軽量バッテリー希望

天気予報では、今日はなんと最高気温37度予想。あらためて、「今日は何月何日だっけ?」と確かめたくなる。

午前中も予報通り気温はジリジリと上昇。ポット上げ作業をしていたが、たまらず空調服を取り出した。

夏前に、スタッフにも勧められ(というか見せびらかされ)、今年こそは必要だろうと思って購入した空調服。実はいままでそれほど出番がなく過ごしてきた。

暑さが厳しくなったころから、早朝から昼前までと、夕方に作業時間を振り分け、無理をしないように努めてきた。作業も涼しいうちにビニールハウスの中の作業を片付け、日が高くなってきたら極力屋外の木陰で作業をするなどして対応していたので、空調服を着ないと仕事にならないというケースはそれほどなかった。

むしろ、どうしてもこの空調服、というかバッテリーの重さが気になった。1箇所でじっとして行う作業にはまだいいのだが、バタバタする作業だと、服の裾の方の重さが気に掛かってしまうのだ。

数年前に導入した友人の空調服のバッテリーは重さが半分以下。「すぐにバッテリーがなくなる」と言っていたが、自分のような使い方だと2時間持てば充分だ。

実のところ、購入してから2回しか充電していない・・・、まあ、それほど使っていないとも言えるのだが。

でも、業界では毎年のようにより大容量(重量増加)のバッテリーになっていくようだ。次の夏までに軽量バッテリーがでてこないだろうか。

寒冷紗が外せない

9月に入ったら寒冷紗を外すつもりでいたのだが、日中は35度が続出。日差しもまだまだ強い。日照時間は確実に短くなってきているし、親木はところどころ徒長気味、気温さえ平常に戻ったらすぐにでも外したいところだ。

そのうえ、我々人間の方はむしろ9月に入ってからの方が、きもちがはやってしまったのか、思わぬ暑さに戸惑い気味だ。スタッフにも体調を崩してしまった者がいる。ハーブたちもしんどい思いをしているのかもしれない。

水やりも、気が緩んだせいか、ところどころ水切れを起こしてしまったり。なかなか難しい。

あたらない天気予報を見てもまだ1週間は同じような気温。望まない気温だけはしっかり当たるのがくやしい。

ヤニ取りは気分転換に

気温が高いので、苗の成長も著しい。それも、小さい苗が大きくなるというよりは、大きい苗が更に大きくなる方の成長が目立つ。

苗もあまり大きくなりすぎると、形も悪くなるし、下の方の葉も枯れてきたり、見た目も悪くなる。背が高いと送料にも影響するし適宜コンパクトに仕立て直す必要がある。

そのため、他の季節にも増してこの時期は剪定作業が増える。

剪定作業をスムーズに行うためにはまずハサミがよく切れることなのだが、柔らかい枝を切ることが多いので、刃こぼれや研ぎが鈍って刃自体の切れが悪くなることはあまりない。むしろ刃にこびりつくヤニが刃のキレを悪くする。

刃にこびりついたヤニ

そのため、こまめなヤニの除去は大事な作業の一つとなる。いつも腰のツールにちいさな布を携えているので、作業の合間にこれでヤニを拭き取るようにしているが、作業に夢中になって忘れていることもしばしばだ。気がつくと刃にビッチリとヤニが付着していて布ではきちんと拭き取れない。

そこでヤニ取り作業を行う。このヤニ取りも昔からいろいろな方法を試行錯誤してきた。かつてはトクサで拭いてみたり、消しゴム状の携帯砥石でこすり取ったりもしていた。今は次のような感じに落ち着いている。

まずはヤニ取りスプレー。いろいろなものが各社から出ているが、どれもそれほど変わらないような感じだ。

このスプレーをかけて30秒ほど放置するとヤニが浮き上がってくるので布で拭き取る。これを2度ぐらい繰り返すとほぼヤニは取れる。

ヤニが浮き上がってくる

それでもたくさん残るようになったら、むしろきちんと砥石を使って刃を研ぐ。

ヤニがとれたら刃物油を刃とネジの裏に満遍なく行き届くように塗布する。

椿油と油壺

以前は椿油を油壺で塗っていたが、この頃はお手軽にスプレーでオリーブオイルを塗る。

食用オリーブオイルの残り。今はむしろ高級か?

