後回しのガーデニング

プライベートなガーデニングはいつもいつも後回しになりがちだ。

昨年はそもそもほとんど手をつけることさえできなかった。今年はその反省もあり、早めから動き出しているが、それでも最適のシーズンに間に合うようなことは珍しい。本当は昨年の秋に植えたかったコリアンダーやディルも春の植付けになってしまった。

畑の準備からして遅れ気味だが、それでも畝を立てて苗の植付けの準備をしようとした。

コリアンダー
雑草の集団とおもわれる中に・・・

クワを入れようとしたところ、ふと違和感を感じて目を近づけてみると、零れ種で発芽したコリアンダー(パクチー)がいくつも見つかった。結構大きい株もあったので、昨年のうちに発芽した株だろう。

コリアンダー
草をどけてみると・・・

今回の寒い冬もなんともなかったような顔をしている。

コリアンダー
ここにも何株か見つかる

本当はこのまま育てたかったのだが、畑として使うとき、ちょうど歩くところに当たってしまうので、なるべく土を落とさないよう、大きく掘り上げて移植した。

コリアンダー定植
プライベートな畑は極めて大雑把(人には見せられないですが・・・)

畝を立ててしばらくしてからの方が何かといいのだが、そんな日を待っていてはきっと時期を逸してしまうだろう。結局、作ったばかりの畝(本当は他のものを植えようとしていたのだが)に植え付けてしまうことになった。一つの小さな畝が埋まってしまい、今後の計画も修正が必要になりそうだ。

早生まれのチコリ

春分の日。

昨年はどうだったか覚えていないが、冬を思わせるような冷たい雨が朝から降り続く日だった。

雨は止む間もなく、午後にはすぐ横の水路も増水して溢れそうになっていた。

その上、夕方、ビニールハウスの中にまで浸水してきた。年に何度かはこれぐらい水が入ってくることはあるが、集中豪雨か、台風のときぐらいである。明日も雨が降る予報が出ているので少し心配だ。

浸水

さて、温かい日と寒い日が交互にやってきて、苗の成長もそれほど順調とは言えない。それでも、広い葉を持つ種類は大きな葉で太陽の光を受けるため、細い葉の種類に比べると成長が目に見える感じだ。

なかでも、チコリが順調に成長して先日、今年最初の苗を発売開始することができた。

今日もご注文いただいた苗を準備していたが、そのうちの一組がこんな感じ。同じチコリなのだが、成長具合がちょっと違うだけで葉の様子がこれほど違ってくる。おそらく、発芽が数日ずれたのが原因だろう(もちろん、種子から育てているので個体差もある)。

チコリ

まだ小さいうちは葉が丸っこいのだが、少し株が充実してくると葉にギザギザが目立ってくる。複数の株を育てているとそんな成長の違いに気づく方もあるようで、時々質問をいただくことがある。

いずれ成長してくると同じような姿になるのだが、育てる側は、どうしても心配になるのだろう。

昔、我々の小さい頃、よく「あの子は早生まれだから」とか「遅生まれだから」と言われることがあった。確かに小学校低学年の頃は、子供心にも4月生まれの同級生はなにか賢そうな雰囲気を漂わせていることを感じていた。でも、早生まれの友達にも、すごく賢い子がいたりしたので、大人がなぜそんなことを気にするのか不思議だったものだ。

きっと、その同級生たちも今は早生まれ、遅生まれなんて全く意味がないほど立派なオジサン、オバサンになっているだろうけどね。

てんとう虫の春

春は駆け足でやってくるというが、もう3月という気持ちと、まだ3月という気持ちが入り混じっている。

畑の春はなおさら早い。気がつくと、雪が降る前に耕したところが一面草で覆われていた。

雑草

一方、ハーブたちはこちらの気も知らずにのんびりとしている。

ナスタチウム

冬の寒さで地上部がすべてふにゃふにゃになってしまったナスタチウムの苗も、ようやく一株、また一株と株元から新芽を出し始めてきた。株自体が傷んでいなければ今後徐々にその数も増えてくるのだろう。

そして、3月にもなると、山陰でも晴れの日が目立ってくる。その代わり、朝の気温は下がり、先日も白花クリーピングタイムがびっしりと霜に覆われていた。とはいえ、寒さには強いので全く心配はいらない。

