ちんがちんが

生産した苗も、すべてが売りきれるわけではない。それでも多年草とか潅木ならば剪定して植え替えるとか、大きめのポットに植え替えて更に大きくすることもできる。

しかし、一年草になるとそうもいかない。いくら植え替えしたところで、そう遠くない時期に開花が始まってしまう。

なかには形が悪すぎて、発売しようにも出来ないものもある。そんな株も含めて「売れ残り決定」となった一年草は畑や花壇で余生を過ごしてもらうことが多い。

ジャーマンカモミール

このジャーマンカモミールも咋秋の苗で残ったものを冬に植えた。ところが、植えた時期がすでに遅く、株も充実しすぎていたのかも知れない。春になって株が成長を始める前にぐんぐん花芽を伸ばしてしまってついに咲いてしまった。

こうなるといくら剪定したところで、もう一度株を繁らせるようにするのは至難のわざである。

だが、本音を言えば株を店頭の花壇に植えておくのは忍びない。
「あー、こげなちんがちんがした花で、ハーブはつまーせんわ」(ああ、こんな貧弱な花が咲いてハーブはつまらないね)
と言われそうである。

でも、自戒の意味も含めて、このまま咲かせてやろうと思う。

ちなみにこれは一昨年前の同じ場所。苗も同じぐらいの程度だったのに・・・
ちなみにこれは一昨年前の同じ場所。苗も同じぐらいの程度だったのに・・・

キノコの出る条件

2カ月ほど間をおいて久しぶりに伺った市内のお庭でスタッフが怪しげなるものを発見した。「変なキノコが・・・」というので行ってみると、クリイロチャワンタケ(多分)であった。以前にもちょっと触れたことがあるのだが、実は5年ほど前にもこの庭で見ている。調べてみると、奇遇にも同じ4月2日であった。

クリイロチャワンタケ?

特に毒もないそうだが、食用になると言うわけでもないらしい。庭に入れたバーク堆肥などに混ざっていたのかもと思われるけれど、同じような土作りをした他の庭でも見たことがないので不思議である。

5年前に見かけてからも毎年同じような時期にこの庭に来ているのに、それ以降は発生していない。5年前と気温や降水量などが似ているのだろうか。

「チャワンタケがでた年は・・・雨が多い夏になる」なんて予想でも出来るようになれば面白い。せめて「この庭では害虫の被害多発」ぐらいでも分かるようになればたいしたものなのだが。ちょっと今年はこまめに記録を残してみようかななんて気にもなってくる。

行き場所に困る

春になると、毎年のようにビニールハウスの育苗ポットからスミレの花が顔を見せる。どこから紛れ込んだのやら。周囲に山はあるものの、種子が飛んできたとは思いにくい。

スミレ

疑わしいのは、育苗用土に混ぜているマサ土である。これは、近郊にあるマサ土採集業者から持ってきてもらっているが、採集と言っても、山を切り崩しているだけだから、表土に近い方なら種子も混じっている可能性は高い。

以前、現地に言ってみたこともあるけれど、幸い、上の方に松林があるぐらいで、雑草はあまり無かったので安心した覚えがある。実際に、あまり他の雑草が生えてきたことは少ない。

せっかくこの地へやって来て花まで咲かせたのをみると、抜くには忍びず、かといって販売するわけにもいかず、しばらくそのままで決めかねている。時々、「普通のスミレはないですか」なんて問い会わせもあったりするのでなおさら処分するのには気が引けたりする。(とは言え、販売することはありえないけどね。)

しかるべき所があれば植えてみるのも良いかもしれないけれど・・・。当のスミレも困惑しているだろう。

今年のお花見

松江でもあちこちで桜の花が目につくようになった。例年、桜の季節はそれなりに忙しく、お花見に行くほどの余裕はない。昨年も、庭仕事に行った時、お昼休みに公園で見た桜が結局唯一の花見だった。

それでも今年は遠方から友人が来たこともあり、木次町の土手へお花見に行く事となった。

ところが、今日は寒かった。時折パラパラと冷たい雨が降る。桜並木についた時には時折日も射したが、風が強く、桜を見上げると顔が痛い。つい、うつむいて肩をすくめてしまう。訪れる人もまばら。平日と言うこともあって宴会の一組さえいなかった。

桜
桜並木を写す気にもなれなかったぐらいである。とりあえず並木を一往復してお花見をしたことにした。

かえって去年のお花見の方が満喫できたような・・・

損な性質

ビニールハウスの中では気の早いゼラニウムはぼちぼち咲き始めている。なかでもアーモンドゼラニウムはここにあるゼラニウムの中でも大きい花なので良く目立つ。

pelargprettyp100328

ところが、このお方は勢いが強い上に高性なので少しほったらかしにしているとあっという間に上に伸びていって下のほうの茎には葉がなくなってしまう。見た目が悪いことこの上なしである。こまめに手入れをしてやれば、そんな心配は無いけれど、つい、ネ。アーモンドゼラニウムを形良く育てられる人はエライ!と常々思う。花もガンガン咲くので、目を引く一鉢になること間違いなしである。

この苗も植え替えて、下のほうに新芽が出てきたら切り戻してやるつもりだったのに、それより先に花が咲いてしまった。写真で見るとそれなりだけど、全体をみるとため息が出る。

こんなふうにお行儀が悪いので、どうしても増やそうとする時に気が引けてしまうのである。かわいそうに。