春を迎える確率

肌にも感じるぐらい、朝の気温が下がってきた。金曜日の朝は、溜めていた水に氷が張っていた。

寒さに弱い種類については、ほぼ対策ができていたと思っていたのだが、ホワイトヘリオトロープを見落としていた。

ケース単位で置いてあると見逃すことはほぼないのだが、たまたま6株だけ置いてあったので二重ハウスに移動し忘れていた。

今朝見たら葉のところどころが黒っぽく。明らかに寒さにやられている。

傷んだ葉はもう戻らないが、株自体は致命傷ではない。暖かくなるまでしばらく養生すれば、下の方から新芽も伸びてくるだろう。それにこの時期は販売する事もできないし。

逆に、初めから二重ハウスで甘やかして育てると、寒さの底のようなときに耐えられない事もある。ここまで厳しくしておいた方がむしろ春を迎えられる確率が上がるかもしれない。

寒空のてんとう虫

数年前に植えた、アラビアンナイトラベンダーだが、順調に成長して、直径が軽く1メートルを超えるような大株になってしまった。

一部枝の調子が悪く、葉にも異変が見られる。

本当はこうなる前にこまめに剪定しておくべきだったのだが、挿し木用の親木にも使うし・・・とか、他の株の剪定を優先してしまったりした結果だ。

雪マークも今後増えてくるだろうし、大株であればあるほど重い雪が降ると潰れて枝が裂けてしまいやすい。

そこで、思い切ってかなり強めな剪定を行うことにした。

実際、株元の一部がが裂けているぐらいだから、最悪の場合も考慮しつつ、極端に小さくなるように剪定をした。

それでも一応グリーンの芽がそれぞれの枝に残ることは気をつけた。(もちろん、慣れない方や、絶対に枯らしたくないという人は真似しないように)。

株元では、一匹のてんとう虫が寒そうに固まっていた。さっきまで大きな天井があったのに、いきなり寒空にさらされてびっくりしているかもしれない。

寒さと食欲

秋の始め頃だったように思う。親株のチェックをしていたら、ホワイトワイルドストロベリーの鉢がとてもくたびれていることに気がついた。

ひと株ひと株が貧弱になって、ランナーも細く、その先の子株もまた頼りなかった。

できるだけ毎年植え替えるようにはしているのだが、この前の冬植え替えができていなかったのも原因のようだ。

このままでは今後の増殖にも影響があるので急いで植え替えを行った。予想では来年の春頃から勢いが戻ってランナーもたくさん出してくれるに違いないと予想していた。

ところが気がついてみたら一気に成長が進んでまるで春のような勢いだ。肥料が多かったということも考えにくいので気温の影響だろうか。

まあ、それはいいとして、たくさん出始めたランナーの先にすでに子株も大きくなりつつあるのだが、子株に早速アブラムシが集まり始めた。

さすがに栄養がたくさん送られて柔らかいところをよくご存知だ。鉢の方にある親株にはほとんどついていない。下にぶら下がっている子株にばかりアブラムシが。

空中で風にさらされるのに寒くないのだろうか。いくら寒くても美味しいものが得られる場所が良いようだ。極寒のなか、ラーメン屋の前に並ぶ人間と同じなのかもしれない。寒さに耐えるからこそ感じられる美味しさを知ってるとは、通ですなぁ。

インターロッキングの隙間から

市内のお客様の家に伺う機会があった。

要件を終えてから、「ちょっと見ていただきたいものが・・・」と言って案内されたのが玄関前。

今年の春、大株を株分けしてさしあげたアカンサスが置いてある。ちょうど屋根などの関係で程よい影にもなっているようでこの夏の暑さの影響も受けていないようで、いい感じの葉が大きく育っていた。

「いい感じに育ってますね」と伝えたのだが、お客様が見て欲しかったのはそこではなかったようだ。

鉢の足元、インターロッキングの隙間から緑の葉がのぞいている。近寄って見てみると、アカンサスの葉だ。

「ん?なんで?」とまず思った。実生で増えることも絶対ないわけではないが、今年の夏の開花後の種子がこんなに大きくなるとも思えない。更に近寄ってみると、なるほど、理由がわかった。

どうやら以前はこの上に鉢が置いてあったようで、鉢の下から伸びた根が、インターロッキングの隙間に入って行ったのだろう。

鉢を動かす時に、ちぎれてしまったが、いわゆる根伏せのような形となり、葉が伸びてきたように思われる。

インターロッキングの下も砂になっていれば、このままここで根付いていくのかもしれない。

また訪れる機会には経過をチェックしてみたい。

「来年こそは」のキウイ

毎年恒例、スタッフのIさん(の奥さん)から自家製のキウイを今年もいただいた。

今年は収穫量が例年の1/10だったそうで(例年は数百個)、貴重なキウイだ。大きさも市販のものと変わらない。もちろん味もキウイ好きの家族に言わせると「ゼスプリに匹敵する」とのことだ。収穫が少なかったのに、わざわざ届けてもらって、その気持ちが嬉しい。

農家でもない、普通の主婦が庭で育ててそんなに取れるのかと、ずいぶん前に真似をして圃場の畑にも植えたのだが、こちらはさっぱり。例年と同じ貧相なキウイが10もなっているだろうか。真夏の渇水で葉が全て落ちてしまったので、味も期待できないかもしれない。

こちらは圃場に植えたキウイ。大きさも2/3ぐらいだろうか。まだ葉が残っている。

当初4株ほどあったが、枯れたりして、雌株も一つになったので、今年は挿し木で増やした。苗として増やす方は簡単なのだが、どうも育てて収穫するのは苦手なのだ。毎年、「来年こそは」と気合を入れているけれどそう言いつつ、十年は過ぎているだろうか。

昨年からは、果実の収穫はさておき、夏の休憩場所の日陰づくりにならないだろうかとパイプで棚を作ったりもしているがどうも捗々しくない。こちらも「来年こそは」なのだ