気の進まない仕事

雨漏りがしてるなあ・・・。
一昨年張り替えたビニールハウスだが、今年のはじめぐらいから、ところどころから雨が漏るのが気になり始めた。

原因はいくつかある。

まず、ビニールハウスの骨組みと、ビニールがこすれやすい場所は穴が開きやすい。特にてっぺんなどの突起部分はなおさら。同じくビニールを押さえるベルト(マイカ線と呼ぶ)が当たる場所も要注意だ。

また、問題なのがカラス。ビニールハウスの上に時々止まるぐらいならまだ良いのだが、内側にいる昆虫をくちばしでつついているようだ。あんな強力そうなくちばしで突かれたのでは薄いビニールなどひとたまりもない。

そのほか、そんなに多くはないが、内側に侵入した鳥が外へ出ようとして激突したり、ハウス内部での作業中に、あやまって脚立などが当たったりというようなこともある。

2年ぐらいするとこれらの原因でビニールには結構な数の穴が開いてくる。

実際の所、冬でも結構開けっ放しだし、加温するわけでもなく、苗を育てるという点では少々穴が開いていても大きな弊害はない。

とはいえ、放っておくと徐々に大きくなるし、作業する場所の上などはやはり雨漏りはうれしくない。

なので、全てを補修するというのは大変ということもあり、作業スペースの上や、極端に大きな穴が開いたところだけの補修は必要だ。

補修テープ
ビニールハウス専用の補修テープ。幅が広く、厚め。

しかし、春から初夏はオンシーズンで忙しいし、梅雨の間は濡れていてなかなか作業ができない。夏はパイプが激熱になるので、熱くて作業にならない。涼しくなるとまた本業が忙しい。冬は寒いし風が強くて危険。・・・いろいろ言い訳があるが、つまり、気が進まない仕事なのだ。

先日、うっすらと雪が積もった。雪が徐々に溶けてくると、空いた穴からポタポタとしずくが垂れてくるのがよくわかる。作業スペースの上あたりも何箇所かあるようなので、ようやく重い腰を上げることにした。

数日後、久しぶりに晴れた日を狙ってビニールハウスの上に登る。高所恐怖症というほどではないが、先月、プロにビニールの張替えをしてもらった時に聞いた「滑り落ちて大怪我をしたことがある」という言葉が思い出される。

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何度あがってもやっぱり怖い

上から見ると、中から見るよりはるかに多くのコケがビニールに付着している。本当かどうか知らないが、山が近くて湿り気が多いと、山から飛んでくる花粉(スギ花粉だろうか)を栄養にしてビニールの上でもコケがはえるとか・・・。

補修テープを貼るにもまずは湿らせた雑巾でコケを拭き取ってから貼らなくてはいけない。

ビニールハウスの補修
移動は慎重に

また、思ったよりも穴が空いている箇所が多く、慎重にあっちへ行き、こっちへ行きしながら補修を行う。足の裏、スネ、膝、手など、使える所を全て使ってクモのように移動する。パイプの位置からずれるともちろんビニールを突き破ってしまうので、慎重に。

ビニールハウスの補修
天気は良いが、吹きっさらしなので結構寒い。裸足も冷たいが、緊張感で寒さはあまり感じない。もちろん、ビニールハウスの上に登って写真を撮るような余裕もない。

とりあえず、今すぐ問題になる場所だけ補修を完了。30分ほどであったが、何時間も作業をした感じがして、地面に降りた時には大きなため息がでた。手も、足の裏もコケと汚れで真っ黒。スネが痛む。ジーンズやシャツも所々が黒ずんでいた。

これでこの冬はなんとか大丈夫。次に問題になる頃にはビニール全体の張替えになるだろう。ヤレヤレ。

拡張工事

今日も朝から雪が舞う。山陰の春はもう少し先になりそうだ。

ビニールハウスは無加温なので、日がささなければ温度は外気温とほとんど変わらない(さしてもあまり変わりはないが)。

気温が低ければ苗たちの成長もゆっくりで、したがってできる仕事も限られる。

そんな冬のあいだに行う大事な仕事がビニールハウスの補修や改良である。

ビニールハウスも雨風にさらされて、年とともに部材が錆びてきたり、ビニールが破れてきたりする。また、使っているうちに、使い勝手が悪い場所が出てきたりするので時間に余裕がある冬のうちに改良して、春以降に備える。

今年の仕事は苗を育苗する台が古くなってきたので、台の上面の竹を張り直し、あわせて拡張を行うことにした。苗を大移動したり、例年よりも大仕事となった。こんな仕事は他の季節ではとても行えない。
拡張工事
いままで台が少し狭めだったので、通路部分は広くて使い勝手はよかったものの、面積を有効的に活用しているとは言いにくかった。特にオンシーズンには、発芽した苗をポット上げしようとしても、場所が足りなくて困ることもしばしばであった。

そこで、今回は約60cm幅を広げることにした。スタッフの計算によると置ける数が2割増えるとのこと。実際出来上がった台を見てみると、予想していたよりも広い。

竹の台
緑色もまだ鮮やかに残る竹は見た目にもフレッシュでいい感じ。もう少し暖かくなるとこの上に続々と新しい苗が並ぶことだろう。

でも、きっと、あっという間にいっぱいになってしまうんだろうなぁ。