生贄

ようやく今年初めてのバジルが出せるようになった。バジルを育てるようになってから最も遅い記録かも知れない。

例年だと4月の終わりから、遅くてもGWあけ頃が初出荷になることが多い。この頃はバジルの茎がまだ柔らかく、店頭に並べる時には強い風に気を付けなくてはならない。その点今年は、ゆっくりと育ったし、もう半分諦めの感があったので、頑丈な苗になるよう心がけた。がっしりとした良い苗ができたと思っている。

ただ、いつでも気を付けなければならないのはナメクジの害である。バジルを店頭に出すと、「待ってました」とばかりにナメクジが集合してくるようで、一晩放置していると穴だらけになる。そのため、バジルだけは閉店と同時に奥の乾燥した所へ非難させるよう心がけている。

ところが、昨夜、スタッフが引っ込めるのを忘れたようで、今朝見てみると案の定たくさんかじられていた。ナメクジがいるところに夜中放置しておくなんて、生贄をさし出すようなものである。

バジル

幸い、このバジルは御理解を頂いた上で、お客様に引き取られていった。

生贄と言えば、子供が小さい頃、「○○を生贄に□□を召喚!」なんてカードゲームに相当付き合わされた。出来立てのバジルが生贄では召喚コスト高すぎである。

出撃準備

今年はなんとなくナメクジの被害が多い感じがする。皆様の所はどうですか?

スミレの仲間の葉も穴だらけになったし、バジルの新芽もかじられた。そしてなんといっても発芽したばかりのナスビときゅうりが一夜にして消失してしまったのには腹が立った。

そして、今標的になっているのが、ニオイアヤメである。どうやら終った花を目当てに食べに来るようだ。咲いている時もかぐわしい花だからきっと食欲がそそられるのだろう。

開化を終えた花。これだけを食べてくれるのなら良いのだが・・・
開化を終えた花。これだけを食べてくれるのなら良いのだが・・・

終った花を食べに来るぐらいならば目をつむる所だが、ついでに葉までかじって帰られたのではたまらない。それでもと思い、朝早い内にチェックして捕殺するようにしているが次から次へと現れる感じできりがない。

葉に大穴が・・・
葉に大穴が・・・

ところが、夕方様子を見に行ってみると、株元にカエル君がいつの間にかいらっしゃる。ナメクジが出てくる時間にむけて出撃準備か?と思いたい。心なしか目つきも鋭くなっているような・・・?

カエル

扶養家族は増やせません

暖かさに誘われて、圃場の周りの用水路の溝掃除を行なった。もうすぐ地元の水利組合が溝掃除を行なう。用水路の水を使っているわけではないので、溝掃除に参加する必要はない。でも、この圃場からの泥も流入していないとは言えないので見て見ぬふりもし辛い。せめて圃場の周りだけはあらかじめ掃除をしておくと安心だ。

幸い、生活排水も流れ込んでいないので、きれいなものだ。山からの土砂が所々に溜まっているのをさらう程度。天候を選んで行なえばそれほど苦痛ではない。さっぱりとして流れもスムーズになった用水路を見ると、気持ちが良いものだ。

毎年のように溝掃除で見かけるサンショウウオには出会えなかったが、今年は久しぶりにサワガニを見つけた。サワガニも小学校のころは田舎の伯父の家に行き、山際の沢で良くつかまえたものだ。家につれて帰り、半年ぐらいは結構元気に生きていたような気がする。ごはん粒と煮干しか何かを餌にして、結構可愛がっていた。サワガニは背中?のところにあるくぼみがニコッと笑った口に見えて愛嬌がある。ちいさなはさみで御飯粒を食べる姿もまた可愛らしいのだ。

サワガニ

しかし、今では養うものが多いのでとてもサワガニを飼うほどの余裕はない。写真を撮ったらすぐにもといた場所に帰してやった。きれいになっていて驚いたかな?

啓蟄

今日は啓蟄。虫たちが暖かさで穴から出てくる日とされる。決して暖かくはなかったのに、植え替えをしているとなにやら視界の上の方で動くものがある。

見ると、帽子に小さなクモがしがみついていた。ビニールハウスの中には、真冬を除いてクモがいつも多い。特に、蜘蛛が巣を張り始める春は朝一番にビニールハウスを一回りすると体中に細い細いクモの巣がまとわりつくぐらいだ。

クモ

でも、もともとクモが苦手と言うことでも無いのでそれほど気にならない。唯一、メガネにクモの糸がかかると煩わしいぐらいのことだ。(年に一度ぐらいは、首筋を歩かれてゾッとすることもあるけどね)今後ともお互いに邪魔をせず良好な関係を保っていきたい。

真冬のムカデ

冬は片付けごとをするには良い季節である。時々ふと手持ち無沙汰になったりすることもほかの季節より多く、ちょっとした時間潰しには丁度よい。また、少々重労働になっても汗をかくわけではないし、雑草ややぶ蚊に煩らわせられることも無い。

と言うわけで、秋までに散らかり続けていた圃場が少しづつ片づいていくのが冬なのである。先日もずっと気になっていた鉢を少し整理した。

ヨイショと大きな鉢を持ち上げて出てきたのが中サイズのムカデ。噛まれたことの無い自分は怖い物知らずなのかそれほど嫌悪することはない。でも、スタッフのひとりは非常に嫌う。以前よほど痛い目にあったのだろう。

ムカデ

そういう自分も昔、嫌な目にあったことがある。蒸し暑い夏だったと思う。そのころはアパートの4階住まいであった。夜中、枕元でガサガサと音がする。何か嫌な予感がして明りをつけてみると大きなムカデがそこに。さすがに狼狽して大騒ぎになった。古い建物とは言え、4階にまでムカデが上がっているとは思わなかったのでよけいにびっくりした。

まあ、このムカデも真冬に明るい場所に引っ張り出されるとは思わなかっただろう。キミの友達も僕を脅かしたことがあるから、まあ、おあいこだね。

ちなみに、ムカデと良く似ていて間違えられるヤスデは、噛まれる恐れも無いし、分解者としてそれなりの役割を果たしているようなのだが、見た目の悪さで嫌われている。落ち葉を分解して土に戻してくれるので、もう少し大目に見てやって欲しい。