コットンの季節

ファッションにはあまりこだわらない方だと思うが、着ていて快適かどうかだけはいつも考えている。特に作業時は時に汗だらけ、時に泥だらけになるので服のチョイスは適当にはできない。

なので、気温が高くて汗をかきやすい季節や、汗をかいたら冷えて困る冬はどうしても化繊の機能性ウェアを選択することが多い。

とはいえ、やはり自然素材の肌触りは格別だと思うし、特にコットンの柔らかさは肌が喜ぶ感じがする。

暑さがおさまり、本格的な冬がやってくるまでの短い間はコットンを楽しむ貴重な期間だ。この時期だけはTシャツもコットンを積極的に着るし、ジーンズもしっかり楽しむ。

若い頃からジーンズは好きで、真夏、汗だらけになってギッチギチになっても痩せ我慢して履いていた時期もあったが、いまとなっては初夏以降は登場しなくなるし、寒くなると情けないがタイツを重ねばきするのでジーンズの風合いを肌で感じることもない。

もともと作業着として生まれたジーンズだが作業で履くジーンズは、普段履きをして、だいぶ傷んだものを作業用に下ろす。穴あきの補修もずいぶん上手になった。

穴が空いていても作業時には人に会うことはあまりないので構わないのだが、やはり少し手を入れるとむしろ愛着がわいていい。

今、これを書きながら履いているジーンズは、春先に購入してまだ色も濃い。写真のような色合いになった頃には作業用として履く事になるだろう。

日曜日の連呼

よろしくお願いします!よろしくお願いします!の絶叫も聞こえなくなり、静かな日曜日だ。

日曜日といっても、普段は朝から草刈機の音が聞こえてきたり、トラクターのエンジン音が響いたりして案外賑やかだが、今日は朝から時々小雨も降り出したせいか周囲もひっそりとしている。

ポツポツと雨が降り出すなか、まだ伸び続けているネトルの刺し芽作業を行った。焦ってすると思わぬところに棘が当たり、しばし辛い思いをする事になるので、この作業は静かに行うのに限る。今日のような日にぴったりだ。

挿し穂を取ろうと、枝を摘み上げたら葉の上に芋虫が。でもなにか違和感を感じた。

ネトルのような棘のある草も、食草にしている昆虫はいて、葉を巻くようにして食害する。ただ、今の季節は稀だし、何か違う・・・。

この違和感は何だ?と頭を捻ったら、これはマロウ(アオイ科)とかにつく芋虫だということに気がついた(フタトガリアオイガである)。

ネトル(イラクサ科)も食べたっけ?と考えたら、そうだ、昨日ちょうどこのすぐ横にあるオクラを片付けたのだ。仕方なく、横のネトルに移動したが、食べれなくて困っているのだろう。どうりで、葉を食べた形跡がない。

この幼虫、今後どうするのだろうか。お隣の畑にある芙蓉が一番近いが、それでも10メートルはある。

「わたしを芙蓉におくりだしてください」と言われている気もするが、国政までの距離よりもきっと遠い。いままで、大事なオクラの葉を好きなだけかじるだけかじっていて、何か役に立つ働きでもするのなら考えないこともないが。

「よろしくおねがいします」「よろしくおねがいします」・・・いまさら連呼されても困る。

入れ替わりの季節

朝晩はさすがに気温が下がり、スタッフの中には扇風機をしまうと同時にストーブを出したという者もいた。

圃場でもようやく扇風機の片付けも終わり、次は薪ストーブだ。まあ、来月に入ったらぼちぼち取り掛かればいいだろう。

それよりも、遅れている野菜畑の整備の方が気になる。例に漏れず、今年も秋野菜の取り掛かりが遅れてしまった。その原因は夏野菜がいまだに場所を譲ろうとしないためだ。

硬くなってきたとはいえ、茄子はまだ実をつけ続けているし、オクラは収穫は終わったが種子取り用の株の片付けができない。トマトにいたってはまだ花も咲いて身もつけ続けているので困ったものだ(いや、食卓的には困らないが)。

