寒さと食欲

秋の始め頃だったように思う。親株のチェックをしていたら、ホワイトワイルドストロベリーの鉢がとてもくたびれていることに気がついた。

ひと株ひと株が貧弱になって、ランナーも細く、その先の子株もまた頼りなかった。

できるだけ毎年植え替えるようにはしているのだが、この前の冬植え替えができていなかったのも原因のようだ。

このままでは今後の増殖にも影響があるので急いで植え替えを行った。予想では来年の春頃から勢いが戻ってランナーもたくさん出してくれるに違いないと予想していた。

ところが気がついてみたら一気に成長が進んでまるで春のような勢いだ。肥料が多かったということも考えにくいので気温の影響だろうか。

まあ、それはいいとして、たくさん出始めたランナーの先にすでに子株も大きくなりつつあるのだが、子株に早速アブラムシが集まり始めた。

さすがに栄養がたくさん送られて柔らかいところをよくご存知だ。鉢の方にある親株にはほとんどついていない。下にぶら下がっている子株にばかりアブラムシが。

空中で風にさらされるのに寒くないのだろうか。いくら寒くても美味しいものが得られる場所が良いようだ。極寒のなか、ラーメン屋の前に並ぶ人間と同じなのかもしれない。寒さに耐えるからこそ感じられる美味しさを知ってるとは、通ですなぁ。

11月なかばの昆虫たち

11月半ばだと言うのに暖かい日が続く。

昨日も夕方、溜まった疲れを取るために温泉に行ったが、風も弱かったせいか、露天がとても心地よく、何度もお湯に浸かっては湯船から出てすがすがしい風を感じることができた。

ふだんはそろそろ目にしなくなる昆虫たちも相変わらず元気だ。

今朝も、足元を動く黒いものが目に入った。結構動きも速かったのでGか?と思ったが、ゴミムシの一種のようだった。あっちへ行ったりこっちへ行ったり、日差しを喜んでウォーキングしているかのようだった。

昼前に畑で草取りをしていたら、セイタカアワダチソウの花にとまって羽を気持ちよさそうに開いたり閉じたりしている蝶もいた。

「えっと、キタテハだったっけ、ツマグロヒョウモンじゃないしな・・・」と、このへんがまだ確固たる自信はない(キタテハのようです)。

来週からは気温が下がるといいつつも、予報ではそれほどでもないような。まだしばらく昆虫たちの姿を観れるだろう。

11月中旬を忘れさせる

朝夕がずいぶん気温が下がるようになった。自分が寒さを感じるようになると、生き物たちの動きも緩慢になるだろうとつい思ってしまう。

ところが今年はやはり様子が違う。

先日ごろから葉のところどろころに穴が空いてきて気になっていた日本ハッカのホクトだが、「寒くなってきたし、もう放っておいても広がらないだろう」と油断していたら、どんどん食害が広がってきた。

このまま冬を迎えることもありかなと思っていたのだが、そうはいかなさそうで、急遽剪定作業に乗り出した。

たぶん、食害の主はヨトウムシだろうと思っていたのだが、真っ先に見つかったのはナシケンモンだった。ヨトウムシ同様、なんでもバリバリ食べてしまう。

さらに剪定作業をすすめると三匹のまだ小さい(たぶん)ヨトウムシも見つかった。孵化してまだそんなに経っていないのか気温が低くてあまり成長できていないのか。ただ、日本ハッカの方もこの時期とは思えない成長をしているので、食べるものはあるのだろう。

剪定完了

どちらもさっさと捕まえて取り除いたが、ちいさいならばまだ残っているかもしれない。しばらくは観察が必要になりそうだ。

こんな作業をしていると今が11月中旬だということを忘れてしまう。

注意喚起無用

秋はカメムシをよく見かける(今年は夏前から多かったが)。スタッフの多くが見つけると大騒ぎをするカメムシだが、自分の場合はたいして気にならない。

むしろ、カメムシは背中の模様や色が変わったものが多いので「どうしてこんなデザインなんだろう」と感心してじっと観察したくなる。

手を出さない限りは臭い匂いを出すこともない。動きもゆっくりなので観察もしやすいし。

この、名前を知らないカメムシも一体誰のために・・・と思えるぐらいオシャレしている。

手足や触角までお揃いの色をつけているのがまた素敵だ。この目立つ色やデザインも、むしろ目立つことで「食べないほうがいいよ」と注意喚起をしているとも言われる。

だが私は食べてしまったのだ。

もう20年ぐらい前だろうか、仕事に行ったお客様の庭でブラックベリーが鈴なりで、お客様にも勧められて大喜びで口に運んでいた。

調子に乗って食べていたら、突然口中に広がる違和感と口から鼻に突き刺さるような異臭。果実と一緒にカメムシを食べてしまったのだ。すぐに吐き出したが後の祭り、しばらく口の中に嫌な匂いが残り続エkタ。

いまでも、どうして気がつかなかったのか不思議だ。

まあ、こんなことがあったのでカメムシの匂いが少々手につこうが気にならないのである。

口に放り込まれたカメムシも「どうしてこんなに目立つ格好をしているのに!」と憤慨したことだろう。

気楽ではいられない

秋から冬のはじめの季節は一年のうちでも最も気楽な季節だ。

植物の成長も徐々に穏やかになってくるし、害虫の活動も目立たず、病気も少ない。雪が降るまでは天気の心配もそれほどない。そのため、ちょっと気が抜けるシーズンでもある。

少し前はそうだったのだが、ここ数年、もちろん今年も暖かい分、害虫の活動が収まらない。

今日も苗のチェックをしていたらドッグローズの葉に大きな穴が。食べ方を見れば大体予想もつく。チュウレンジハバチの幼虫だ。蛹で冬をこすというが、今頃から孵化してまにあうのだろうか。遅れを取り戻すためにどか食いをされても困るので、しばらく格闘することになった。

先日、スズメバチのことを書いたが、アシナガバチも数が少ないように思える。捕食者が少ないことも影響しているのだろうか。

今後、アシナガバチまで少なくなって、芋虫、毛虫の類が増えるようではそれこそ気楽ではいられなくなりそうだ。