久しぶりの大雪

朝起きると、予想以上の積雪。ニュースによると松江市で32センチの積雪とか。ここしばらくなかった量だ。

やはり一番心配なのはビニールハウスの状態だが、するべき対策は全て行っておいたし、路面状況もひどく悪い。2011年初の豪雪を思い出すような積雪。その時は到着まで1時間ぐらいかかったように思う。回り道回り道でようやく到着したのを思い出す。慌てて出かけるのはリスクばかりだから、ある程度朝方のラッシュ時を過ぎてから向かうことにした。

毎回、ビニールハウスに到着するまではどきどきだ。遠くからでも雪が滑り落ちていることが確認できて一安心。

車を止めるスペースを作るのは大変だったが、中に入ってそれぞれのビニールハウスを確認。いずれも問題なし。ポンプも普段通りに動く。冷蔵庫状態で寒いが、苗たちには我慢してもらうしかない。

昨夕につけておいたストーブもまだ火が残っていて、ストーブを置いた上のビニールはほぼ雪も落ちていた。

昼近くになり、青空も見え、太陽が顔を出してくるとビニールの上の雪もどんどん落ち始めた。

ただ、滑り落ちた雪がかなり大量。自分の身長ぐらいまで溜まっていた。

とはいえ、今回の雪はかなり軽め。それほど心配することはないかもしれない。交通状況も心配なので、早めに切り上げて帰宅する。

今日は夜まで降るような予報が出ているが、予報ではピークはすぎたという。明日は少し作業もできるといいのだが。

寒波到来前日

今夜からこの冬一番、十年に一度と言われる寒波が来るとの予報。

朝のうちは風こそ強かったが、全くそのような気配はなかった。

それでも念の為に凍結防止に出る量を絞って水を出しておく。こんな時に井戸水は気兼ねがなくていい。

ハス口の先は念の為に取り外す。できればハス口自体を取り外したかったが。

 

大雪の場合は大量の積雪でビニールハウスが押しつぶされるのが一番怖い。各ハウスの中央部分にストーブをつけておく。一番負荷がかかりやすい位置の雪を少しでも滑らせるためだ。

もうすでにボタンで着火は不可能。マッチ必須

ストーブは一体いつ乗かわからないような旧型。過酷な環境でもう10回以上の冬を過ごしている。このハウスのストーブが一番古株だが、火力を絞りに絞ることができて、1日ぐらいは付けっ放しが可能なのでとても助かる。

夕方にはそれなりに吹雪いてきて、早速ビニールを滑り落ちた雪がハウスとハウスの間に積もり始めてきた。今夜は程々に積もってもらいたいものだ。

少しだけ待ち遠しい寒波

晴れの日が少なくて毎日のようにどんよりした空が広がるのはいつもの年と変わらないが、今年は気温が妙に高い。

この冬、雪が降ったのはまだ1回、困るような積雪でもなかった。朝、作業に出かけるのが嫌になるほどの寒さの日があっただろうか。今朝もスクーターで畑へ向かったが、覚悟していたのにそれほど寒さを感じなかった。

これではいくら開けっ放しのビニールハウスでも、十分な寒さを苗たちが感じてくれるか若干心配だ(寒さに当たらないと春の成長が芳しくない種類も多い)。

一方で、目に見えて目立つのはアブラムシ。天敵もほとんどいないし、暖かな冬で活動が例年よりも活発のように見える。

ブラシで擦り落とすなど、対策は面倒だが、今の時期、育っているハーブを教えてくれているとも言える。葉が硬くなったローズマリーやタイムには見向きもせず、この季節でも柔らかく伸びようとするジャーマンカモミールやコリアンダーがお気に入りのレストランになっているようだ。

コリアンダーに着くアブラムシも、少しでも暖かい方がいいのだろう、先端の柔らかいけれど上に伸びている葉よりも地面近くにある、最初に育ってもう茶色くなり始めている葉によく見られる。

同じ意味かはわからないが、ふわふわとした細かい毛に覆われたカルドンの葉の裏もお気に入りのようだ。

 

