仕事場へ行く道の脇には蕎麦の畑がある。今年も8月の終わりに一斉に小さな芽吹きが見られたかと思ったら、いつの間にか大きく育ち、少し前から白い花が咲き始めた。厳しすぎる残暑だったのに、あまりそれを感じさせない成長、さすがに救荒作物とされるだけはある。
当店の育苗用土にも、水捌け促進その他のために蕎麦殻を入れているが、蕎麦が育ちやすいシーズンだからだろうか、いろいろなところから蕎麦が芽を出している。

中には、販売用の袋に詰めた中の土から発芽するエネルギッシュな芽もあるほどだ。

この蕎麦殻、専門の製粉会社から仕入れているので、相当しっかり脱穀されているはずなのだが、それでも発芽ゼロではない。

昔、石臼引きの蕎麦殻を使った事があるが、もうそれはそれは、ハーブを育てているか蕎麦を育てているかわからないほど発芽して困ったほどだ。
また、もっと昔、もみがらも土に入れていたこともあったが、たとえ春であってもイネの発芽は一度も見た事がなかった。発芽条件の違いか、脱穀の精度もあるのだろう。でも、蕎麦の中に貯められたエネルギーを感じざるを得ない。



くまなく探したが、見つかったのは置き土産のフンだけ。少なくともバッタとかではなくて芋虫の類だということは確かだ。もしかしたらナシケンモンかもしれない。
とりあえずは、食害された葉を剪定して様子を見ることにした。
こちらは現行犯逮捕できた。ナシケンモンだった。
ヤブガラシである。ビンボウカズラとも言われるのだが、こちらの名前の方がピンとくる。貧乏暇なしとも言われるように、暇がなくて草取りができないとこの雑草が繁茂するという由来は、ただただ頷かざるを得ない。
