hide-and-seek

春や夏とは比べようがないとは言え、寒さの中でも雑草はしっかり育つ。しかも、巧妙に、目立たないように。

ペニーロイヤルミント

出荷する苗を準備していたら、ペニーロイヤルミントの中にしっかりと葉を広げている雑草を発見。自分があるじであるかのように堂々としている。自分も含め、スタッフ誰もが気がつかなかった。

葉色や葉の形などまるで自分に似ている葉を選んで発芽しているとしか思えない。まあ、それだからここまで大きくなれたんだろうけど。むしろ、成育旺盛なペニーロイヤルミントの中で良くここまで成長したものだと感心するべきなのかな?

さて、例年なら寒さのため、葉にもっと赤みが差すペニーロイヤルミントだが、今年はとても良い色だ。やはり少し暖かいのか・・・

ツリーハウスに降る雪

起きてみてびっくり、今朝は思わぬ積雪であった。とはいえ、もう春を感じさせる柔かで湿った雪。すぐに融けるだろう。

圃場のギンヨウボダイジュにいつからか作られた「ツリーハウス」にも雪が積もっていた。でも、なぜか暖かそうで、入れるものなら入ってみたいと思わせる。きっと住み心地も良いことだろう。

ツリーハウス
蜂か何かが作ったと思われる。咋秋、落葉し始めたら気がついた。調べれば何の巣かすぐに分かるのだが、ここは敢えて調べない。何か不思議な生き物が住んでいるかも・・・と思うだけで何となく楽しいではないか。知らない方が幸せと言うことも人生多いのである。

竹と椿

今日は竹の収穫に出かけた。場所は島根半島のとある川沿いの竹やぶ。親戚の所有する竹林である。川のせせらぎをBGMにして竹を切るのはなかなか悪くない時間だ。

せせらぎ

この竹やぶもかつてはタケノコ掘りなどに良く使われていたようだが、この頃はあまり使われることも無く、荒れるに任せてある。そのため、竹を切ってあげるとむしろ喜ばれるのだ。

竹林
毎年のように行なっている作業なので長い竹を切り倒すこともそう苦ではなくなってきた。最初のころは倒れた竹が他の竹に挟まれて引っ張り出すのにひどく手間がかかったり、割れた竹が跳ね返って危ない思いをしたこともあった。

今となっては手慣れたもので、小さなノコギリと鉈だけでリズミカルに作業を進めることができるようになった。何でも経験である。

竹
パァンと竹を割るのはなかなか気持ちの良い作業だ。瑞々しい竹の香りもまた気分を新鮮にしてくれる。また、割ったばかりの竹の美しいこと。今まで外界にさらされていない清らかな竹の内部。昔のひとがかぐや姫をそこに想像したのも無理はないように思えてくる。

竹
一仕事終えて一服すると目に鮮やかな赤い色が入ってきた。椿である。島根半島は野生の椿が多いと言う。竹と椿、何とも風情のあるひとときを過ごさせてもらった。
椿

お気に入りのゼラニウム

ニオイゼラニウムと言えば、「色々な香りが楽しめる」というハーブの中でもとりわけバラエティに富んだ一群である。花の香り、柑橘の香り、ナッツの香りなどなど、とても楽しい。寒ささえ少し気をつければ(この辺りでは)育てるのもそれほど難しくは無いし、栽培はたやすい方だろう。

ハーブを育て始めた頃手に入れたペパーミントゼラニウムは特にお気に入りだった。ベルベットのような葉は、見た目にも、触ってもまた良い感じだし、ニオイゼラニウムらしからぬ爽やかな香りがするのも良い。花は控えめな方だったが、いかにもと言う感じで大きな花を咲かせるのでは無いのがまた良かったのである。

ただ一つ不満は、当時、株を上手に増やせなかったことであった。育てたことがある方は分かると思うが、他のゼラニウムに比べると枝が太く挿し穂の数が確保しにくい。節間も大きかったり、極端に短かったりして挿し木がしにくいことこの上ない。まあ、今から考えると小さな鉢で育てていたので株が小さすぎたのである。ある時など挿し穂をとりすぎた親木がダウンして途方に暮れたこともあった。

現在圃場にあるのはひとりでは持ち運べないぐらいの大きな鉢で一株。普段は店頭を飾る鉢の一つである。ちょっと剪定すれば、当分必要が無いぐらいの挿し穂がとれる。

ペパーミントゼラニウム

現在は昨年の葉が枯れ落ち始めて、みすぼらしい状態である。また、一年間ほったらかしなので、葉も小さくなってしまった。ペパーミントゼラニウムは柔らかくて大きな葉を優雅に繁らせるのが一番の魅力。もう少し暖かくなったらばっさり刈り込んで少し植え替えてやる予定である。なお、このゼラニウムは半日陰のほうが葉のサイズ、手触りともに良好になる。店先の少し奥まったところがベストポジションなのである。また今年も初夏になれば指定席にお戻りになるだろう。

悩みのエルダー

加温もせず、夜間は氷点下になるとは言え、冷たい風から守られるビニールハウスの中はひと足早く色々な植物が芽吹きつつある。枯れ枝から新芽が伸びてくる様子はいつ見ても喜ばしいものだ。見慣れた株だと言うのに、新芽が動き始めるとついつい見入ってしまう。

昨年、鉢植えにしてかなり大きく育ったエルダーも、ついこの前まで枯れ枝ばかりだったのに、赤みを帯びた春の芽が節に見え始めてきた。

エルダー

大きくなるので鉢植え向きではない植物である。なぜここにいるかと言うと、地植えにする良い場所が見つからなかったのだ。この冬のうちに・・・と思いながらもついに新芽が出てくる季節を迎えてしまった。既に一株、畑の脇に植えてあるし。どうしようかと悩んでいる。

枝先では葉が展開しつつある
枝先では葉が展開しつつある

さて、このエルダー、実際にとても丈夫である。ところが、ハーブを育て始めた頃、何度育ててもうまく行かなかった。また、当時、同好の士もやはりエルダーがうまく育たないと言う。ちなみに、他の地域の方に聞いて見ると「あんな丈夫なものが?!」と言う返事。そこで、その時「山陰ではエルダーはなぜかうまく育たない」という結論に達した。以来しばらく育てていなかったが、数年前から育て始めたら全くノートラブル。育ちすぎて困るぐらいである。その時の苦労は一体なんだったのだろうか。たまたまうまく行かなかったのだけだったのか。

その時同じ結論に達した方はその後どうだったのやら。尋ねる機会があれば聞いてみよう。覚えているかな?