LEDライト

秋分の日をむかえるようになり、日が短くなったことをひしひしと感じるようになってきた。夕方、まだ仕事が残っているのに早々と薄暗くなってしまう。

先日など、夕方用事があって圃場に行ったら日中の暑さのせいで、予想以上に苗がしおれていた。すぐにでも水やりをしなくてはならなかったが、一旦家に戻らなくてはならなかった。

用事を済ませ、圃場へUターン。圃場には照明設備はない。さすがに暗闇での水やりは困難なのでヘッドライトとミニマグライトを携えてゆく。もうすでに真っ暗である。

念のためミニマグライトも持ってきて良かった。ヘッドライトだけでも充分見えるが、細かい所を照らし出す時、左手のマグライトがあると無いとでは大違いだ。2時間近くかかる水やりだが、どちらもLEDなので電池切れで明りが消えてしまう心配はない。この頃はエコ的な側面から注目されるLEDだが、こういうシチュエーションでは誠に心強い。

ヘッドライトとマグライト

ミニマグライトは、普段は自転車で使っている。暗くなる時間帯にはあまり乗らないのでライトをつけることもめったにない。慌ててライトをつけたら電池が切れかかっていてあっという間に光量が落ちることが度々だったが、LEDに代えてからは安心して運転が出来るようになった。

ヘッドライトは、子供が寝てしまった後の読書用。本来のアウトドアでの仕事を終え、また枕元へ戻っていった。もう少し寒くなれば、暖かい布団の中で読書の秋を楽しめそうだ。

民具

夏野菜もそろそろ終りが近づいてきた。キュウリはもうすでに片付けてしまったし、オクラもそろそろおしまい。ツルムラサキもさすがに飽きてきた。ナスはもうちょっと頑張れるかも知れない。猛暑のさなかさっぱりだったミニトマトがようやく復活してきた。粒は小さめながら味はまずまず。でも、暑い時期に楽しみたかったなぁ。

ザルと野菜

収穫は、把っ手付きのザルを片手に。このザルは、とある酒屋さんに訪れたとき、ちょうど納屋の片付けをしておられ、その時に出てきたものを譲り受けたものだ。どれぐらい前のものか不明だがとても丈夫で、もらってから10年近く経つのにザルの下の足の部分が壊れただけで(同じような竹で簡単に修理できた)、愛用させていただいている。プラスチックのカゴに比べると野菜を入れた時の収まりも良いし、野菜の色も映える。野菜たちも何となく気持ち良さそうである。

ところで、先月、子供が通っている小学校で校舎改築に伴う備品や器材の大移動が行われた。椅子や机を暑さの中、汗にまみれて運搬した。小学校には「地域の歴史の展示コーナー」みたいなものがあって、昔の調度品や、かつて稲の脱穀に使った道具など、昔使われていた民具が集められている。その中に、例のざると寸分たがわないものがあったのである。

民具として展示されるようなものが未だに現役とは・・・。昔の丁寧な仕事と素材の強さに改めて感心せざるを得なかった。今になって良いものを貰ったなあと思うのである。

土曜日限定

ビニールハウスでの作業中には、いつも小さなラジオから音楽やトークが流れている。

以前も紹介したことのある小さなラジオ、この夏も頑張ってくれたが、どうも調子がおかしくなってきた。山に囲まれた場所なのでもともと電波の入りが悪い。それが、ここ数ヶ月更にチューニングがずれやすくなったり、天気によっては選局自体が難しくなってきた。

そんな時は聞くのを諦めたり、別の局にしてごまかしていたが、とうとうしびれを切らしたスタッフのひとりがラジカセを持参してきた。なんでも母君がかつて使っていたものだそうだが、もういらないと言うのを譲り受けたとか。

ラジカセ
古きよきデザイン。もちろんCDはなし。

「そのうち壊れるのを覚悟の上だろうね」と念を押しておいた。激しい寒暖、土ぼこりや直射日光、湿気など、環境は劣悪である。

それにしても小さなラジオに比べるとラジカセの音質は素晴らしい。土曜朝、スタッフ誰もがお気に入りのFM、「ウィークエンドサンシャイン」、そして「世界の快適音楽セレクション」も「音楽」を聴いている実感がある。音楽が聞こえすぎて仕事の妨げになるぐらいである。

雑音が入りすぎて聞く気になれなかったクラシック番組や軽妙なトーク番組もこれなら楽しめそうだ。毎日の作業も楽しくなるに違いない。

「ん〜、いい音だねぇ」
と感心していると、当のスタッフ曰く
「ラジカセは土曜日だけ持ってこよう、AMは音悪くてもいいし!」

なんだとぉぉぉぉ〜

向き不向き

そう多くは無いが、お客様の庭の手入れで芝刈りをすることがある。いずれも庭のワンポイントで芝刈り機を使うほどの大きさではないので、ハンディ式の電動芝刈り機で事足りる。

こういった単純作業は結構向き不向きがあるもので、自分のように気が散りやすいものには適さないようだ。スタッフには一人、黙々と芝刈りをこなすものがいて大抵は彼が担当することが多い。仕上がりも問題ないのだが、悪い癖で電源コードを時々切ってしまうのだ。

「今日は切らないようにね!」
とみんなで半分冗談交じりで言うのだが、それでも何回かに一回はスパッと切断してしまう。一度など、お客様の家のブレーカーが落ちてしまって大騒ぎになった。

さすがにそろそろ交換しないと危険である
さすがにそろそろ交換しないと危険である

「電源から近い所から初めて、徐々にコードを伸ばしていく」
という基本は分かっているはずなのに、芝刈りに集中しすぎるとコードが目に入らなくなってしまうらしい。他のスタッフからは、
「二日酔いかぁ?」
とか
「どうせ女の子のことでも考えてたんだろ〜」
としばしば茶化されている。

気が散るタイプにも向かず、集中しすぎても駄目、芝刈りは簡単なようでなかなか難しいものである。

剪定と研ぎ

梅雨が明けると、苗の剪定作業が増える。高い温度に加え、水が切れないよう、充分な水やりをするので枝と葉がぐんぐん伸びる。形も悪くなるうえに、葉が多いと余計に水が切れやすくなる。そのため、適度に剪定が必要だ。

苗の柔らかな枝と言っても、大量に剪定しているとハサミの切れが悪くなってくる。切れが鈍ると、柔らかい枝がむしろうまく切れない。研ぎが必要になってくる。

本気で刃を研ぐのなら砥石の出番だ。でも、砥石を使うと、それ相応の時間もかかる。また、携帯用シャープナーと言う手もある。これも、普段はツールボックスの底にあり、さっと取り出してと言う感じでは無い。

そんな時、活躍してくれるのが、圃場の片隅にあるトクサだ。ケイ酸を含み、木工品のヤスリがけなどにも使うと言う。苗の剪定でハサミの切れ味を鈍くする原因はほとんどがヤニ。だから、トクサで軽くこすってやると簡単に取れる。使い終ったら、苗の剪定屑と一緒に処分できる。片付けの必要もないのが嬉しい。

トクサ

このトクサ、お客様の庭の整備をしていた時、あまりに広がりすぎて片付けて欲しいとのことで引っこ抜いた。また何かに使うかもと持ち帰って植えていたのが今になって重宝し出した。ただ、場所によってはものすごく増えるので、鉢植えの身である。