田植えの時期を迎えている。スタッフの家でも今日からスタートするようでお休みして田植えに励んでいるようだ。
ビニールハウスの周りでもぼちぼち準備が進んでいる。横にある水路もまだ水量は少ないが、今後田に水が張られるようになると一気に水量が増える。水路脇の雑草が伸びつつあるのでそれまでに草刈りをすることにした。近所の農家の方は、「べつにかまあせんが(別に構わないよ)」と仰ってくれるのだが、水路に刈り取った草が流れ、田にはいるのはさすがに気が引けるからだ。
半月前に刈ったとは言え、雑草はすぐに大きくなるものだ。それでも夏に比べると楽な作業である。気持ちの良い風に吹かれれつつ作業を進めていると、水路の中で動くものがいる。蛇が水の中で泳いでいた。怪しげな体表のカラーリング。ヤマカガシである。
マムシのように攻撃的ではないとは言われるが、ハブの10倍とも言われる毒を持つらしい。しかも毒液を飛ばすという話もある。
ヤマカガシ (Wikipedia)
知らなかったが、この辺りでは「ひばかり」と呼ばれているようだ。初めて聞いた時には何のことか分からなかった。
「さ、おめぁ、噛まれぇとその日ばかりしか生きられんかぁだわの(それは、あなた、噛まれるとその日ばかりしか生きられないからですよ)」
と教えてもらった。経験に基づいた素晴らしいネーミングである。
なのであまり関わりたくない蛇である。この周りではシマヘビに続いてよくみる種類とは言え、たいていはこちらが気づく頃には向こうへ逃げていくパターンが多い。今回も同様であった。
さて、草刈りのあと、水路に落ちた草を集めなくてはいけない。普段は何気なく行う作業なのに、今回は及び腰になってしまった。にょろりとしたものに縁のあるここ数日だ。
当のヤマカガシは水路に置かれたせき止めようの土のう袋の上で水泳の後の日光浴中であった。