当店で栽培しているグラス類は、レモングラスやシトロネラなど、寒さに弱いものが多いので、これらはもちろんこの時期はじっと耐えるように成長を止めている。これらにはアブラムシは全くいない。その代わり、冬でも青々と成長しているバニラグラスにはうんざりするほど集まっていた。急いで剪定したり「テデトール」で対策したが、細かいところは残っているだろう。

来週は寒波の予報が出ている。普段の年ならば気が重くなるが、今年は少しだけ待ち遠しい。害虫たちが春の勢いになるのを少しでも遅らせてほしいものだ。

竹のベンチづくり-組み立て編

今日はようやく時間の余裕が少しできたので、いよいよベンチづくりに取り掛かる。

もう、4度目か5度目の製作だ。最初の頃はとにかく急いで作り上げることを最優先にしていたので、とても雑だったが、回数を重ねたこともあるし少し丁寧に作ることにした。

まずは、鉢を移動させて、もともとあったエキスパンドメタルを取り外す。あわせて、エキスパンドメタルを乗せていたビニールハウス用の直管も取り除く。やぐら状に組み立てたパイプはそのまま使う。

ちなみに、最終的な高さはおおよそ70センチ。これぐらいが使いよいようだ(元々の地面が平面ではないので、60~80ぐらいの幅はある)。

パイプの上に、4センチ角、長さ4メートルの角材を乗せる。角材はあらかじめ防腐塗料を塗っておく。塗らないのとどれぐらい差が出るのかはわからない。気休め程度かもしれない。

角材はおおよそ均等になるように位置合わせ。両橋の角材は垂直のパイプの上あたりに来るようにしておく。いままで120センチ幅のベンチなら3本の角材で問題はないので、今回も踏襲。特に仮固定もせずに、竹を置いてみる。角材の端から7、8センチ程度竹の先が出るようにする。手前側は後で切り揃える。

いちいち竹の位置を確認せずに済むように治具をとりつける。といっても薄い板を角材に留めただけだが、これでも作業効率はずいぶん上がる。

角材へのビス留めはいつも使っているコーススレッド。

あまり太いと竹が割れてしまいやすいので細めを使う。インパクトドライバでどんどん留めていく。本当はネジの頭がしっかり埋まる方が鉢の底が引っかかったりしないでいいのだが、まあそんなにしょっちゅう動かすこともないので、ここはあまり頭が出ないぐらいで良しとする。

 

数本打ち込むと、以前の作業を体が思い出してきて作業はスムーズに進む。

幅が狭い竹と、広い竹が混じっているので、狭い竹は間隔も狭く、広い竹は間隔も広くとる。

以前はこれぐらいのガタガタは多めに見ていたのだが、今回はちょっと見た目にも気を使うことにして、丸鋸で揃えて切る。

以前、コンパネ細工をした時に作った丸鋸定規が大活躍。綺麗に気持ちよく切れる。

ほぼ1スパン終わったら次へ進む。

あとはこの繰り返しだ。一気に完了しようとせず、ちょっと天気の悪い日とか、時間が中途半端に空いた時に少しずつ進めれば良い。それでも2月の半ばぐらいには完成したいものだが。

まとめてみて気がついたが、特に記録にとどめておくほどのことでもなかった。現物を見て、あとは自分で工夫しながら進めればできそうな感じだ。

竹が手に入りやすい場合、手軽な台を作るのには良い素材だと思う。簡単なDIYとして試してみてほしい。

竹のベンチ作り

以前、

竹を使う理由

竹を使う理由

で、紹介したことがあるが、当店の苗のベンチは竹製である。冬の作業の一つとしてこの竹製のベンチ作りがある。

冬に切り出した竹で作ると耐久性が高く、十年ぐらい持つ。五年ほど前に作ったところなので今のところ、特に問題がある箇所はないが、親木を管理しているビニールハウスの一部がまだエキスパンドメタルを利用している。近く就農する若者に、このエキスパンドメタル(私も若い頃に譲ってもらったものだ)を譲ろうと思い、今年は竹のベンチに作り替えることにした。

実はもう一つ理由があって、このエキスパンドメタルに大きな鉢を乗せる場合、エキスパンドメタルが撓む。育苗しているポット苗のトレーや種まきをした鉢などなら問題ないが、10号以上の大きな鉢を乗せると、ベンチの内側に向かって傾く。

