冬のおやつ-食用ホオズキ・ゴールデンベリー

大寒も過ぎ、一年で一番寒さが厳しくなる時期を迎える。天気予報では今日の夕方から松江も雪。気温もここしばらくは氷点下になる日が続きそうだ。

そのため、年に一度かそこらの寒波でダメージを受けかねない株は、いま、この時期だけ特別に厚いビニールハウスへ退避させる。

今日は食用ホオズキ・ゴールデンベリーの鉢を退避させた。例年、無加温で開けっ放しのハウスで管理している。この辺りだと、地植えでも地際でカットして厚くもみ殻等をかけておくと越すことが多い。しかし去年は相当冷えたのか何株かダメにしてしまった。そのため今年は少しだけ優遇。

 

食用ホオズキ・ゴールデンベリー
まだ冬の剪定も終っていないので秋についた実がそのままだ。無加温とはいえ、風雨はしのげるため、葉も実もほとんど秋から変わっていない。まだ青々とした袋も結構残っている。屋外ならば秋のうちに袋も色づくのだが。食べごろの実もたくさんある。

食用ホオズキ・ゴールデンベリーの実
狙い目は袋がオレンジ色になったぶん。

食用ホオズキ・ゴールデンベリーの実

果実もはち切れそうなぐらいだ。寒さで甘みも増しているのか、冷たさも相まって休憩時間にはまたとないおやつとなる。パイナップルとイチゴを合わせたような味と形容されるが、うーん、どちらかといえばパイナップルが近いかも。酸っぱさを無くしたパイナップルかな。風味もそんな感じ。

熟しているかは、袋の色も目安となるが、袋ごと引っ張ってみて、軽く取れるかどうか。

食用ホオズキ・ゴールデンベリーの実(未熟)

袋が青いのはまだ熟しかたが足りないから、うまく取れない。

食用ホオズキ・ゴールデンベリーの実(未熟)

袋を開けても緑色のまだ美味しくない果実が出てくる。

殻を破って食べるピーナッツやギンナンのように、袋を破って食べる楽しさからかついつい食べ始めると止まらなくなってしまう。株元に落ちている袋も、中の実は袋に守られてきれいなままだから、そっちまで手を出す。洗わなくても良いのがまた嬉しい。結局食べごろの実はすべて制覇してしまった。つぎ食べられるのはさていつ頃か。

春になったら畑にも少し食用ホオズキ・ゴールデンベリーを植えようか・・・今年の秋は食べ放題だ!なんて想像するのもまた冬の楽しみである。

麻紐と弁当箱

季節によって仕事が大きく異なる庭仕事なので、使う資材も季節で大きく変わってくる。

冬は防寒や雪がこいのため、支柱や株元にマルチするための腐葉土、バーク堆肥の使用が増える。また、誘引作業もピークを迎えるので忘れてはならないのが誘引用の麻紐だ。

誘引に使うことができる素材は様々で、中に針金が入ったビニタイ(ビニールタイ)や化繊のひも等もポピュラーだ。ただ、後々の処理やナチュラルな見た目、価格等を総合すると結局は麻紐に落ち着いてしまう。

自然素材なのでいつかは朽ちて切れてしまうとはいえ、大抵の環境なら2年ぐらいは余裕で持つ。かなり太いツルバラの枝を誘引しても、翌年誘引し直す時にも強度十分のままである場合がほとんど。処分するのがもったいないぐらいだ。

しかも誘引や、支柱に固定するだけだから、そんなに長さは必要ないと思ったら大間違い。200メートル巻きとかのサイズを買ってもあっという間に無くなってしまう。「さあ、庭仕事にでかけるか・・・」と準備をしていて麻紐の余分が少なくなっているのに気がつき、慌ててホームセンターへ走るなんてこともしょっちゅうある。

たかが紐と思っても、実は結構コストがかかる。大降りのグレープフルーツ大に巻いた200メートル程度のもので500円台。もっと安いのもあるが、あまり細いと使えない場合もあるので、だいたいこれぐらいの価格帯に落ち着く。

ワンシーズン相当の数を使うし、買いに行く手間もバカにならない。そんなとき、とある農業資材系のホームセンターで面白いものを見つけた。

バインダーひも
「バインダーひも」
陳列されている商品を見ても具体的には何に使うものか分からなかったが、どうやら誘引にも使えそうで購入。太さも十分で4倍以上の長さがあるのに同じ500円台。これは試してみねばと思い購入した。

スタッフによると、少し旧型の稲作用コンバインで使う紐だとか。「なんでこんなもの買って来たの」と不思議がられた。彼は稲作もするので知っていたのだ。

今シーズンから使い始めて、特に問題はない。誘引作業等もかなり進んだが今のところまだ十分残っている。

ただ問題は、今までなら腰の四次元ポケットに入れることができたのに、このサイズでは無理なこと。いわゆる保温弁当箱、しかも大型のごつい奴ぐらいの大きさなのだ。仕方無く、足下において作業することが多いのでついつい蹴飛ばしがちだ。

保温弁当箱のように肩ひもがつけられればいいのに・・・。なんとか工夫できないかな?と現在思案中である。

こんな場所にはこのハーブ-ゴールデンレモンタイム

タイムの仲間は、冬の間花こそ無いものの葉色が様々に変化していろいろな姿を見せる。赤く色づくもの、斑が鮮やかになっていくもの、夏の間明るいグリーンだった葉が落ち着いたグレーになってしまうものなど、見ていて楽しい。

中でもゴールデンレモンタイムは気温が低くなっていくとともに葉の鮮やかさが増してくる。ここ松江近辺だとおおよそ10月の半ばぐらいから葉がその名の通りゴールデンの色合いに変わってゆく。

 

