黄色い葉っぱに騙される

農業では、いつ頃種子をまいて、いつ頃定植、収穫はいつ頃というように栽培計画をたてることがとても大事だ。

かつては栽培計画らしきものを作っていたこともあったが計画通りいったことはまずなかった。栽培する種類が半端なく多いうえに、種まきしてから発芽まで、挿木をしてから発根までの期間もそれぞれ異なる。そのうえ、季節やその年どしで発芽や発根にかかる日数も変わってくるので、いついつ頃に種子をまくと、何日後に発芽、更に何日したらポット上げなんていう計画をたててもほとんど役に立たない。10種類、いや、20種類ぐらいまでならなんとかコントロールできるかもしれないが。

なので、計画的な農業とはとてもいえない。乱暴な言い方をすれば、行き当たりばったり。その一言に尽きる。

ポット上げも行き当たりばったり。種子の発芽ならば目で見てわかりやすいので、芽が出てポット上げできそうならそうする。でも、挿し木の発根は、プラグをひっくり返すのが確実だが、いちいち裏返すのも面倒なので、大抵は地上部の様子をみて芽が動き始めたことで判断する。

もちろん、経験から、そろそろ発根しているだろうという予測はつくけれど、それにしてもラベルの日付が頼りとなる。

今日もふと見たレモンマートルの挿木に、「ん?」と違和感を感じて名札の日付を見てみたら3月の終わり、十分発根している頃だ。

もともと葉が黄色っぽいので、この夏前に挿木したものと見分けがつかなかった。プラグから出してみたら、しっかり発根していた。

しっかり発根

このまま見逃していたら、半年遅れもあったかもしれない。

レモンマートルの場合、成長にはある程度気温があった方が良いので、すぐにポット上げをすることにした。

気が付いてよかった。挿木したプラグも、作業順に並べてはいるのだが、つい見落としがちだ。スタッフには日々「観察が大事」と言っているのに、反省、反省。

紛失防止策

昨日ようやく雨が降った。気象台による観測でも、7月28日からずっと雨が降っていないようで、91年以降最長だとか。雑草さえも枯れはじめ、圃場の大きな菩提樹の葉がパラパラと落ち始め、この間からはメキシカンブッシュセイジもぐったりとしていた。他の地域では「8月1カ月分の雨が・・・」というような豪雨災害も頻繁に耳にするほどだったので、少し分けてほしいぐらいだった。

昨日はほんの1、2時間ほどの雨だったが、それでも気分的にずいぶん楽になった。台風が接近する心配はあるものの、それに伴うもう一雨が待たれる。もちろん、暴風はゴメンだが(虫が良すぎるか)。

水源の井戸もかなり心配な状態になっていたので秋に向けてのポット上げもかなり控えめにしていた。当てにならない(笑)天気予報によれば、今後は少し雨も期待できそうなので、ようやく本腰を入れてポット上げ作業を再開した。

今日は夏前に挿木をした種類のポット上げから。プラグの底からそっと押し出してやると、ちょっと遅くなったかなというほど充実したローズマリーの根が現れた。

この押し出すときに必要なのが、プラグの底の穴に合った棒なのだが、細すぎてもうまく出てこないし、太すぎては穴に入らない。ちょうど良い具合の太さの棒が必要となる。

昔からこの作業に、割り箸、鉛筆のお尻、竹の枝、などなどを使っていたが、どれも帯に短し、タスキに長しという感が強かった。

そこで、数年前から専用のプラグ出し棒(正式名称はないが)を使うようになった。泥にまみれても腐りにくいよう、栗の材を削って作ったもの。固くて作るのには結構苦労した。

ところが、色が土色に近いので、先代のものは土に紛れてどこかへ行ってしまった。苦労して作ったのでずいぶん探したが見つからず、とてもがっかりした。

今度こそは無くさないようにと、対策を練った。鈴でもつければいいかもしれないが、作業中うるさくてかなわない。紐をつけることも考えたが、作業しづらいだろう。

とりあえず、目立つように塗ることにした。手持ちのペンキで、紅白に帯状のラインを入れた。決して見た目は良くないが、とりあえずは紛失防止になるのではと思う。

土に紛れても、見つかる(かな?)

本当はもっと良い紛失防止策があるといいのだが、まだ決定打はない。そのうち、極小の紛失防止タグとかが発売されたら埋め込んでみるのもいいかなと考えている。