内側に傾く鉢

これでは水やりが均一にできないし、水が貴重な夏場など、溢れやすいので勿体無い。なんとか解消したいと長年思っていたのだが、エキスパンドメタルの場合は、それを乗せる部分が相当頑丈でないといけない。竹の場合は、逆に竹の表面に向かって撓むので、反作用の力(とでもいうのかな)で重いものを支えてくれやすいようだ。

また、ちょうど作り方を知りたいという知り合いもいたので、備忘録も兼ねてここに紹介しておく。育苗用のベンチは必ずしも竹を使う必要はないし、たまたま私のところでは手に入りやすく、処分もしやすいということで使い始めた。また、特に参考にしたものもなく、最初からとりあえずで作っているので、改良点はいろいろあるかもしれない。

特に竹を固定する角材とその角材を乗せるパイプ部分はいろいろな形に変更可能だと思う。パイプ部分は、場所によっては杭でもいいだろうし、あまり高さが必要でなければブロックを何段か重ねてもいいと思う。

さて、まずは竹の収穫である。今回は親戚の竹林へ。

何度かこの竹林で収穫させてもらったが、前回収穫してからずいぶん経ったので、なお一層荒れていた。

筍も生えるらしいが、倒れた竹が多く、歩くのも大変な状態だった。とりあえず、運び出すのに必要なだけ、倒れた竹を片付ける。

この竹林には、真竹、孟宗竹が混ざっている。孟宗竹に押されて真竹は減っているとのこと。今回必要なのは孟宗竹。

若い竹は長年はもたないので使わない

ある程度年数がたったものに狙いをつける。新しい竹には節のところが白い粉がふいたようになっている。年数が経つと黒っぽくなる。ここが見分ける目印だ。もちろん、古い竹はそれなりに太く、かつ長いので切り倒して運び出すのも大変なのだが。

こちらは年数がたった竹

放置された竹林なので、竹の間をぬって綺麗に切り倒すことなど不可能に近い。なかなか思ったような方向に倒れてくれないので、腰に気をつけながら引っ張り出したり、倒れかけたものを途中で切ったりと、気温は低いのにいつの間にか汗がで始める。

運び出しは重労働

数本切り倒したところで、次は長さを揃えながら割っていく作業に入る。今回のベンチは幅が120cmなので、余裕を持って130cm程度に輪切り(?、玉切り?)にする。

この作業も、一本正確に130cmを切ったものを割り、目印をつけて定規がわりにするとその後が楽(目印をつけておかないと必ず紛れる)。

割る時は両刃のナタで。先端に刃を守ってくれる石突がついているエビ鉈が安心して使いやすい。ここは下が岩場だし。

まずは中央に刃を入れ、竹を地面に打ち付けて割っていく。

太い竹は刃を強く挟んで進まなくなるので、上からパイプを差し込んでやると気持ちよく割れる。また、あらかじめ一番上の節を落としておくだけでも割れやすくなる。

2分割したものを、更に2つ、太いものなら3つ、株元に近いところは更に細かく割ると、8分割することもある。

以前は、鉄でできた竹割用道具も使ってみたが、うまく使えるのは一本の竹の内の一部だったので、以来鉈だけを使うようになった。

節を落とす

割ったものから節を落としていく。鉈を使って弾くように節を切り落とす。これは軽快で楽しい作業だ。

130cmの場合、おおよそ5本分を割ると運ぶのにちょうど良い量になる。

厚めの部分だと、20kgぐらいにはなるだろうか。収穫した場所から道板をつかって川を渡り、法面を登って車道に出るので、これぐらいが限界とも言える。

一本の竹でも、使う部分は株元から、枝がで始めたところぐらいまで。

枝がで始めたところから先は使いにくい

これより上は細く、薄くなって強度も下がるし、節が目立って鉢などを置いた時に傾きやすくなる。竹林なので、使わないところは隅の方に重ねておけばOKというのもありがたい。

昼休みを挟んで、午後も竹取の翁を続け、夕方5時前にようやく10束を準備できた。これで20メートルのハウスの2列分が賄える計算なのだが。果たして予想通りに行くか。明日は全身筋肉痛という予想だけはきっと違わないと思う。

次回は、実際の組み立てなど。少し間が空きます。