顔を上げて

先だって紹介した八重咲スイートバイオレットも花は見事だが、やはり可憐さと言う点では原種のスイートバイオレットのほうが上である。

スイートバイオレット

咲き方にしても、蕾がまだ開きかけの時は葉の下でまだうつむき加減にひっそりと姿を隠している。八重咲スイートバイオレットならもう既に葉の上にドテッと蕾を横たえている頃である。

スイートバイオレット

いよいよ開花という時期になると花茎も伸び、花も上を向いて開いてくる。どうぞ香ってくださいと言う感じである。

スイートバイオレット
ところで、スイートバイオレットの甘い香りは、よくよく嗅いでみると極々僅かではあるが不快な香りが混じっている。香水のブレンドでも微妙に悪臭を加えることで深みを加えるというが、こういった花の香りから考え出されたのだろうか。

耐寒

昨夜からの雪で、今朝は一面の銀世界になった。ビニールハウスも雪で覆われ、中がやや薄暗い。現在、無加温のビニールハウス内の気温が零度。
フルーツセイジ
フルーツセイジの苗がじっと寒さに耐えている。サルビア属のなかでも特に寒さに弱い種類だが、秋から無加温状態で徐々に慣らしているので零度前後でも何とか持ちこたえる。むしろ春先に暖かくなった後で寒の戻りがあると一発で茶色になってしまうので毎年注意している。

こんな寒い中でも葉をこすると特有のフルーティーな香りを放ち、しばし冬を忘れさせてくれる。以前、寒冷地のサンルームで育っているフルーツセイジを見たが、冬の最中にひととき春を感じさせてくれるこのハーブはサンルームには最適かもしれない。

春の香り

今日のような暖かい日はビニールハウスに入ると良い香りがしてくる。今の時期なら大抵はスイートバイオレットだ。今年は特に八重咲スイートバイオレットが良く開花している。

八重の花は普通のスイートバイオレットよりも花のサイズも大きく、横に広がる性質も強いため、どうしても下向きに開花してしまいやすい。とても魅力的な花なのだが、写真に写すのも斜め下からで一苦労である。

八重スイートバイオレット

本来はこのようなことはしないのだが、今回は特別にタイで補助をして撮影したのだった。

気が早い

春に咲く花は、春を待ちかねる気持ちもあり、少々早く咲いても嬉しいものだ。ただ、ビニールハウスの中は事情が違う。
ラングウォート(斑無)2
昨年の秋、花壇で育ったラングウォート(斑無し)がだいぶ大きくなったので掘り上げて株分けした。根も充実していたので、活着も良好と見え、安心していたのだが、大寒を目の前にして開花しはじめた。無加温とは言え、陽の当る日中にはそこそこ気温も上がるためだろう。
ラングウォート(斑無)
さすがに根も十分に廻っていないだろうし、販売するにも早過ぎる。できれば咲かせたくないのだが、如何ともしようが無い。花は早めに剪定して店にでも飾ってやるつもりだ。個人的には結構好きな花なので、咲かせ続けたいのが本音である。