忘れられる球根

夏野菜の残りを片付けようと、圃場を行ったり来たりしていたら、端の方で明るいピンクが見えた。コルチカムだ。遠くからでもすぐ分かる。今年も出てきたかと何やら安心するとともに、この1年もまた何も手入れせず放置していたなと後悔。月日の経つのは早いものである。

コルチカム

元々は花壇だったところなのに、いつの間にか他のハーブたちは移植され、圃場のデザインの変更とともに雑草に覆われ、いまはほぼ通路として使われている場所だ。

花も本来の大きさに比べると弱々しい。きっと球根もやせ細っているのだろう。花が終ったら追肥して球を太らせ、掘り上げてやりたいところだが、冬、雪に隠れて存在感を無くす上、掘り上げは最も忙しい初夏が適期。きっと来年も忘れてしまうんだろうなと思いつつもラベルだけは差しておいた。

残った一鉢

畑のバジル、先日最後の収穫を終え、株も片付けた。ただ、ハウスの中にある一株の鉢植えだけが未だに残っている。

葉の収穫用兼、種取り用として鉢植えにしておいた株だ。畑にある株で種までとろうとすると、まだ先まで植えとかなくてはならず、冬野菜が植わるはずの場所がなかなか空かないという自体になってしまうので鉢植えで。大きめの鉢を使えば結構大きい株になり、十分収穫にも堪える

ところが、この鉢、ある程度大きくなってきてから葉のギザギザが妙に目立つのに気がついた。葉の香りもややスパイシー。ついでに花が咲いてみると妙にピンクがかっている。

バジルの鉢

種から育てる以上は仕方がないことなのだが、よりによって種取り用に育てた株がこんなに個性的では、種を取る気も失せてしまう。いっそのこと、他の株の葉っぱと一緒にバジルペーストにでもしてしまえば良かったのに・・・といま思っても仕方ないね。

もだえ喜びつつも

今年もツマグロヒョウモンの食害に悩まされているニオイスミレや各種ビオラの苗たち。毎朝、見るようにはしていても、完全にはチェックしきれず、この有様だ。
ツマグロヒョウモンの食害

まあ、それはそれはおいしそうにお食べになっていて、栄養もいいのかあっという間に大きくなり、加速度的に被害も増えていく。残念ながらこの種類はしばらく販売休止しなければならない。

ツマグロヒョウモンの食害
ここまで食べなくても・・・

少し前、あるお客様からパセリの在庫についての問い合わせがあったとき、よそで購入したパセリの葉を食べてアゲハの幼虫がもがき苦しんだとお伝えいただいた(怖いね)。そういうこともあって、当店の無農薬の苗を使ってみようと思われたのだろう。

ここのツマグロヒョウモンは農薬を心配することもなく、毎日もだえ喜んで葉っぱを食べているのだが、別の敵が目を光らせている。さて、どっちが幸せかねぇ?

来年もこの場所で

今年も、お彼岸の声を聞くと彼岸花の鮮やかな色が目に入ってくるようになった。雑草の中に突然現れてくるので、なおさら目立つのかもしれない。

ヒガンバナ

確か、去年も見かけたように思うが、圃場の一番角のところにも彼岸花が花を咲かせている。もちろん植えた覚えはないので、ほ場の盛り土をしてもらったときにどこからかやってきたのだろう。ここも夏の間何度も草刈りされているけれど、その間は土の下で静かにやり過ごしていたに違いない。

時を同じくして、別の場所にゼフィランサスも白い花を咲かせた(たぶんタマスダレ?)。もちろんこれもどこからかやってきたのだろう。やはりヒガンバナ科で有毒。丁度法面のところなので土止めにも良いかもしれない。

ゼフィランサス

ゼフィランサス

彼岸花は結構嫌う人も多いけれど、ゼフィランサスは庭植えされているのを良く見かける。ただ、個人的にはゼフィランサスは白い花色とシャープな葉があまりにもクールすぎ。秋に見るのにはややつらいものがある。なのできっとこの株もいつまでも植え直されることもなく、来年もここで花を咲かせるのだろう。

水加減

苗の小さいうちは水加減が本当に難しい。その上、徒長しやすい種類はなおさら気を使う。

ラベンダーの中でも、マンステッドラベンダーがそういった類いの一つ。ある程度大きくなっても割と柔らかめの枝ではあるが、小さいうちはすぐにひょろひょろっと育ってダランと横に倒れてしまうことが多い。

マンステッドラベンダーの苗

この株も伸びてきたなと思っていたらこの調子。剪定をかけないと元に戻すのは困難だ。右手前の株もちょっと怪しいぞ。暖かい時期だけでなく、結構冬場でも起こりうるので目が離せないのだ。同一種だけ何百と育てていれば十分にコントロールできるかもしれないが、せいぜいひとケースやふたケース。悩ましいところである。