庭に活かす

昨年からとあるお宅で、もと畑だったところをデザインし直して花のお庭に作り替える作業が進行中。土作りから始まって、花や球根も加え、ずいぶんお庭らしくなってきた。道路に面している上、柵なども無いので近所の方の反応もあるため、やりがいもある。横を通られる方から、
「きれいになりましたねぇ」
とか言われると単純に嬉しい。

さて、春先、このお庭でがっしりとした葉が突如地面から現れた。スタッフが、
「これ、何かな?」
と尋ねるが、さっぱりわからない。小さなうちはなにやら原種のサルビアにも似た葉をしていたので、
「家の人が植えられたんでしょう、サルビアのなんかじゃない?とりあえず、そのまま」
と答えていたが、来るたびにどんどん大きくなり、一枚の葉が60cmぐらいになってきた。さすがにこれはサルビアなんかじゃなさそうだ。

小さい時は、Salvia dolichanthaにとても良く似ていた・・・
小さい時は、Salvia dolichanthaにとても良く似ていた・・・

作業を進めるにも邪魔になってきて困っていたところ、たまたま奥様が、
「あれ、これ何かしら?」
と尋ねられた時に、ご主人が
「あ、こりゃ、前植えてたゴボウだ。種子取るからこのまま置いといて」
と仰って正体がわかった。スタッフの前で面目丸つぶれである。実際、ゴボウは育てたことも無いし、地下部分しか普段見ないから知らなくて当然なのだが、ハーブばっかりやっているからこういうことになるのである。

いずれにせよどんな花が咲くのか、楽しみである。うまくお庭の中で活かせるといいのだが。でも、周りは農家の方が多いから、笑われるかもなぁ・・・。

この冬一番

今朝目が覚めてみると思わぬ大雪に少し驚いた。

昨夜の間にかなり降り積もり、自宅の横でも早朝から除雪車が走り回り、うるさいのなんの。いやいや、こんな朝早くから除雪していただき、ありがたく思わねばなりませぬ。

昨年の豪雪では痛い目にあったので、さすがにビニールハウスが気になり、朝食もそこそこに様子を見に出かけた。

ユーカリも雪をすっぽりとかぶり、重そうな様子だし、ギンヨウボダイジュも枝に雪をまとっている。

今年も冬前の剪定をしなかったためでもある。ゴメン
今年も冬前の剪定をしなかったためでもある。ゴメン

ギンヨウボダイジュ

ビニールハウスは幸い大丈夫だったが、ずり落ちた雪がハウスとハウスの間に高く積もる。この冬一番の積雪だ。

ハウスの間の雪

山陰地方でももう少し雪が多い場所だと、この横に落ちた雪の重みで、横からビニールハウスがつぶれるという。幸い、この辺りではまだそれほどの雪は積もらないので(昨年は微妙だったが)、今のところは心配していない。

昨年はビニールが古くなって苔などが生えたビニールハウスが、雪が滑らずに被害を受けた。今年はほぼ新しいビニールなので雪もある程度積もると自然に落ちるが、一つだけ古いビニールのままのハウスはやはり滑りが悪い。

ビニールが新しいとあまり積もらないうちに滑り落ちてくれる
ビニールが新しいとあまり積もらないうちに滑り落ちてくれる
ビニールが古いと自然には落ちにくい。(落ちているところは人手で落としたが、難儀な作業)
ビニールが古いと自然には落ちにくい。(落ちているところは人手で落としたが、難儀な作業)

さて、上記の「この冬一番」という表現だが、個人的にはあまり好きではない。もちろん、【今までのところでは】一番にという意味だということはわかっているものの「この冬一番の寒気が」なんて天気予報で言われると、冬になったばかりでもこの冬中で一番寒いんじゃないかという印象を与えられて思わず縮こまってしまう。スタッフもこの言葉を聞くと、「ええっ!」と大騒ぎする。何かもっといい表現が無いんでしょうかねぇ。

