なぜか楽しい

今年の秋は、なんとなく秋咲きの球根の開花が遅いようだ。店の横のレウコジャム(レウコユム)・オータムナーレ、・・・この頃は秋咲きスノーフレークと呼ばれることも多いようだけど・・・、昨年まではたいてい8月中に咲き始めていたのに、今年はなかなか開花する様子を見せず、ずいぶん心配していたが9月も半ばを過ぎてからようやく咲き始めた。

 

レウコジャム・オータムナーレ

夏の真っ盛りに小さな小さな花がけなげに咲いているのを見ると可愛らしくてしょうがないのだが、こちらも暑さでくたびれているころなので、せいぜい朝のうちしかゆっくりと眺める気にはならない。そのうえ、お盆過ぎで草取りも「もうイヤ・・・」となりつつある頃だ。草丈の低い彼らは周りを雑草に覆われようものなら全く見つけてもらえないだろう。

ところが今年は思わず遅く咲いてくれたのが功を奏した。秋風に吹かれつつ、ゆっくりと眺めることができ、「いいタイミングで咲いてくれた」と喜んでいる。毎年徐々に分球しているようで、少しずつ花数が増えていくのはやっぱり楽しいものだ。たとえ圃場では同じものを一生懸命株分けしているとしても・・・。

こんな場所にはこのハーブ-カーペットグラス

お盆前にメンテナンスに訪れて、以来少しお邪魔していなかったお庭の様子を見に行った。いつものことながら、久しぶりに合う庭にはドキドキする。

この日伺ったお庭には、車の中から一目見て「うわっ」と驚いてしまった。カーペットグラス(リッピア)がものすごい勢いで伸びていたのだ。

この場所は元々畑だったところだが、家の前で少し華やかにしたいというご希望から現在ハーブを中心にしたお花の庭に改造中である。

法面の雑草は昨年秋の作業スタートから結構課題となっていて、球根を植えてみたり、こまめに草取りなどを重ねていたが、畑だった際の肥料もしっかり効いているのか雑草も元気でややいたちごっこ状態が続いていた。かつては芝も張ってあったそうだが、残骸が残るのみだった。

法面とカーペットグラス
これは一昨年の5月。まだ畑の頃

そこで今年になって、土留めもかねてカーペットグラスを植えてみようと言うことになった。道路に面した東向きで日当り良好。夕方は西に山があるため4時には日陰になるという環境である。谷沿いに風も結構吹くので通風もよい。ハーブ類も元気だし、雑草も旺盛に育つ。

定植したのはやや遅く今年6月26日。量としてはこの範囲に20株ほどを株分けして定植したのである。品種は白花カーペットグラスのほう。

お家の方によると、8月まではそれほど伸びなかったのが9月になって一気に伸びてこのサイズにまでなったという。あまり伸びて来て欲しくない内側の花壇にも強力に侵入しつつあるし、道路にもおかまい無しである。

カーペットグラス
地域の生活道路なのにタイヤの踏み跡もない・・・。心優しい人々の住む地域である。

この後道路側も、お庭側もきっちり剪定した。今後はむしろ抑制に励まねばならないだろう。

こんな場所にはこのハーブ-ホップ

店舗が移転して、花壇を作ったとき、店舗西側の花壇、縦長の窓の下にホップを植えた。ちょうど、ゴーヤの日よけカーテンが話題になり始めたかどうかという時期だった。お客様のお庭に植えたホップがあまりにいい感じに伸びたので、店舗でも試してみたかったのだ。

それなりに西日が当たるし、風当りも強いので、葉やけなど心配したが、幸い花壇が深く、相当根もしっかり張ったようで、成長期と真夏の渇水のときだけ注意すればほぼ大丈夫。2年目からはしっかり日よけとして役に立ってくれるようになった。

ホップ

隣の窓は内側のブラインドもあるのだが、暑さを和らげるという意味では圧倒的にホップのほうが勝る。また、内側から優しいグリーンの葉が見えるというのは視覚的にも涼しさを感じる。ビール好きにとっては、毬花がぶら下がっているのがまた心をくすぐられるものだ。

もちろん、ツルが絡んで行くための支柱などが必要だが、ここは目立たないよう、黒のワイヤーを扇形にして這わしている。強度的にも問題はないようだ。

ちなみに、毬花の中心付近には苦み成分のルプリンが付着している。毬花ごと口にすると、苦み成分ということが実感できる。また、表現しにくいが、何とも言われない風味もある。

ルプリン
以前、イタズラで甘めのビールに毬花を混ぜて飲んでみたことがあるが、苦いビールにはならなかった。やはり製造時に加えないとダメなんだろう。考えだした人はエライね。

こんな場所にはこのハーブ-アジュガ・バーガンディグロウ

グラウンドカバープランツとしてよく用いられる原種のアジュガ(アユガ。また、ジュウニヒトエと呼ばれることも多い・・・正確には違うが)は、丈夫で、日陰から相当の日向まで耐えてくれるし、春にはブルーの花が楽しめる。ただ、葉色が濃すぎてやや重たい印象を与えるのも否めない。

そんなアジュガの中でも葉色がカラフルな種類がいくつかあり、このアジュガ・バーガンディグロウもその一つだ。
原種に比べると、極端な強光線や乾燥にはやや弱いし、広がりもゆっくりだ。しかし、葉色は年中楽しめるし、春のブルー花も葉色に映えて軽やかな印象を与える。

アジュガ・バーガンディグロウ
このお庭では、南側〜西側のフェンスとそれに絡ませたバラ、東の建物のために直射日光は入りづらい。なので、ローズマリーやラベンダーなどは徒長してしまうのだが、プルモナリアなどの日陰向き植物の仲間とともにアジュガ・バーガンディグロウは元気にしている。葉の間から漏れてくる光ぐらいがちょうど良いのだろう。

自分でも徐々には広がっていくが、毎年冬か春先に株分けをしてやることでずいぶん広がった。背丈も低いので、縁取りのようにするとお勧めである。

戒め

庭作業中のこと。剪定をしている最中に携帯が鳴った。
「後2、3本で終わりなのに・・・」と、
手を止め、手袋を脱いだ。通話が終り、さて残りを片付けようと手を伸ばしたところ、
「チクチクッ」
あちゃー、やられた。手の先の葉にはイラガちゃんがいたのだ。もう終わりだと、手袋をしなかった私が悪い。

だいたい、このお庭にはいなかったはずだけど、結構発生は気まぐれ。来年も出るかというとそう出なかったりする。ついでに、早く片付けようなんて気が緩んでいる時に限って戒めるようにアタックされるのだ。

痛みは増し続けるが、こんな時は慌てず騒がず、ガーデニングツールに常備しているガムテープを取り出す。

ガムテープ

針が刺さっていると思われるところにべたっとはってベリッとはがす。何度か繰り返しておいて、念のため毒消しにラベンダーオイルを塗っておく。経験上、だいたいこれで大丈夫。服に毒針がまとわりつき、いつまでも伝播し続けるチャドクガの幼虫に比べるといたって対処はシンプル。

しばらくはチクチクと痛みが残るが徐々に弱くなり、お昼に帰る頃、もう痛みは消え、ガムテープでベリベリしたところが赤く腫れているだけだった。

イラガの幼虫
この方たちにやられました・・・。