ゴールデンレモンタイム

このお家ではお庭の通路部分と花壇部分の境界の彩りとしてゴールデンレモンタイムを30cm間隔ほどに植えていった。夏前の定植だったので、強い豪雨等による泥跳ねが心配だったし、通路部分がむき出しだと雑草もバカにならない。そこで、通路にはココナッツチップを撒いたところ、とても具合が良かったらしく、どの株も非常に調子が良い。

元々、匍匐性のタイム類はこういうレンガの縁のようなところに植えると結構ご機嫌なようでうまく行きやすい。根がレンガに沿って地中に伸びていくため、夏の暑さにも耐えるし、水はけも良いのだろう。

この場所は東向きで後ろの花壇がかなり背が高いセイジ類があるため、午後はほぼ日陰になる。そのため夏の間、葉焼けもせず(葉やけをするとまず点々のように葉に出てくる)、秋を迎えた。

元々が野菜畑だったところなのでやや肥料分が多すぎるようで、予想していたよりも育ちすぎた感じである。通路にもやや出過ぎのかんが否めないのでこの冬か春先にはいちどサッパリと切り詰めてやる必要はあるだろう。

こんな場所にはこのハーブ-黄花アキギリ

セイジとか、サルビアというと地中海とか中南米というイメージがわきやすいが、世界中に分布する属なので日本にもセイジ(サルビア属)は何種類もある。

サルビア属であってもさすが日本原産というべきか、木陰でひっそりと咲くタイプが多い。なかでも山野草として愛されているアキギリは典型的だ。

その名の通り、秋に咲くので夏にも強そうに思うが、乾燥と強光線は苦手である。大きくて柔らかい葉は、夏の強い日差しに茶色くカリカリになってしまうのだ。

黄花アキギリ
この花壇では、明るい花色がお好きなオーナーさんのご希望で黄花アキギリを定植。南側にメキシカンブッシュセイジの大株を植え、昼頃からの直射日光が防げるようにした。(というより、メキシカンブッシュセイジの大株を花壇の中心に・・・というご希望だったので、陰になったところに黄花アキギリを植えたというのが正しいが。)幸い、裏山が迫っている場所なので夕日も心配がいらない。実質日が当るのは朝10時ぐらいまでだろうか。メキシカンブッシュセイジは、冬から春は地上部が無くなるし、背が高くなり、直立した枝がたくさん出るので株元は夏に強い植物を植えるのにちょうど良い。春先に咲くような、冬には日が欲しいけれど暑さに弱いもの(本当は大きな落葉樹の下が一番良いのだが)を組み合わせて植えるのに重宝する。

今年6月に定植し、梅雨の間に活着。真夏、まだメキシカンブッシュセイジが株が十分に広がらなかったため、8月終わりには葉が傷みはじめて相当心配した。柔らかで大きな葉も持ち味なのに、葉が傷んではせっかくの良さも半減してしまう。でも、その後メキシカンブッシュセイジの急激な成長もあって、コンディションも持ち直し、10月終わりにはかなり花が楽しめるようになった。

ちょうど、この場所から少し離れた峠に、黄花アキギリの自生地がある。そこもこの写真のように木漏れ日に映える花が群生し、息を飲むほど美しい。ここ数年足を運んでないけれど、今も広がっているだろうか。

レモングラス虫その後

秋も深まり、冬支度もせねばとせかさせる天気が多くなった。ただ、ここ松江ではものすごい寒さになることは無いので、掘り上げて越冬させる必要があるハーブはそれほど多くはない。

レモングラスについてもお客様から話を聞く限りでは寒さが厳しい年にはダウンするようだが、簡単な防寒をすることで、何年も地植えで越しているという方も結構いらっしゃる。

とはいえ、圃場がある地区では、さすがに【松江の北海道】と呼ばれるほどはあって、掘り上げておくのが安心だ。そのため、9月ぐらいから徐々に掘り上げて行く。

鉢上げしてしばらくは、きちんと活着しているかが気になるのだが、活着してしばらくすると、今度は別の心配が出てくる。

すべての株というわけではないが、茎をかじる幼虫がいるようなのだ。三年ほど前「レモングラス虫」の投稿でも紹介したが、株元近くに穴が空き、食べかすが散らばっているとほぼ間違いない。確証はないが、色々調べたところ、イネ科植物に良くつくアワノメイガの幼虫ではないかと思われる。

アワノメイガの食害
葉と茎の間に食べかすが見つかる。まだ食べたばかりのようだ。
レモングラスをかじるアワノメイガ
大抵はこんなふうに穴が空いている。古いと黒っぽくなる。

野菜でこの害虫の被害に遭いやすいのがトウモロコシのようで、「トウモロコシ アワノメイガ」などで検索すると情報もたくさんあると思うが、穴が空いた当りを剪定してみると大抵茎の中に隠れている。レモングラスのほうは中心が食い荒らされるため葉の先のほうが茶色くなり、すっぽ抜けることもある。

早く見つけて取り除き、剪定してしまうのが一番いいようだ。放っておくと根の方向へ食い進むようで、その場合は株自体がダウンしやすい。

レモングラスとアワノメイガ
穴の当りで切ってみると・・・。茎の中にいたいた。これを見るといつも思い浮かべるのがお菓子の家。天国だよね。

アワノメイガとレモングラス
今の時期ならバッサリ切っても根がしっかりしていれば小さな新芽がまた出てくる。おそらく今後は時期的にもほとんど発生しないから一安心だ。

アワノメイガとレモングラス
横から小さな芽が出ているので、大抵はこれが伸びる

また、大きな株ならば全体にダメージが及ぶことは無いと思われるから、鉢上げしたり、株分けしたりする時に注意すればいいのではないだろうか。卵の時点で見つけることができれば一番いいが、来年の課題だ。