後回しのガーデニング

プライベートなガーデニングはいつもいつも後回しになりがちだ。

昨年はそもそもほとんど手をつけることさえできなかった。今年はその反省もあり、早めから動き出しているが、それでも最適のシーズンに間に合うようなことは珍しい。本当は昨年の秋に植えたかったコリアンダーやディルも春の植付けになってしまった。

畑の準備からして遅れ気味だが、それでも畝を立てて苗の植付けの準備をしようとした。

コリアンダー
雑草の集団とおもわれる中に・・・

クワを入れようとしたところ、ふと違和感を感じて目を近づけてみると、零れ種で発芽したコリアンダー(パクチー)がいくつも見つかった。結構大きい株もあったので、昨年のうちに発芽した株だろう。

コリアンダー
草をどけてみると・・・

今回の寒い冬もなんともなかったような顔をしている。

コリアンダー
ここにも何株か見つかる

本当はこのまま育てたかったのだが、畑として使うとき、ちょうど歩くところに当たってしまうので、なるべく土を落とさないよう、大きく掘り上げて移植した。

コリアンダー定植
プライベートな畑は極めて大雑把(人には見せられないですが・・・)

畝を立ててしばらくしてからの方が何かといいのだが、そんな日を待っていてはきっと時期を逸してしまうだろう。結局、作ったばかりの畝(本当は他のものを植えようとしていたのだが)に植え付けてしまうことになった。一つの小さな畝が埋まってしまい、今後の計画も修正が必要になりそうだ。

早起きは種子とともに

夜明けが少しずつ早くなってきた。朝はそれほど苦手ではないほうだが、冬の間は他の季節に比べると布団から出るのがおっくうだ。

それでも2月も後半になると、明るくなるのが早くなってきたことと、もう一つ布団から抜け出すモチベーションが発生するので、朝起きだす時間が早くなりつつある。

春の苗のための種まきは種類にもよるが秋遅くから始まる。場所の都合もあるが、一気に撒いてしまうのではなく、種類を変えたり同じ種類でもずらしてまいてゆく。

とはいえ、気温が極端に時期は撒いた種子も発芽する種類は非常に少ない。そして、それらの種子が眠りから目覚め始めるのが少し暖かくなるこの時期なのだ。

毎年同じような種類の種子だし、年によって姿が変わるわけではない。それでも種子が発芽するのは待ち遠しく、発芽を見つけるとやはり嬉しい。毎日何かが発芽しているわけではないにせよ、春に向けた動きがあるというだけでも朝布団から出る気分がずいぶん違うのだ。

ハーブの場合、いろいろな種類があるので発芽の姿も様々。サイズも様々。仕事にもまだ余裕があるこの時期はじっくり観察するのもまた楽しいものだ。

イタリアンパセリの発芽

気温が低くてもよく発芽するイタリアンパセリ。少し気まぐれで、発芽するときはすごくたくさん出てきて困るが、同じパッケージでも「あれ?」と不思議に思うぐらい発芽しないこともある。
ジャーマンカモミールの発芽
ジャーマンカモミールは、とっても小さいが、ギザギザがついた本葉が出てくると見分けやすい。こぼれだねで生えてきても見つけやすい種類だと思う。
ローマンカモミールの発芽
こっちはローマンカモミール。いつもは株分けで増殖するので、発芽した姿は普段そんなに見かけない。
コリアンダーの発芽
以前も紹介したコリアンダー。たまに一つだけしか出てこないこともある。
ストロベリーの発芽
ルーゲンストロベリー。小さくてもしっかりイチゴの葉だ。ハーブも、種類によっては小さいうちと大きくなってから葉の形が違うものも結構あるが、これは見間違えることがない。
アニスヒソップの発芽
アニスヒソップは小さい上にあまり特色がない芽生え。本葉が出てくるとすこし分かりやすいが、零れ種で生えてきたら雑草と見分けるのは困難だ。
ナスタチウムの発馬
ナスタチウム。丸い葉の上に玉のように乗る露が魅力だが、発芽したばかりの葉にもしっかりと露が乗る。
カルドンの発芽
たくましく大きく育つカルドンは、発芽からして力強く土を押しのける。
チャービルの発芽
チャービルも割と気まぐれで、出るときにかぎってこんなにたくさん。分けるのが大変だ。
ローズマリーの発芽
普段は挿し木でばかり増やすので、これもお目にかかることが少ないローズマリーの発芽。親木の株元の零れ種である。

