冬の間、ニオイゼラニウムの仲間はほとんどがお休み中である。ビニールハウスの中では株が大きく傷む事はないとはいえ、古い葉が落ちていったり、成長を止めてじっと春のベストシーズンに備えている。
唯一、パインゼラニウムだけが季節を忘れたかのように花をつけ続けている。「四季咲き」というキーワードは一般的には好意的に受け止められる事が多い。季節を問わず咲いてくれると言うのはなかなか有り難い事なのだ。
だが、パインゼラニウムのように始終咲いていると一寸有難みが無くなってくる。これで葉の香りが良ければまだプラス面もあったろう。しかし、残念ながらまさに松やにを思わせる香り。好みもあるにせよ、少なくとも自分はあまり好きな香りとは言えない。むしろ、深みのあるグリーンみの強い葉の方に魅力を感じる。
普通四季咲きのものは、剪定するタイミングが図り辛く、つい躊躇してしまうものだが、このゼラニウムは惜しげも無くチャキチャキとハサミを入れることができる。その点は気楽でいいかも知れない。