雪に気を取られ

先日からの雪も、昨日には一段落。週明けにもう一度寒波がと言われているが、今回ほどじゃないだろうとすこし油断しているところだ。

とにかく、雪でビニールハウスが潰れてしまうことが一番怖い(北陸で、ビニールハウスが潰れたというニュースを耳にすると、以前の被害を思い出す・・・)。そればかり気にしていたので、今朝、こんなに気温が下がるとは思いもしなかった。

マイナス5℃ぐらいではと思っていたが、なんと驚きのマイナス9℃!

おそらく、この場所で育て始めてから一番下がったのではないだろうか。

ローズマリーと霜

ローズマリーにこんなに霜がついたのは初めて見た。

油断とは怖いもので、スタッフもこのところ毎日夕方ポンプの水をチョロ出しにして帰っていたのに、昨日にかぎって忘れていた。

私も、もう恐らく大丈夫だろうと、寒さにすこし弱いハーブもそのままで特に対策もしていなかった。

一番被害にあったのが、サルビア・ディスコロール

サルビア・ディスコロール朝の時点でこの通り。寒さでいたんでしおれてしまっていた。夕方にはもう真っ黒に近くなっていた。

おそらく株自体は大丈夫だろうが、春先に発売できそうな感じだったのに、復活するのにしばらくかかりそうだ。

本当に自然に対しては油断禁物、戒めをいただいた気分だ。

労働か、スポーツか

引き続き、仕事の合間をみては薪づくり作業を続けている。

切り倒した大木を、重機で無造作に積み重ねていくのを昨年遠くから見ていたが、実際に近くで見ると「必要な木をどうやって切って取り出すべきか」と頭の中が真っ白になってくる。

薪
積み重なった木々。雪の降る前。こう見ると簡単そうに見えるのだが・・・

いままではすでに倒れていた木や、間伐する木を一本一本倒していたので、こんなに積み重なっていることはなかった。重機ならではの仕事である。

重い木が積み重なっていると、変な方向に力がかかってたわんでいる木も多い。安易にチェーンソーを当てると跳ね返ってきたり、滑り落ちてくることもあり、大怪我の危険性も十分にあるので焦りは禁物だ。

足元も決してよくないので作業しやすい場所から上手に作業場を広げながら進めていく必要もある。

また、輪切り(玉切り)にした幹を楽に運び出せるよう、スタートする場所や、切っていく方向にも気を配らねばならない。行き当たりばったりではうまく行かないのだ。結局取り掛かるまでに現地を3回は見に行っただろうか。自然を相手に複雑なパズルをしているような感じだ。

木々
雪が降って足元も厳しくなった。

作業を始めると、真冬とはいえ、汗をかき、心拍数も上がる。メガネも曇ってくる。疲れとともに判断力も鈍り、腕や肩が痛み始めるとつい作業も雑になりがちだ。そんな時にトラブルが起きるものだ。

積み重なった木
複雑に積み重なった木のどこから手をつけるか。竹も混じっていてなお厄介。

焦らず、マイペースで慎重に。ぬかるんだ足元で重いチェーンソーを使うので腰を痛めないように姿勢にも気を配る。

時々作業しながら、労働というよりもスポーツのような気がしてくる。

そもそも、これでお金がもらえるわけじゃないので、スポーツと割り切った方が楽しいに違いないしね。

近いがごっつぉ

大寒も過ぎ、明後日は節分。春の気配を感じたのか、ブルーマロウの種子も発芽を始めた。いろいろな種類があるハーブは、発芽したばかりの双葉だけでは判断できないものもあるが、ブルーマロウはわりと個性的。双葉を見て確信できるのはありがたい。

ブルーマロウ

昨日今日と、圃場のすぐ裏の林で薪ストーブ用の薪の調達。この林は倒木防止のためこの冬、伐採作業が行われ、材木になりそうな太い木は搬出されたが、細くて用材にならないようなもの(といっても太いのは50cmぐらいある)が野積みにされていた。指をくわえて見ていたところ、山の持ち主の方から使って構わないとの声をかけていただいた。

伐採
宝の山。左上に見えるのが圃場

普段は車で一時間弱かかる親戚の山などで調達していたのだが、山陰の変わりやすい冬の天気、遠くまで出かけたはいいが、思わぬ天候の急変で、予定の半分も終わらないうちに帰り支度をせねばならないこともある。ところが、今回はなんと歩いて1分もかからない場所である。ちょっとした作業の合間などを使って作業ができるのはこの上なくありがたい。(Many thanks! > Mさん)

まずは野積みにされた木を割りやすいサイズにチェーンソーで玉切りしていく作業を行う。

玉切り作業
玉切り作業

何本も切っていくと徐々に刃のキレが悪くなってくるため、ソーチェーンをこまめに研ぐ必要がある。プロは現場で上手に研がれるのだが、未熟者なので足場が悪い現場で上手に研ぐのはまだまだうまくできない。こんなときも、圃場に戻ってきちんと作業台にチェーンソーを据えて刃を研ぐと、体も楽だし、下手でもずいぶん丁寧に研げる。

