトしているので2メートルを優に越し、葉の傷みも少ない。花の時はそれは見事で、株元には実生の小さな株がたくさん出てくる。

寒冷地では鉢植えで楽しむのもまたよい。一つ気を付けたいのが、極端に水を切らすとダメージが大きいこと。容器は大きな物に植え、一気に水が切れることを防ぎたい。

こんな場所にはこのハーブ-メキシカンブッシュセイジ

アメジストセイジ、レウカンサセイジ、ビロウドランなど、色々な名前で呼ばれるメキシカンブッシュセイジ。秋の花壇の定番レギュラーでもある。

メキシカンブッシュセイジ
日当りさえ良ければ、それほど場所を選ばないが、花の時期には胸の高さぐらいまで伸びてくる。このお庭ではエゴノキを背に南向きに植えてあるので、葉が少なくて寂しいエゴノキの株元をうまくカバーしている。夏でやや葉が傷み気味のエゴノキから目をそらすのにも一役買っている。一方で、冬は地上部がほぼ無くなってしまうので、気になるのなら冬の対策も考えておくべきだろう。(葉色が美しい植物等や、小さめの花ものを周りに植えるなどして目をひかせたい。)

ただ、初夏以降は株幅も広がるので、下になる芝はやや徒長気味にならざるを得ない。地面に寝てしまうような枝はむしろ剪定してしまうほうが良い。そのためにも極度の過湿は控えたいところだ。また、株は年々広がっていく。冬初めの剪定時か、春先に周囲から整理したり、数年ごとに掘り上げて植え替えをしてやると株の勢いのためにも良いだろう。

判断力

先のオリンピック、当店のスタッフたちも、思わず遅くまで見てしまったという者や、絶叫しながら応援する人、また全く感心のない人など様々。私自身はというと、さほどでもなくちょうど早朝に目覚めた頃に結果が出たり、クライマックスのところをラジオで知るという程度。ただ、一瞬にかける意気込み、そして、瞬間の判断力や決断力の強さは画面を通しても伝わってくるものがあった。

フェンシングなんて見ていても全く勝敗を理解することができなかったのに、スローモーションで解説されると、ごく短時間のうちにそれほどのやり取りが・・・と驚くことしきり。頭で考えている暇は無いように思うが、体が反応するのだろう。

それに比べると園芸とはなんとのんびりした営みだろうか。判断といっても、そろそろ種をまこうかとか、水やり、もう少し待とうか、収穫は明日にしよう。と言う程度である。

それでも、お客様のお庭ではそれなりにシビアな判断を迫られることが多い。先日も、春に植えたレモンマリーゴールドが元気に生長したは良いが、伸びすぎたせいか、中央部分の枝が折れてしまった。場所的にも花壇の中央部で、前の道路からも一番目立つところであるから剪定をしたいところである。しかも周囲の枝も、やや徒長気味で今後折れる恐れもありそうだ。しかし、そろそろ花芽もつきそうな気配。これが7月なら躊躇無く剪定をしたところだ。

レモンマリーゴールド
中心が折れた株(写真では分かりにくかったです。スミマセン)

お客様も今年初めての開花を楽しみにしておられるのだが、迷いに迷った上で剪定を決断。レモンマリーゴールドは生育旺盛なせいか、花があまりに早く開花したり、肥料の効きが良いところでは大きくなりすぎて倒れてしまうこともある。ここはやはりまとまった姿で開花させ、そのかわり秋遅くまで楽しんでもらうほうを選択し、思い切って刈り込んだ。

レモンマリーゴールド刈り込み後
相当悩んだ上での判断なのだが、そこは園芸。スポーツと違って緊張感はやっぱり無い。これでも、それなりに現場で鍛えられて、昔よりは決断力や判断力はついて来たように思う。昔はどれだけ優柔不断だったか・・・。改めてオリンピック選手の凄さを思うのである。

帰りの車の中はものすごい香りだった。