poisonous!

古くから、毒のあるハーブは微量に用いることで薬として使われてきた。 フォックスグローブ然り、ベラドンナ然り。なので、注意して育てれば恐れる必要はないのだが、じぶんでも知らず知らずのうちに避けている気がする。

カロライナジャスミンとも呼ばれるゲルセミウム(Gelsemium)もその一つだ。春のまだ花が少ない頃にたくさん咲く花は悪くないし、強健である。ジャスミンよりもよほど寒さにも強い。

カロライナジャスミン

ビニールハウスにも何年も前からただ育てているだけの鉢が一つ。増やそうと思えば簡単だろう。しかもツルものの素材としてはなかなか優秀だということも良く分かっているのに、あまり紹介する気になれない。手に入りやすい植物と言うこともあるし、ジャスミンの仲間と間違えてハーブティーにでも入れられたら大変な事になるかもと言う心配もあるのだ。

アルカロイドを含んで、「使用には細心の注意が必要」なんて記述もあるのを読むと、あれ?いつの間にか枯れちゃった!なんて終り方が良いのかも知れないけれど、こういうのに限って強いんだよね。そう言いながら年に一度は他のハーブとともに植え替えしてしまう、決断力の無い私が一番悪い!

今年初めての草刈り

外にいても日差しが暖かく感じられるようになったので、今年初めての草刈りをした。久しぶりに引っ張り出した草刈機も一発でかかり、気持ちが良い。

まだ短くて柔らかな雑草はかえって刈りにくいものだが、それでも草を刈る時の独特のフレッシュな香りを嗅ぐだけでも春を迎えることの嬉しさを感じる。

草刈機
思えばこの草刈機とも十年以上のつきあいになる。最初に購入した時には結構な金額を支払うのに躊躇したものだ。今になってみれば決して高い買い物ではなかった。エンジンも好調だし、トラブル知らずである。

さすがに、燃料タンクやパッキン、チョークレバーなどは劣化により取り換えた。構造がシンプルなのでパーツだけ購入すれば自分で直せるのもあり難い。おかげで圃場の周りのみならず、スタッフの自宅やその他にも出張して活躍している(私じゃなく、草刈機が)。

刃だけは消耗品なので年に一度ぐらい取り換えることになる。この刃も、昔は結構高価だったと覚えている。当時、刃先にチップが付いたものなど、おいそれと手が出しにくい価格だった。それがいつの間にか価格が下がり、数百円台なんていうのもざらである。

ところが、当たり前だけど、質もものすごい勢いで落ちてきているように感じる。廉価品の刃は一度使うだけで明らかに切れが落ちるようだ。このごろは、廉価品でないものも、「これは!」という刃がなかなか見つからない。次に交換する時にも、きっと迷うだろう。

さあ、これから秋まで、また草刈りの季節が続くぞ〜。

三択

圃場にはピンク色をしたローズマリーが三種類ある。

花の色はさほど大きな違いはないけれど、全体的にはいずれも個性がある。なのに、どれを一番薦めるかと言われるとすぐには答えが出ない。

マジョルカピンクローズマリーは国内でも割と古くから流通しているし、花のつきも良好である。分枝が少ないのでとても特徴のある姿に育つのだが、そのため、大きくなりすぎると長く伸びた枝がたれてちょっとみっともない姿になりやすい。

マジョルカピンクローズマリー

ピンクローズマリーは分かりやすく言えば、ごく普通のローズマリーのピンク花。花付きも普通、特別よく咲くわけでも無いし、咲きにくいとも言えない。形も極々一般的だ。可もなし、不可もなし。「ピンクのローズマリーも可愛いですよね」ってぐらいにしか評しようがなかったりする。

ピンクローズマリー
ポルトグースピンクローズマリー
は全体的に繊細である。特に細身の葉がそう感じさせる。また、性質もやや弱めのように思う。品があると言えばそうなのだけれど、これもなかなか強く押せる種類でも無い。

なので、お客様に聞かれても今のところは「ま、好みですね」としか言えない。

そう言えば、昔から三択問題は苦手な方だった。決めかねるのだ。そのためなのかな?

啓蟄

今日は啓蟄。虫たちが暖かさで穴から出てくる日とされる。決して暖かくはなかったのに、植え替えをしているとなにやら視界の上の方で動くものがある。

見ると、帽子に小さなクモがしがみついていた。ビニールハウスの中には、真冬を除いてクモがいつも多い。特に、蜘蛛が巣を張り始める春は朝一番にビニールハウスを一回りすると体中に細い細いクモの巣がまとわりつくぐらいだ。

クモ

でも、もともとクモが苦手と言うことでも無いのでそれほど気にならない。唯一、メガネにクモの糸がかかると煩わしいぐらいのことだ。(年に一度ぐらいは、首筋を歩かれてゾッとすることもあるけどね)今後ともお互いに邪魔をせず良好な関係を保っていきたい。

一瞬の黒

ブラックペパーミントキャンディミントはミントの中でも紛らわしい種類である。春から秋まではパッと見ただけでは区別がつかない。香りも、二つを比べれば、より強いブラックペパーミントと、甘みのあるキャンディミントでかぎ分けることもできる。しかし、どちらか一つを差し出され、「どっちのミントだ?」と言われたらお手上げである。

だいぶ「黒」からグリーンに戻りつつある
だいぶ「黒」からグリーンに戻りつつある

それでも冬の一時だけは、見た目に違いが現れる。同じ環境で育てているとまさに寒中、ブラックペパーミントは濃いめの葉色がより濃くなり、『ブラック』と言う名にふさわしい姿に変わる。一方のキャンディミントは濃い葉色ながらも、ブラックペパーミントほどしっかりした色にはなりにくい。

キャンディミント

そんなブラックペパーミントも暖かい日が増えてくると徐々に色がグリーンに戻ってくる。

まあ、これもビニールハウスの中でと言う条件付きなので、外のふきっさらしだったらもう少し際立った違いが見えてくるかも知れない。