ホワイトクリーピングタイム

昆虫たちもまだほとんど姿を見せないが、このあいだ、株分けしようとしたラムズイヤーからポトリとてんとう虫が落ちてきた。葉の陰で寝ていたのだろうか。

てんとう虫とラムズイヤーふわふわのラムズイヤーをお布団にするなんて、いい場所を見つけたものだ。

落ちてゴソゴソしたかと思っていたら、葉の付け根に頭を突っ込んでピクリともしない。まるで、朝お母さんに起こされたちいさな子供のような仕草に笑ってしまった。

本当は株を全部掘り上げて株分けしたかったのだが、自分がそうされたら・・・と考えるとしのびなくて、一部分はそのままにしておいた。またそれが広がったら株分けすればいいだけのことだ。てんとう虫の春ももうすぐやってくるだろう。それまで束の間、春の眠りを楽しんでほしい。

差がつく気温

今日は風は冷たいものの、午前中は日差しに恵まれて、ビニールハウスの中ではサイドを開けていてもすこし動くと汗ばむほどだ。なんとなく春の気配がうかがえる感じだ。

今朝も天気がよかったが、氷点下にまではならず。2月9日朝に記録したマイナス9度は、この冬の最低になりそうだ。

後日調べてみたら、気象台でマイナス7度を記録していた。このあたりはやはりすこし気温が低い。

すこし気になって理科年表を開いてみたら、1940年からの統計で、松江市ではマイナス8.7度が最低記録のようだ。記録日は1977年の2月9日。

この場所でハーブを育てるようになって10年以上になるが、おそらくこれほど下がったことはないように思う。

ハーブたちにも辛い寒さだったようで、いままで見れないような姿も見せている。

特にジャスミン大輪ジャスミンは明らかな違いを見せた。

ジャスミンに比べて、大輪ジャスミンは寒さに弱いとされるのだが、ここで育てている以上では、いままでの冬は全く違いが見られなかった。葉の状態を見ても、すこし赤みが強くなっているかなという程度の差。

ところが今年は目に見えて違いが現れた。

ジャスミン
ジャスミン

普通のジャスミンの方は、葉が黄色くなったのだが、隣にあった大輪ジャスミンのほうは茶色く変色して、ずいぶんしおれてしまった。

大輪ジャスミン
大輪ジャスミン

より寒さに弱いジャスミン・フィオナサンライズは葉が傷んで落葉することはあるのだが、大輪ジャスミンがこのような風になったのは初めて見た。

おかげで、やはり耐寒性に差があるということがよくわかった。おそらく葉は落ちてしまうだろうが、株は大丈夫だろう。春には新芽が出てくるに違いない。

これでもいちおうビニールハウスの中である。加温はしていなかったにせよ、外だったら危なかったかもしれない。

寒さの被害はあとでじわじわと表面化してくる。まだこれから他の被害が見えてくることは覚悟しておかねば。

春は急ぎ足で

昨日、ふと、作業場に貼ってあるカレンダーをみて、目を疑った。

カレンダー
余裕を持って一週間前に設定しているとは言え・・・

このカレンダーには、例年、必ず行わなければならないルーチン作業が記載されているのだが、一月後の3月13日の欄に、

「お彼岸前の草刈り」

の項目があったのだ。朝からずいぶん強く吹雪き、あっという間に道路も真っ白。畑にはまだ雪がたっぷり残っている状態で、一月後に草刈りが必要とはとても考えられなかった。

頭をひねって、2年前の作業日誌を開けてみたら、2月14日に「最高気温 17℃」との記載。自分で書いていたのに、やはり信じられなかった。春は急にやってくるものなのだろう。

さて、一転して今日は快晴。いったい何日ぶりだろうか、2月に入ってから初めてと思えるような天気の良い日だった。太陽と青空をしみじみとありがたく感じた。

お昼前、南からの強い風が吹いた。さすがに春一番とはならなかったと思うが、それでも春が近づいていることを感じさせてくれて、ホッとする。

この風で、畑の雪も一気に溶けていった感じだ。雪の下からハーブたちが顔を出している。

心配していた通り、対策を怠ったものはそれなりに被害が。

グラッペンホールラベンダーグラッペンホールラベンダーは、裂けるとまではいかなかったが、ずいぶん枝が曲がっていた。

チェリーセイジ
剪定していなければ避けていたかも

チェリーセイジは、しっかり剪定していたのでほとんど大丈夫。

ホワイトセイジホワイトセイジもずいぶん枝が曲がっていたが、株自体は大丈夫そうだ。枝は挿し木ができるだろうか。

その他、枝折れも多数。

ティートゥリー
毎年防寒なしで越えてきたのだが、少し心配なティートゥリー

雪ではなく寒さでだろう、ティートゥリーは真っ白に。こんなことは初めてかもしれない。樹が生きていればいいのだが。

今のところの天気予報では、おそらくこれで寒さも一段落しそうだ。急がなくていいので、ゆっくりと春がやってきてほしい。