手拭いの友

汗をかく量が日増しに増え、これから夏の終わりまで日に何度も手拭いを洗うようになる。手拭い愛好者の私としては、干す時もスマートに行ないたい。プラスチック製のハンガーは手拭いには不似合いだ。そこで、数年前、こんなものを作ってみた。

手拭いとラベンダーはややミスマッチである
手拭いとラベンダーはややミスマッチである

裏にある山で、竹の枝を少し調達。一本の竹には紐が通るような穴を両端に空ける。細めの紐を結べば、和風のハンガーのできあがりである。つり下げ部分は、柔らかい銅の針金でフックを付けたので、どこにでもぶら下げることができる。製作時間、ものの10分であった。竹の節がちょっとしっくり来ないが、作り直しもせず、夏を数えて3回目ぐらいになるだろうか。

手拭いハンガー

普通のハンガーだと風で飛ばされてしまうこともあるが、押さえがあるので風が強い日も安心。ついでに濡れたシャツまで乾かしてしまう。

手拭いハンガー

紐を巻き付ければ、竹棒2本のサイズにおさまるので、いつも車の片隅に入れてある。

藍染の手拭いが風にそよいでいる姿は暑さの中にもしばし涼感を覚えさせてくれるのだ。

手拭いの季節

蒸し暑さも本格的になり、庭仕事のある日は手拭い2枚を持って出るようになった。

手拭いを愛用するようになって、十年は経つだろう。それまでは普通のタオルを使っていた。夏に汗を含んだタオルの匂いは強烈だ。でも、そんなものだと思いタオルを使い続けていた。手拭いなんて年寄りが使うものと言うような偏ったイメージがあったのだろう。

今となっては使い始めたきっかけも忘れてしまったが、さっぱりとした使い心地と、相当汗を含んでも匂わないことにびっくりしたのは覚えている。第一、嬉しいのは乾きが速いこと。午前中びっしょりになった手拭いも、ざっと手洗いして昼休みの間日なたで干しておけば午後からまた気分良く使える。タオルではこうは行かない。極めて実戦向けなのだ。汗をかく季節だけでなく、冬は首回りの防寒用に、その他の季節も純粋に手拭いとして年中手放せない。

端はそのままのほうが乾きやすいんだそうだ。少々のほつれは気にしない!
端はそのままのほうが乾きやすいんだそうだ。少々のほつれは気にしない!手前は近頃お気に入りの唐辛子柄

また、使い続けるうちに風合いが変化してくるのも楽しい。買いたてのぱりっとした肌触りも良いし、何度も洗っているうちに少しづつソフトになってゆく。向こうが好けて見えるぐらいになると、まるでガーゼのような柔らかさだ。こんな変化を楽しむためにも、生地がしっかりした手拭いを選びたい。

使い始めた頃は嬉しくて、現代風なモチーフやポップなデザインの手拭いにも手を出してみた。けれど使い続けてみると一番しっくり来るのは昔からの和風の柄ばかり。やっぱり日本人なんだなぁ。とつくづく思う。