インベーダーたち

圃場の背後は荒れ地で囲まれているので、毎年ツル植物との攻防戦が行われる。今年も梅雨前まではこまめに草刈りができていたので葛を中心とする侵略者たちの侵攻もわりあい抑えることができた。

しかし、雨続きの夏は草刈りもしにくく、一日、もう一日と伸ばしているうちにやつらは確実に魔の手を伸ばし続けたのである。

雑草に紛れ、侵略の機会を窺う葛
雑草に紛れ、侵略の機会を窺う葛

ビニールハウスの周りには、花壇や畑もあり、栄養もいっぱい。その上絡みつきたくなるパイプが山ほどあるのが気になるのだろうか。

パイプに絡みつきはじめると始末に負えない。引っ張るなんてこちらの手を痛めるだけ。少量ならほどいたり、元の方を切ってしまうこともできるだろう。だが、ツル同士がからみあうようになるとお手上げである。冬まで放置しておいて、枯れてから取り除こう、と白旗を揚げることになる。

マメ科?のツル植物。細いが非常に強く、厄介者。普通、熱くなるパイプに巻きつくか?
マメ科?のツル植物。細いが非常に強く、厄介者。普通、熱くなるパイプに巻きつくか?

この夏、アルコール依存症に葛のエキスが有効であると言うニュースが流れた。スタッフにも依存症一歩手前と言う感じの方がいらっしゃる。是非この大量の葛を有効活用してくれたらありがたいのだが・・・

まるで拷問

夏の雑草はどれも広がり方が早い。中でもクズを筆頭に蔓性のものはたちが悪い。草刈機を使っても絡んでしまい、イライラが募る。

カナムグラもまた同じように夏の草刈りを阻止する蔓である。幸い今の圃場の周りでは見かけないのでありがたい。昔はかなりてこずらされた。

カナムグラと同属のホップもまた夏に苦労させられる植物である。カナムグラと見た目も、伸びようも良く似ているホップ。一度蔓がからむと、小さなトゲが引っ掛かってすんなりとは離れてくれない。まあ、そのおかげで色々なものに絡みやすくなっている。

ホップ
育苗している大苗は特に蔓の勢いも盛んで見る見るうちにとなりの株と蔓をからませる。さあ、注文が入った!と、苗をピックアップしようとしても、他のハーブのようにはいくわけが無い。蔓を傷めないように一つ一つほどいていかねばならない。夏の日差しがふりそそぐビニールハウスの中で、この作業はほとんど拷問に近い。汗は滴り落ち、メガネを曇らせ、さらに頭に血を上らせる。いっそ、蔓をバッサリ切ってしまいたい衝動に何度も駆られてしまう。

お願いです。ホップはまだ蔓の伸びがゆっくりしている頃に御注文御願いします。