まだまだ数え切れないほどあるのだが、今日のところはこれまで。

ゆっくりとハーブたちの芽生えを観察できるのももう少し。本格的な春になるとそんな余裕もすくなくなるから、せいぜい今のうちにじっくりちいさな命のスタートを見つめてみたい。

コリアンダーの親心

比較的低い温度でも発芽しやすいコリアンダー。春にむけた苗の種子もぼちぼち芽を出し始めた。
コリアンダーの発芽 二つ仲良く並んで芽を出す
コリアンダーの種子は、丸い殻の中に二つの種子が入っている。そのため普通に蒔くと、二つの芽が仲良く発芽する。なので、後で分けたり、間引きするのが面倒なら始めから二つに割ってから蒔いてもよい。
コリアンダーの種子
コリアンダーの種子 殻(下側)の中に、二つの種子(上)が入っている
コリアンダーの発芽を眺めていると、なんで二つ入っているのかいつも不思議に思う。しかもわざわざ殻の中に入れて・・・。
きっと何かの理由があるのだろう。正月の暇に任せて想像を巡らせてみた。
二つの種子が入っている殻はまん丸で、気をつけないと少し傾いたところではコロコロと転がっていってしまう。
コリアンダーの種子 植物全般に言えることだが、親が育っているところからなるべく離れた場所へ広がっていく工夫が多くの種子にある。タンポポのように飛んでいく能力を持っている種子などが代表だ。
きっと、コリアンダーの殻もコロコロと遠くへ転がるために丸くなっているのかもしれない。
「もしかして」と思い、殻ごと水に浮かべてみたら案の定プカプカ浮く。大雨が降った時にはゴムボートのように水に浮かびながら遠くへ行くことを期待しているのかもしれない。
コリアンダーの種子 水に浮かべてみた。半日経っても浮いていた
種子が二つ入っているのも、一つがうまく発芽しなかった時の保険や、共成長といって、単独で育つよりもまわりに複数の株があった方が競って成長しやすいことを狙っているのだろう。
でも、遠くへ旅立って発芽した時、寂しくないように二つの種子を入れてやった親心ではないかとつい思えてしまうのだ。

ダンディで臭いヤツ

コリアンダーの花が相変わらず咲いている。こぼれ種のものは開花も長いのか、早く種子を落としてくれればいいのに、片付けて次のものが植えたいのに植えられないでいる。

いつまでも咲き続けていることを良いことにカメムシが毎日のようにいらっしゃる。目にも鮮やかな衣装をまとったアカスジカメムシだ。この色のストライプを見事に着こなせるとはダンディなヤツである。

アカスジカメムシ

よく、コリアンダーをカメムシの防除用に植えると言われる。それにしても、同じ匂いなのでやって来るのか、それともコリアンダーみたいな臭いものを食べるのでカメムシは臭いのか。人間でも匂いの強いものを食べると体臭が強くなるとも言うのだが。

いずれにせよ、この色、天敵から身を守るのには効果的なのだろう。その上臭ければ誰も手を出さない。臭いかどうか試してみたくもあるが、かつてブラックベリーとともにカメムシを口に入れた経験があるものにとっては手を出す気にはなれないのである。

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撮影中にもう一匹の甲虫も御来店。こいつも臭いのだろうか。色は良く似ているし。似た者同士なのかも知れない。

ちなみにコリアンダー、葉の香りは苦手な方も多いかも知れないが、種子は非常に甘くてスパイシー。粒のコショウと等量でブレンド、その都度ミルでひいて肉料理などに使うとサイコーです。お試しあれ。