他の季節に咲く花が、季節を忘れたかのように秋に咲くと思わぬ表情を見せることがある。秋の空気の中で咲くことももちろんその理由の一つだろう。そして思わぬ時に咲いたことを喜ぶ我々の心によるところも大きいに違いない。
コモンラベンダーが秋に咲くと、特に美しい。花数が少ないのは仕方がないが、しっとりと朝露を身にまとい、春よりもいちだんと濃く色づいた姿はまた格別である。残念ながら、今年の夏のコンディションがあまりよくなかったせいか、圃場では秋のラベンダーはあまり楽しめなかった。まあ、秋のラベンダーは夏越しが大変なこの地域では、夏の間良く管理が出来ましたという御褒美みたいなものだと思っている。
そのかわり、今年はウッドカラミントがなかなか良い花を咲かせている。夏前に咲くよりもむしろ大輪で花の数も多いように思える。寒さのせいか、赤みも強いようだ。カラミント・ネペトイデスほど長期間は咲かないし、ラージフラワーカラミントのような大きな花ではないが、
「おいらも結構実力はあるんだぞ」
とアピールしているかのようだ。