斑入りと耐寒性

斑入りのラングワート(プルモナリア)は花もさる事ながら、葉の雰囲気を楽しめるのが嬉しい植物だ。以前、この葉を上手に使ったアレンジメントを頂いて感心したことがある。

この辺りでは、夏には結構葉傷みがする。猛暑の年など、株がダウンする恐れも結構高い。一方、冬は御機嫌である。春の開花を前にして葉も嬉しそうである。

斑が入った様子が肺に似ているとか、病気になった肺に似ているとか、それで肺病に効くと言われていたらしい
斑が入った様子が肺に似ているとか、病気になった肺に似ているとか、それで肺病に効くと言われていたらしい

それなのに、斑のないラングワートは秋も終わり頃になると葉をどんどん枯らしていく。今の時期は株元にちょろっと新芽が覗くぐらいで、花壇に植えた株も年末に葉を取り除かなくては見た目も悪い。

同じ植物なら斑入りの方が弱いのが普通である。不思議なところなのだが本当に寒さに強い植物は落葉したり、地上部を無くすなど、寒さへの準備がきっちり出来るものが多い。この辺りでは実証できないけれど、やはり斑の無い方が本当の寒さにはより強いんじゃないかと想像している。

クリスマスローズとアブラムシ

クリスマスローズ(Helleborus niger)の蕾がゆっくりと開いてきた。ちなみにこの株はスタッフが趣味で育てている。強健なorientalisもよいのだが、冬に蕾を見せはじめるnigerのほうが清楚な中にも芯のある力強さを感じる。この株もクリスマスには間に合わなかったけれど昨年暮れ頃から地際に蕾が見えはじめた。

クリスマスローズ

その蕾がようやく開きはじめたのがつい先日であった。覗いて見ると、既にアブラムシ様がいらっしゃる。冬のビニールハウスはアブラムシにとって天国とは言え、いつの間に!

アブラムシはきらきら光るものを嫌うという。こんなに明るい蕾の中は嫌ではないのだろうか。でも、寒さの中、昆虫でなくてもなるべく日差しのあるところへ行きたいものだ。アブラムシだって冬は明るくて暖かいところのほうが良いのかも知れない。

ちなみに、アブラムシがついているからと言って自分の持ち物ではないので、手は出さないのである。

竹割と鉈

先日から、育苗場の台を修繕するために竹を切る作業を少しづつ始めている。とりあえず今年はビニールハウス一棟分の台を直す予定だが、それでも結構な数の竹が必要になる。

竹を切り倒し、長さ120cmに切り、幅5cm程度に割っていく。竹を割る時に必要になるのが鉈である。もう何年も前、一番最初にこの作業をした時に使ったのが竹割器?なるものであった。しかしこれが全く役に立たなかった。太さが一定しない孟宗竹が対象なので、この竹割器が使えるのは長い竹のほんの一部のみ。刃の間に竹がはさまってしまい、どうにもこうにも行かなくなることも度々。結局鉈が一番良いという結論となった。

鉈

鉈はいつの頃からか実家の納屋に放置してあった。おそらく今は無き祖父のものだと思うが、いわゆる普通の鉈と違い、木製の握り部分が無い。刃の付け根がそのまま手元に向かって延長してあって、その先が二股に別れている。最初手に取った時、握る手は痛いし、良くこんな刃物が使えるものだと不思議でならなかった。

鉈

端が二股に広がっている
端が二股に広がっている

父に尋ねるとおそらく握りの部分に布や紐を巻いて使うようになっているんじゃなかろうかと教えてくれたので、綿ロープを巻き付けて使ってみた。見た目はスマートではないし、刃先にも出っ張りがあって頭でっかち。あまりカッコよくは無い。やはり木製の握りで、刃を収めるサヤが付いているのがあこがれである。しかし、使っているとそれなりに手になじんできたし、刃先の出っ張りも使い慣れない鉈を地面の石などに打ち付けた時も刃を傷めることが無い。

刃を研ぎ直して、紐も巻き直した
刃を研ぎ直して、紐も巻き直した

一年ぶりに引っ張り出した鉈は所々刃が欠けていた。今回もまだまだ竹を割ってもらわなければならないので刃を研ぎ直した。紐も少し細めのもので巻き直す。前よりも手にフィットする感じになり、竹割も楽しくこなせそうである。

寒中の芽(3)

暖かくなってくると一気に伸びはじめるラベンダーの新芽、剪定もまだ動き始めない今のうちが勝負である。

ソーヤーズハイブリッドラベンダー
写真はソーヤーズハイブリッドラベンダーの新芽。ふわふわとして可愛らしいのだが、横に伸びた古い枝から縦に延びようとしている。これが良くない。やはりラベンダーは扇型に展開した姿が美しい。形が悪くなるだけでなく、株元から縦に延びてくると枝は込み入ってくる。更に悪いことに横に伸びた枝はますます倒れてきてついには地面に付いてしまう。蒸れや病気の原因にもなりやすい。

ソーヤーズハイブリッドラベンダー

こまめに剪定を掛けていればある程度防げるのだが、風通しや湿度なども関係するので特にビニールハウスでの容器栽培では致し方の無いところもある。そうでなくても、この辺りではよほど環境がよくないとラベンダーを形良く育てるのは難しい。

でも、かつては山陰ではラベンダーは育成困難といわれていた時期もあった。それに比べれば育って開花するだけでも喜ばないといけないのかも。

寒中の芽(2)

ビニールハウスの中では次々と新芽が見えはじめつつある。たいていは嬉しい新芽であるが一方でまだ早いのに・・・という新芽もちらほら。

食用ホオズキ

春までじっとしておいてもらいたい食用ホオズキからも気が早い新芽が伸びはじめた。この後強い寒さが来たらどうせダウンしてしまうのに。かといって二重のビニールハウスへ移すほどでもないし。このままどうなるかしばらく様子を見よう。

サントリナ

また、こんなのも困ってしまう。主枝が折れてしまったサントリナ。横に伸びた枝が太ってしまい木質化。非常に格好が悪い株になってしまった。サントリナは毎年春に地際まで切り戻しておけばとても良い形でまとめることができるのに何年か前に剪定を怠けてしまったのだろう。もうこうなると形を戻すのは至難の業である。新しい株に更新するのが良いのだろうが、このサントリナの行き場所も見つかりそうにない。しばらくこのままになりそうである。決断力に欠けるなぁ。