仲間入り

趣味で使うのならともかく、仕事で使う道具は作業効率にも影響してくるので選ぶのも慎重にならざるを得ない。特にプラスチックなど合成素材のものは、ときにあっという間にダメになってしまうものもあったりするので特に気を使う。

tubtrugs
この、TUBTRUGS(タブトラッグス)も、ガーデナーの友人に教えてもらったのだが、購入するまで相当悩んだ。使い勝手は良さそうだったのだが、問題はやはり強度。水を入れて(大きいのは40リットル弱)、取っ手が重さに耐えられるのか、そしてハードな庭仕事で雑に使っても長期使用ができるかどうかが不安だった。

なので、購入してピカピカの時はあえてここに紹介するのをやめた。5月に購入して、半年が過ぎた。たくさんの庭仕事に連れ出したが、全く問題無し。晴れて当店の作業グッズに正式に仲間入りである。

サイズや色もバリエーションがあったので、わざと色違い、サイズ違いにしてみた。重ねて入れておくにも都合が良い。現場で使ってみるとLサイズは、草取りの時にざっと放り込んだりするには良かったものの、水を入れたところでとても持てる重さではない。取っ手の強度の心配も杞憂に終った。水を入れて持ち運ぶのならMサイズ(26リットル)も手に余る。Sサイズ(14リットル)がちょうどよかった。Mサイズは、こまごまとしたツールを入れておいたり、泥を掘り上げて一時ためておくのにちょうど良い。

そして一番の特徴は柔らかいこと。柔らかいので割れないのはもちろんのこと、Sサイズは水を入れて、取っ手を持つと両端がしぼむ。その状態で傾けるととても水が注ぎやすい。特に大きな苗の植え込みで水ぎめをする時などには最適である。もちろん強度も問題ない。内側にはごく薄いが、容量が分かる目盛りがついている。土の量を量る時などに案外便利だ。

カラフルな色は、目立ちすぎてと言う意見もあるかもしれないが、お客様の庭に忘れ物をしやすい我々にとってはむしろプラスだったりする。

良く似て、はるかに安い商品が雑貨店などにもあるようだが、強度の面では当てにならない。買って後悔しないように。

秘密兵器

ラベンダーの季節もほぼ終りに近づき、圃場やお客さんのお庭に咲くラベンダーの剪定作業に追われている。ラベンダーも、大株になると何百本もの花穂を剪定する必要がある。大きなラベンダー園などではお茶の葉を刈る機械のようなもので一気に剪定してしまうらしいが、時々羨ましく思うこともある。

傍から見ると、優雅そうに見えるかもしれないが、暑い中の剪定は結構精神的にキツい(この頃は他のスタッフに任せたりしているのでちょっとアレだが)。ついでに、ラベンダーは結構アクがあって、剪定し続けていると葉にこびりついたアクでハサミの切れがガクンと落ちてくる。

ハサミに限らず刃物はなんでも「使ったら拭く」が基本なので、こまめに拭けば良いのだが、つい剪定に夢中になっていると拭いている暇がない。気がついた頃にはアクが刃にしっかりついてしまって拭き取ろうとしても簡単には取れない。

昔は熱湯をかけて拭いたり、圃場ならばトクサ(ヤスリ代わりになる)で刃をごしごしこすって取ったり、いよいよダメなら砥石で研いでいた。ただ、砥石やシャープナーで研ぐのは本来刃の切れが落ちた時なので、アクさえ取れれば良い場面では面倒な作業だ。

そんな場面にぴったりの秘密兵器に今春出会った。近隣で行われた刃物祭りで、刃物屋さんもお勧めする一品がこれ。その名も「激落ち 刃物クリーナー」である。最初半信半疑でその場では購入せず、後になってホームセンターを探したが見つからなかったので結局Amazonで注文。

激落ち刃物クリーナー

こういうケミカルものの効果はあまり信用しないタチであるが、この商品だけは納得。使い方も簡単である。写真は、まる一日草木を剪定したハサミである。当然アクなどがこびりついている。

ハサミのアク

これにクリーナーをシュッと一吹き。シュワシュワと泡立ってアクが赤茶色に変わってゆく。

ハサミのアク
そのまま30秒ぐらい放置して布等で拭き取るとこの通り、切れ味も復活。ただ、注意しなければならないのは、この後きちんと刃や稼働部に油を注しておくこと。まあ、刃物を扱う上では基本だが。

