待つのも一つの解決法

夏が終わり、貯水用の水タンクの役目が終わると、「今年も無事秋が迎えられた」と、感謝しつつタンクを洗う。

タンクといっても、そのうちの多くは古い風呂桶に蓋をしたもので、あとは大型の1トンと1.5トンのタンクだ(こちらはビルの貯水槽のようなタイプ)。

風呂桶はまさにお風呂を洗うのと一緒でタワシで水垢などを擦ればいいし、大型のタンクは中に入れるサイズなのでこれも同様。

ところが、一つだけ問題のタンクがある。大型のタンクを手に入れる前に使っていた500リットルのタンクだ。

このタンクには入ることができないし、かといって、上からでは手も届きにくい。そのため、2年ほど掃除を怠っていたら中にすごい量の藻が発生してしまった。

使っていれば水も循環するので藻はつきにくいが、ここ2年、水を貯めるだけで使っていなかったのも災いした。9月、水を抜いた時、愕然としてしまった。

厚さ数センチのゼリー状の藻が、内側を覆っていた。これでは、もし今年の夏使おうと思ってもトラブルが起きたかもしれない。

使わなくて済んだのは良かったが、さて、どうやって掃除をしようかと悩んでしまった。

このまま上半身を突っ込んで掃除をするのはとてもする気にはなれず、とりあえず水だけ抜いて放置していた。スタッフに相談したところ、塩素系の漂白剤を入れてみては?というアドバイスもあったが、液の処理や、その後のタンクの乾燥などあとの課題も多く、実行には踏み切れずにいた。

そして先日、ふと覗いてみたら何か中の様子が違う。よく見ると、藻が乾燥して薄くなっている。しかも一部は壁面から剥がれつつある感じだ。

そっと剥がしてみると、まるで日焼け後の皮を剥ぐようにペリペリペリと綺麗に剥がれる。これはありがたい!汚れは残っているが、これなら容易に洗えそうだ。

まとめて剥がれると気持ちが良い

まだ下の方は湿っていてゼリー状だったので、横倒しにして更に乾燥を待つことにした。

多くの場合、問題を放置しておくと大抵ろくなことにはならないが、時には待つことも一つの解決につながるようだ。

火入れ式

先日、休憩所の薪ストーブをスタッフに設置してもらったので、昨日、今年の火入れ式をおこなった。

まだ、実際に使わないといけない状態ではないのだが、早めに着火だけはしておく。構造はとてもシンプルなので火がつかないとかそういう心配はないが、毎年春の使い終わりに掃除をして耐熱スプレーをかけて保管しておくようにしている。

この耐熱スプレーが、次に火を入れるときに結構匂いがするので、本番までに何度か火をつけることで塗装の匂いを飛ばしておく必要があるのだ。

実際耐熱スプレーをかけるまでする必要があるだろうかと毎年のように思う。もともとの本体価格が4000円弱(数年前・先日見たら6千円台だった・・・)なので、ハードに使うところでは毎年使い捨てという話も聞く。

耐熱スプレーも案外高価だし、事前に錆を落としたりスプレーが飛び散らないようにしたりそれなりに手間もかかる。ただ、捨てる手間もあるし・・・と、どちらも判断付けがたい・・・。

今年も問題なく点火、順調に火が回り、暖かさが伝わってくる。それに従って特有の匂いが休憩所に広がった。あと3回ぐらいは点火したほうがいいかもしれない。

あとでラジオで耳にしたのだが、昨日は立冬だったそうだ。ストーブに火を入れるには最適な日だったようだ。さて、来年はいつ火をつけることになるだろうか。

ファーストエイドキットよりも

昨日のようなこともあるので、圃場にはファーストエイドキットが欠かせない。

一応、スタッフそれぞれがそれなりに自分用の応急処置薬などはもっているようだが、誰でも使えるファーストエイドキットもある。

昨年、それを新調した。今回は気合を入れて、プロ監修のファーストエイドキットだ。

監修者はもと消防士のスタッフ、U君だ。監修といっても、すでにセットになっている市販のファーストエイドキットを「これでいいかな」とみてもらったぐらいだが。それに追加して蜂に刺された時などに使う軟膏と、毒を吸い出すポイズンリムーバー、使用頻度の高いバンドエイドを加えたぐらいだ。これだけ揃っていたら一応何があっても対応できそうでひと安心。

事務机の引き出しに入っているが、いまのところ、使われたことはない。使われるような事態が起こらないのが一番だが。

ただ、皆が安心しているのは、元消防士が近くにいること。まあ、大抵のトラブルがあってもなんとかしてくれそうだ。ファーストエイドキットよりも安心感は高い。

それにしても器用なことだ

挿し木作業は、この仕事を始めた頃からカミソリを使って行っている。

いろいろ試してみたが、ごく普通(といっても、この頃は購入できるところも限られてきたが)の換え刃を超えるものにまだ出会わない。鋭利さ、使い勝手、コスト・・・使い捨てというのだけが気にかかるが、それでも一枚で相当数の挿し穂を処理できるので目を瞑るしかない。

刃が両方についているので、当然慎重に扱う必要がある。慣れてきたとはいえ、膨大な差し穂をつくる以上、年間に一度ぐらいは自分を切ってしまうことがある。

今回も、気が焦っていたのだろう。急いで作業をしていたら手元が狂ってスッパリ。もちろん、そう慌てることもなく、すぐにカットバンで止血して作業に戻った。

作業をしながら、それにしても器用なことだと半ば呆れた。カミソリを持っているのは右手。それなのに右手を切ってしまうとは・・・。

コットンの季節

ファッションにはあまりこだわらない方だと思うが、着ていて快適かどうかだけはいつも考えている。特に作業時は時に汗だらけ、時に泥だらけになるので服のチョイスは適当にはできない。

なので、気温が高くて汗をかきやすい季節や、汗をかいたら冷えて困る冬はどうしても化繊の機能性ウェアを選択することが多い。

とはいえ、やはり自然素材の肌触りは格別だと思うし、特にコットンの柔らかさは肌が喜ぶ感じがする。

暑さがおさまり、本格的な冬がやってくるまでの短い間はコットンを楽しむ貴重な期間だ。この時期だけはTシャツもコットンを積極的に着るし、ジーンズもしっかり楽しむ。

若い頃からジーンズは好きで、真夏、汗だらけになってギッチギチになっても痩せ我慢して履いていた時期もあったが、いまとなっては初夏以降は登場しなくなるし、寒くなると情けないがタイツを重ねばきするのでジーンズの風合いを肌で感じることもない。

もともと作業着として生まれたジーンズだが作業で履くジーンズは、普段履きをして、だいぶ傷んだものを作業用に下ろす。穴あきの補修もずいぶん上手になった。

穴が空いていても作業時には人に会うことはあまりないので構わないのだが、やはり少し手を入れるとむしろ愛着がわいていい。

今、これを書きながら履いているジーンズは、春先に購入してまだ色も濃い。写真のような色合いになった頃には作業用として履く事になるだろう。