チェーンの研ぎ
作業台で行うチェーンの研ぎはとっても楽

もちろん、玉切りしたり大まかに割ったものを運ぶのもあっという間。普段なら、山から一輪車(ネコ車)でヨイショ、ヨイショと運び出して車に積み、1時間かけて帰り、また車から一輪車に載せ替えてようやく薪置き場に到着だ。ここなら、一輪車に積んでそのまま薪置き場に直行である。

一つ難点なのは、重機で山積みにしてあるので相当不安定だったり、邪魔な枝がかなりあることだが、そのようなことを言ってはバチが当たる。「近いがごっつぉ」なのである。

ちなみにこの辺りには「~がごっつぉ」という言い回しがある。「ご馳走」がなまって「ごっつぉ」だ。

なんでもすぐやるのが一番というときに「早いがごっつぉ」と言ったり、寒いときに、「なんにもないですけど・・・」と、温かい食べ物を出されたときに「いや~、熱いがごっつぉですわ」という感じで使う。

さすがに、以前店頭で20代の女性が商品を見て「安いがごっつぉ」とのたまった時にはのけぞったのだが。

少々足場が悪くても、天気が悪くても、太い木がなかなか切れなくても、チェーンソーが幹に噛んでも、「近いがごっつぉ」と唱えればノープロブレム。楽しく薪集めができそうである。

真冬の仕事

朝の気温、マイナス2℃。大雪とはならなかったが、気温が上がらないのと、なかなか止まない雪がもどかしい。

開きかけたローズマリーの蕾ももう一歩というところで止まっている。

ローズマリーの蕾
ローズマリーの蕾も固く閉じたまま

筋状の雲のおかげで時々晴れ間はさすので、ビニールハウスの雪は滑り落ちてくれるので安心なのだが。

晴れ間

来週もまだ雪が続くというが、2週間近くも降り続くのは珍しく、なにかと生活に支障がでる。

もちろん仕事にも差し支えが出つつある。土はまだ雪の下なので、耕したり植えたりはできないし、年末から蒔いている種子の発芽も芳しくない。この先の天気も考えながら「今日すべきことはなにか?」と考える日々が続く。

そんななか、秋に蒔いたレモンユーカリの種子が発芽を始めた。本当はもっと気温が高い時期に蒔くのだが、忘れていたため、とりあえず蒔いておけば春になって出るかもしれないというぐらいの気分だった。まさか大寒すぎのこの季節に動き始めるとは・・・。「もうすこし休んでてもらえないだろうか」と伝えたいぐらいだ。

レモンユーカリの発芽
レモンユーカリの発芽

それでも、蒔いた種子が発芽するのは嬉しいものだ。レモンユーカリの発芽は特に力強いのでなおさら見ていて楽しい。

心配と期待で毎日のように眺めていたのだが、今日、よくよく観察してみると、せっかく発芽した小さな芽が食べられていた。

ナメクジの食害

おそらくこの食べ方はナメクジかその辺りだろう。すぐに鉢の裏も調べたのだが発見できず。いくら寒くてもナメクジたちはそこそこ活動をするようだ。夜、暗くなってから動き出すだろうに、あんなに水分がありそうな体が凍らないのだろうか?朝、凍りついたナメクジがいてもおかしくなさそうなのに、いまだ見たことがない。

ま、とりあえず、早急に行わねばならない仕事は見つかった!

雪の下のスタートダッシュ

昨日から今朝にかけての関東の雪ほどではないと思うが、当地でも今夜からまた雪の予報が出ている。今年は幸いにもまだ被害がないので、穏やかな雪であるよう願うばかりだ。

われわれ人間は雪が降るとつい縮こまりがちだが、植物たちは雪の下でも着々と春への準備を進めている。

花壇のクリーピングボリジも地面に張り付くように葉を伸ばし、冬の間の少ない陽の光を集めようと必死だ。

クリーピングボリジ

それにも増して、周りから伸び出したホトケノザを始めとした雑草たち。前回の雪の下ではやくも伸び始めたようだ。この様子なら、暖かくなったらあっという間にクリーピングボリジを覆ってしまうだろう。

普通のボリジは一年草なので、雑草に負けない勢いで春から一気に大きくなるが、クリーピングボリジは多年草の分おっとりしている。「夏までにジワジワと成長すればいいか・・・」といった感じである。それを尻目に一気に成長した雑草たちは早い者勝ち。春のお日様を独り占めすることになるだろう。

クリーピングボリジ
気持ちだけでも草取りを

日陰には割と強いクリーピングボリジとはいえ、周囲を囲まれてはせっかくの成長期に育つことができず、場合によっては花もわずかしか咲かせられないことも考えられる。さすがにそれは避けたいので、今日は周りの草を気持ちだけ取り除いておいた。きっと春にはもう一度、二度と行うことになるだろうけれど・・・。