とはいえ、全く何も手をつけないのも気分的に落ち着かないので、バジルの片付けをする事にした。先日の気温低下後、葉にも傷みが見られるようになってきた。もちろん食べてもまったく問題はないのだが。また来年春になったら食べられるし・・・と自分に言い聞かせて畑からお引き取りいただいた。

執拗に収穫し続けたせいか、まだ花芽もつけない一株。それとも諦めてしまったのか・・

今年はペーストさえ作らなかったが、毎日のようにフレッシュで口にした。そう思うと十二分にバジルを摂取した夏だったかもしれない。

開いたところは、春菊が今後育っていく予定。バジルのようにたくさん食べられればいいのだが。

不思議な組み合わせ

意外なところに、意外なハーブが調子よく育っていることにときどき出会う。

ビニールハウス前の東向き傾斜に育つサンタバーバラローズマリーは、一年中調子が良く、真夏や真冬など、案外他のローズマリーがイマイチのとき、よく花を咲かせてくれている。

もちろんこのローズマリーにとってこの場所は適地といえるのでそれは不思議ではない。

それよりも、ローズマリーの下の方に育っているレディースベッドストロー。とても細く柔らかい枝で、葉も繊細。横に広がって育つので、では他の匍匐性のハーブのように所々から根を出してしっかりと地面を掴んでいるかと思うとそうではない。横に大きく広がっていても、根はほんの一部で土と連絡していることが多い(なので株分もなかなか骨が折れる)。

そんな育ち方なのに、何年も(10年以上)枯れることもなく、かといって物凄く増えるわけでもなくこの場所でとどまっている。周囲にはヨモギほかの強力な草もはびこっているのに、圧倒されるわけでもない。もともと日差しにも弱いわけではないが、かといってローズマリーに遮られて調子が悪くなる感じもない。逆にレディースベッドストローがもっと旺盛な性質ならローズマリーの上にかぶさって蒸れたりして弱る可能性もある。

むしろ、ローズマリーが、そっと上から抱き抱えて守っているようにも見えるぐらいだ(そんなことはないと思うが)。本当に不思議な組み合わせだ。

今調子よく行っているので、一応このまま見守ってやろうと思う。こういうとき、かえって周りの草を取り除いたら調子悪くなったりするものだし。

使わずに済むのが吉

防災食など、劣化する防災用品はローリングストックすべきと言われるが、普段から実行するのは難しい。

一応そのつもりで買っておいても、つ期限を忘れてしまう。たまに、料理をするときに材料が不足してストックから引っ張り出すことはあるが、普段の料理ではつかわない非常食用のお米や缶詰はうっかりしていると賞味期限を過ぎてしまうものだ。

今年の夏も、賞味期限オーバーのトマト缶やアルファ米を恐る恐る口にした。どちらも大丈夫だったが。いずれにしても賞味期限を迎えるまでの期間、使わずに済んだことを素直に喜ぶのが大事だ。

圃場でも、この夏使わずに済んだ防災用品がある。

水運搬用のタンクだ。

毎年梅雨の間に準備して万一の渇水の時に利用できるようにしておくのだが、この夏はもう1日か2日雨が降らなかったら使うことになったかもしれない。

幸い、水を汲むポンプも準備して、さあ、明日か明後日からは水運びか?というタイミングで恵みの雨が降った。

もうさすがに出番はないので、埃や蜘蛛の巣を払い、ざっと拭いて片付け準備も完了。使わないで済んだことを改めて喜ばなくてはならない。

それほど使わなくても、劣化するパーツもあるのでチェックは欠かせない。本体は強いが、キャップ類は案外弱いので、来年かその次には交換が必要そうだ。

本当は軽トラの荷台などで使うべきだと思うが、詰むのは軽バンしかない。キャップ類がヘタって荷台が水浸しというのは勘弁願いたい。来年また取り出すときには再チェックが必要だ。