本領発揮

挿し木や株分けの親木にする株は、大きく育つ種類や丈夫なものは畑に。寒さに弱いとか、特に湿度に弱いものなどは容器栽培で管理している。

タイムの仲間は寒さにも強いし、丈夫な種類なら地植えでも問題ないのだが、匍匐性については種類が紛れてしまうと大変な事になるので鉢植えでの管理である。

ゴールデンレモンタイムの親木は例年ならちょうど今ごろから葉が鮮やかなライムグリーンになってくる。春が近いことを感じさせる爽やかな色である。しかし今年はちょうど一番寒い時期に場所移動のためにしばらく野ざらしにしていた。普段は無加温とはいえ、一応屋根があるのだ。

ゴールデンレモンタイム

しばらくしてみてみると見事に葉が色づいていた。イエローと言うよりも茶色みさえ帯びた強烈な色。そう言えば昔地植えにしていた頃はこんな色を見せていたのかも。この株も久しぶりに本領発揮している感じで葉もつやつやと元気そうだった。

頼もしいヤツ

冬はビニールハウスの施設のメンテナンスを行なうことが多い。棚を作ったり、拡張したり、補強したり。今年は特に雪で破損したビニールハウスの修理に手間がかかっている。

この頃のパイプハウスは、接続するための金具などが充実しているので、金槌やドライバーぐらいあればそこそこ作ることもできるが、パイプを切ったりするにはさすがに専門の道具が必要になる。今まではサンダー(ディスクグラインダ)と呼ばれる電動の切断機を使っていた。パイプを切るだけでなく、刃を替えることによってレンガも切れるし、サビ落としなんかにも使える。ただ、これは火花が凄いし、強力な回転力があるので危険性も高い。音もものすごいので使うと自然に緊張感も高まる。

パイプ切断用に以前から少し気になっていたツールがあった。配管作業をしている友人が以前持っていたパイプカッターである。パイプに当ててくるくると回すと鉄パイプもポキンと折れるのだ。初めて見た時は、ちょっとびっくりした。こんなに簡単に切断できるとは。

それでも今まではサンダーがあるのでわざわざ購入するまでにはいたらなかった。

パイプカッター

ところが今回、相当数パイプを切る必要が出てきたので購入に踏みきった。パイプに当てて手元の握りを締めながらクルクルと回転させる。厚めのパイプでもものの10回転ほどで切断できる。静かだし、危なくないし、電源コードも引きずらないので非常に楽に作業が進む。心配だったのは鉄のパイプを切断して、さて、何本ぐらいまで切れるのかと言うことだった。でも、今の所無駄な心配であった。200本ぐらい切っても特に問題はないようだ。はじめからついている替え刃も今の所出番がない。

普通の園芸には用がないツールだが、鉄の他にステンレスや銅、真鍮、アルミ、塩ビパイプなども切断できるようなのでDIYが好きなひとにはちょっとおすすめしたい。パイプを切るとどうしても斜めになってしまうと言う悩みも解消される。ホームセンターで購入。2680円ナリ。

古株の受難

圃場にある一番の古株であるマリンブルーローズマリーも雪で大きなダメージを受けた。もともと、スタッフの庭にあった株で、引っ越しの際に行き場がなくて仮植えのつもりで圃場にやって来た。その時、すでに背丈近くある大きな株になっていたので移植で根付くか心配だったが、この場所が気に入ったのか、更に成長を続け、一時は直径が2メートルぐらいになってしまった。通行に支障になるわ、他の株を圧倒するわで一昨年ぐらいから大幅に剪定してダイエット。直径も半分ぐらいにはなっていたが、例の雪でぺちゃんこに。太い枝もボッキリと折れてしまった。

マリンブルーローズマリー幸い根はほとんどダメージなさそうなので、きっと春からまた元気に枝を伸ばしてくれるだろう。これを機に移動させる良いチャンスなのだが、今度移植したら本当にダウンしそうなんだよなぁ。古株の受難はまだ続く?

45度

今月初めの大雪の時には気づくことさえできなかったが、3メートル近くある月桂樹が完全に横倒しになってしまっていた。

他の復旧作業に追われていたし、今後もまた積雪がある恐れがあると言うことだったので特に手を付けることもしなかった。(結果としては良かったけれど)。

根も持ち上がってしまっただろうし、大幅に剪定して植え直すしか手が無いかなと思っていたが、今ようやく重たい雪が溶け出すと徐々に体勢を立て直し、今45度ぐらいまで持ち上がってきた。ちょっとびっくりである。このままどこまで持ち直す気なのだろうか。

ほとんど地面についていたのに・・・。案外柔軟性があるのかも
ほとんど地面についていたのに・・・。案外柔軟性があるのかも

いずれにせよ、落ち着いたら支柱もかけ直し、ついでに大幅に刈り込んでトピアリーでも作ってみようか。この山際の畑には不似合いこの上ないけれど。

枝折れを機に

年初から雪に覆い尽くされていた畑のラベンダーも少し姿をあらわしてきた。予想通り、重い雪に押しつぶされてしまっている。このようなラベンダーを見るのも何年ぶりだろうか。

比較的雪にも強いグロッソラベンダーもペシャンコに
比較的雪にも強いグロッソラベンダーもペシャンコに

どの株も多かれ少なかれ、枝折れの被害を被っている。癒合材などをつけて補なうという手もあるが、いずれも直径が1メートル近くなっていて、早くコンパクトに仕立て直さなくてはと思っていた所。これを機に強剪定してみるのも良いだろう。

ラベンダーの枝折れ

それでもダウンする株も出てくるかも知れないけれど、更新する良い機会と割りきってみよう。少しレイアウトも替えてみようか・・・なんて前向きに捉えるにこしたことはないのである。