ハサミのアク

あまりに気に入ったので、スプレー瓶に小分けして、ハウス用、現場作業用、家用とそれぞれ常備している。アクの落ちがとても気持ちよいのでついつい使ってしまうのが悩みの種。近々大瓶で購入しそうな勢いである。

棚の前で迷う

今の場所へ移転してから5年も経つと店舗の板壁もさすがに色あせてくる。自然に風合いが増した壁色も悪くないけれど、耐久性の面から行くとさすがに塗り直す必要がある。ある程度時間に余裕がある冬なのでDIYでぼちぼち行っても良いのだが、新築当時にお世話になった塗装屋さんがぜひともと言われるし、素人仕事であまり目に付くところに失態を残したくはないので今回はお願いすることにした。

雨模様で作業は遅々として進んでいないが、作業の様子を観察するにはまたとない機会である。時にはお客さんのガーデンフェンスの塗装も頼まれることもあるし、店頭の棚や苗箱などの塗装はいつも自前だ。

段取りや塗装前のマスキングや道具など見るべきところは多い。でも、一番気になるのは塗装の材料である。木材の塗料にもたくさんあり、値段もピンキリなので、ホームセンターでもいつも迷う。

キシラデコール
プロの選択はやはりキシラデコール。とっても高価だが、以前使ってみたところ、木材への浸透や落ち着いた色合い、耐候性など多くの面で優れている。特に色合いは、安物だと木に塗ってもプラスチックっぽく見えたりするしね。

良さはよくわかっているのだが、お値段が2倍も3倍もすると、やはりホームセンターの棚の前で迷ってしまうのだ。

頑丈な計量カップ

寒いし、天候は優れないし、作業もはかどりにくい季節だが、冬だからできる仕事もある。育苗用土の改良である。そもそも土作りには終わりが無い。長く使っているとなにかしら改良したいポイントが出てくる。特に近年の暑い夏に根が傷みにくいようにするのは喫緊のテーマだ。冬の間、ブレンドを試しては、育ち方を検証し、変更を加える。オンシーズンにはなかなか集中してできる作業ではない。

もちろん、目分量でブレンドする訳ではないので、腐葉土が何リットル、ピートモスが何リットルときちんと計量して記録していく。正確に量るためにも計量カップは必須だ。

計量カップ

園芸用の計量カップも結構販売されているが、もう何年も圃場で愛用しているのがクッキング用のステンレス計量カップである。以前はプラスチック製のものだったが例によって1年経たないうちに破損してしまうので、数年前にこのカップに替えた。頑丈そのもので目盛りも消える心配がない。結構高かったように覚えているし、購入時には躊躇したのだが、数年経っても全く劣化の心配はなさそうだ。今となれば正解だったと思う。

でも実際のところ、普段の土作りでは、正確に量るというよりも頑丈なその構造で用土をこそげとれるという点で重宝していたりするのだ。

手袋とタッチパネル

基本的に、園芸作業にはあまり手袋は使いたくない方である。怪我をしないようにという場合には必ず付けるけれど、挿し木や種まきは言うまでもなく、植え替え等のときもやはり土の感触が分かりやすい素手が作業も早い。手の荒れ等かまいはしない。

ただ、年齢とともに、寒さに弱くなってきて、真冬に手が濡れる作業はさすがにこたえる。子供の頃は素手で雪合戦をしていたのが想像できない。

そのため、冬はポリシーをさっぱり脱ぎ捨てて手袋装着。といっても、作業に差し支えない様、薄手のピチッとしたやつだ。

アスクルで購入
アスクルで購入

普通、スマホ等のタッチパネルは手袋をしていると反応しない。指先の静電気(だっけ?)を感知するらしいのだ。なので専用の手袋が結構な値段で売ってたりする。だけど、あるときこの手袋を付けたままタッチパネルを操作すると問題なく操作できることに気がついた。まあ、あんまり泥で汚れている時はやめるけど、保護シートも貼っているので結構躊躇無く使っている。あのピッチリした手袋を脱いだり付けたりはさすがに煩わしいしね。

それにしても、どうして操作できるのか、不思議だ。自分は結構な静電気持ちだから・・・って、関係ないか?