三年目

花壇のビオラ・リディアグローブスの隣でこちらも満開になっているのがドワーフコンフリー。植えて三年目になってようやく満足できるサイズに育ってきた。

昨年までは夏の水切れの被害もあったりして株が十分に広がらなかった。「もしかしてこの場所にあってないのじゃないか?」との思いもよぎった。昨秋、落葉した葉を片付けた際に、そこそこ株が充実しているように見えたので少なからず期待していた。
ドワーフコンフリー
暖かさが戻るにつれ、一気に葉を伸ばし出し、同時に花芽も付けてあっという間に開花してしまった。ドワーフコンフリーのかわいらしさは小さな蕾が少し色づいてぎゅっと並んでいる様子だ。今年はそれを見る間もなく開花してしまった。
ドワーフコンフリー
柔らかなクリーム色は曇りや雨の日は少し寂しげに映るが、暖かい晴れの日にはホッとさせるような印象を与えてくれるのが嬉しい花である。道行く人の視線が時々注がれているのを見かけるのも楽しい。

足元のお花見

松江でもちらほら桜が咲きはじめた。街中でも所々で淡い花色が目につくようになってきた。ところによっては満開に近く、既に花びらを散らしている桜さえ見かけた。

ついつい桜に目がいってしまい、上ばかり見ているためか、足元の桜色に気がつかないでいた。店の横にある花壇のビオラ・リディアグローブスが気がつかないうちに満開を迎えていた。淡いピンク色の花はいつ見ても可愛らしい。特に今年は株が充実しているのか去年よりも花が大きめだ。
ビオラ・リディアブローブス
近くで見ると、ピンク色といっても花一つ一つが微妙に雰囲気が異なる。花弁の縁が日本風に言えばさっと紅を差したように色づいているものもある。
ビオラ・リディアグローブス
枯れ木の状態から一気に花を咲かせるのが桜の魅力の一つと言われる。青空に咲き誇る桜や夜の闇に浮かぶ桜は確かに見事だ。でも、柔らかなグリーンをバックに咲くこのビオラもまたいい雰囲気である。

花粉の季節

栽培しているハーブは草本のものが主体である。木本もそれなりにあるとはいえ、大きくなる樹木となるとかなり少なくなる。

特に針葉樹系はほんの僅かだ。もともと広葉樹の方が好みということもある。その数少ないジュニパーが花粉を盛大にまき散らしているとスタッフが教えてくれた。
ジュニパー
様子を見に行って見ると、なるほど、風が吹いて枝が揺れるとパッと花粉が飛び散る。花粉症持ちの方にとってはおぞましい光景かも知れない(ゴメンナサイ)。自分は今のところ花粉症は発症していないとは言え、さすがにこの光景を見ると鼻の奥がむずむずしてきた。

上手に受粉すれば果実まで楽しむこともできるかもしれない。でも、熟すには一年以上かかるといわれるジュニパーの実、さて、それまで待てるかどうか。

(ちなみに上の写真、そう都合よく風は吹いてくれないので手で揺らして撮影。それでもタイミングを合わせるのは困難だった。)

花も葉も

圃場脇に植わっているゴールデンレインローズマリー、冬が終わる頃から斑が徐々に鮮明になってきた。
ゴールデンレインローズマリー
かなり前から育てているローズマリーだ。でも、実際にいい感じになってきたのはようやくここ数年になってから。

まず、斑がきれいに入らない。暑い夏の時期はもちろん、冬までの時点で株が充実していないと駄目なようだ。普段から肥料が控えめなせいもあるのだろう。

また、花も咲きにくい。ようやくぼちぼち咲くようになってきても、斑がきれいな時に咲いたのを見たことがない。たいてい斑があせた頃に咲いてくるのだ。斑も奇麗な時期に花を咲かせるには相当エネルギーがいるのかも知れない。
ゴールデンレインローズマリー
もう20年近く前になるが、とある公共のガーデン内のショップで販売されていた鉢では見事に斑が入り、花もしっかり咲いていた。

栽培施設も空調がバッチリ効いていたし、肥料もかなりやっているようだったので、そのせいもあるのだろう。その時見たゴールデンレインのような株は今の育て方ではあきらめざるを得ないのかも知れない。

デッドネトル

オオイヌノフグリと前後して開花する雑草がヒメオドリコソウ(Lamium purpureum)だ。

春に一気に大きくなるし、群生するので厄介な雑草と思われそうだが、季節が過ぎると気にならなくなるし、茎も柔らかく、根もそれほどしつこくないのであまり気にしていない。花もよくみるとそれほど悪くない。
デッドネトル
ヨーロッパ原産の多年草で、当店でも斑入りのものを「シルバーデッドネトル」として栽培している。(このところ調子がイマイチで発売できていないが)

姫踊子草とはなんとも可愛らしい名前である。一方ヨーロッパではデッドネトル(dead nettle・死んだネトル)と呼ばれている。例のチカチカがあるネトルに似ているがトゲがないと言うことでこの名前が付いているようだ(もちろん別の属) 。なので群生していても安心して近寄って写真が撮れる。

道端で這いつくばって写真を撮っていたら近所の人が変な目で見ていた。