上からの冷え

昨日に引き続き、今日も雪模様。雪は吹き込まないビニールハウスとはいえ、あたりが白く覆われるとさすがに気分的に冷え込む。

ビニールハウスに積もる雪
ビニールハウスに積もる雪

日光さえ差せば天国だけど、今日は日が射す時間も少ない。天井をたたく雪の音がなおさら良く響く。今日はまだ良いが、さらに積雪が多くなると、ビニールハウスの屋根にも結構積もる。一定の量を超えると滑り落ちるようにはなっているものの、頭の上に雪が載っている状態はあまりうれしくない。上から冷やされているようでまるで冷蔵庫の中にいる気分。

うーん、デスクワークは無かったっけ?と作業をしつつ考えたりしている。

ぐるぐる

台風12号、国内各地で大きな被害をもたらしている模様。すぐ脇のような所を通ったと言うのに、大きな被害がなかったのが不思議なくらいだ。遠方のお客様からも安否を気づかうメッセージを頂いてありがたい限りだった。

でも、お隣の安来市など、がけ崩れや床上浸水などもかなり起きているようで、まるでゲリラ豪雨をそのまま規模を大きくしたかのようだ。ちょっと進路が違えばここの裏山も崩れていてもおかしくない。予測のつきにくい自然の脅威にただ運を天に任すしかないのかとも思ってしまう。

植物の被害については、大きく葉を広げたものに限られていた。畑のナスビやオクラがかなり倒れたので、支柱をやり直したり、重そうな枝は剪定。どちらもまだしばらくは収穫できそうだし。(ちょっとだけ、「もう今年は良いかな?」と言う思いが頭をかすめた。特にオクラ。)

ハーブは唯一畑のバジルのみが被害。結構株数もあるし、すべてに支柱をするのを怠けていたらさすがに風に揺らされたらしい。風の中でぐるぐると回転させられて、植物でも目も回ったんじゃないかと思う。

台風後のバジル

しっかりと剪定して株元に土寄せ。最後のバジルペーストまでもう少し頑張ってもらおう。

冤罪

お盆ごろから腕や首に湿疹が出だした。はじめ、今年二回目のあせもかと思ったのだが、どうやら様子が違う。一時は枕か何かのダニではないかとも疑ったし、いま流行っている手足口病かもしれないと考えたけれど、やはり違うようだ。

しばらくしてそう言えばこれは・・・チャドクガか何かが原因では?と思い当たった。徐々に広がっていくので毛虫だとは考えもつかなかったけれど、こいつらの毛は衣服について患部を広げるのだった。そのように考えれば納得が行くし、チカチカする痛みも3年ほど前の症状を思い出させた。早く分かっていればガムテープで針を抜き取ったのに。今や遅しである。

ただ、どこでやられたのかがはっきりしない。お盆前には何軒もお庭を回ったけれど、とりあえず見かけなかったし・・・。

ふと思いついたのが、毎日畑のオクラを収穫する時にお目にかかる緑色の毛虫。ほぼ毎年オクラの葉を破れた傘のようにしてくれる大食漢だが、目についた時に収穫鋏で払い落とすぐらいだった。もしやこいつが?と、疑いを持ち、恐る恐る近寄って撮影。いままであまり気にしなかったのに、急に態度が変わってしまう。細い毛までが、ネトルのように恐ろしいものに見えてくる。ところが調べてみたらどうやら無害のようだった。

フタトガリコヤガ

ちなみに正体は、フタトガリコヤガの幼虫。もう少し大きくなると黒い点々が目立つようになる。アオイ科の植物が大好きなようだが、あまりマロウについたのを見た事が無い。オクラのほうがおいしいのだろうか。

オクラの花
オクラ・・・花もまた良し。実はサッとゆでて味噌汁に入れるのが好み。なぜか嫌がる人も多い・・・

それにしても、早口言葉に使えそうな名前である。フタトガリコヤガ、フタトガリコヤガ、フタトガリコヤガ・・・。