オリーブオイルはアウトドア料理で余った残り。椿油のほうが良いとは思うが、頻繁に使うのでこれで十分だ。砥石できちんと研ぎ上げた時には椿油を使う。あまり違いがわからないが、まあ、儀式のようなもの(笑)。

この作業は、気分転換にも良い。刃も綺麗になって、気分一新、もう一仕事!という気分にさせてくれる。

麦わら帽子と行く夏を惜しむ

夏の作業と切ってもきれないのが麦わら帽子。本当に過酷な作業をする時は菅笠をかぶっていた時期もあったのだが、ここ数年の過酷な夏、菅笠が必要になるほどの気温のときは作業自体が危険で能率も悪いので、さっさと作業を終えるようになった。おかげで夏バテもしなくなったが・・・。

菅笠ヒーロー

この麦わら帽子は、昨年新調したものの、秋になるころにはところどころ傷んでしまった。ツバの付け根には黒いリボンがついていたが、いつの間にか取れてしまったし、あごひも用のパーツも片方外れてしまったためあごひもも取った。もともとホームセンターでも一番安い部類のものなので耐久性もそれなりだった。

それでも昔はちょっといいものを使っていた。「ちょっといいもの」は、つくりもマシで、頭と触れ合う部分(スベリと言うんだそうだ)に、ご丁寧に吸水素材が使われていたりする。これが、かえって汗をすって匂いが気になる。この麦わら帽子のような廉価版は、スベリがビニールのようなな素材で、肌触りは決して良くはない。でも、大汗をかくときには関係ないし、むしろ匂いが気にならない。

汗を吸わないのでむしろ匂わない安物の「スベリ」

今年も引き続き使っていたが、あごひものパーツが外れたところから徐々に崩壊していった。それでも何ら支障はないので「秋まで持つかな」と思いつつ日々の作業に活躍してくれた。何度も風に飛ばされもしたり、車の中で荷物に潰されてボロボロと藁くずが撒き散らされるようになった。

まだ日差しが強いのでしばらくはお世話になりそうだが、「夏が終わった」と感じられる日が来たらさすがにサヨナラしようと思う。早く夏が終わってほしいのは確かだが、そのときは少し寂しく感じるのだろうか。そしてこの強烈な夏の終わりに「行く夏を惜しむ」気持ちになれるのだろうか。

初志貫徹しなくても

梅雨前、何年越しにビニールハウスの脇に掘ってある排水用の溝を整備した。

溝といっても、大雨が降った時に少しでも排水を助長して、ビニールハウスのなかに浸水しないように(ゲリラ豪雨レベルだと役に立たないが・・・)、掘っているもので、畑の畝の脇に溝を掘っている程度のものだ。

なので、作業は手作業(重機など入れる場所でもないし)。クワも使いにくいぐらい狭いので、最初は片手で使えるスコップで行うつもりだった。

ところが、溝にはいずいぶん泥と、それに混じって小石、中にはゲンコツぐらいの石もあったりして、スコップでは太刀打ちできず、作業は一旦中断。

さて、どうしたものかと思っていたら、片手で使えるピッケルのような園芸ツールをネットで見つけた。「これならば、埋まった石も細い方で掘り出せるし、溝を掘るのにもちょうど良さそうだ」と判断。近くのホームセンターへ向かった。残念ながら、ホームセンターには、ピッケルのように両方刃が出ているものではなく、片側のみの製品、いってみれば片手で使える小型のクワといったツールが販売されていた。「初志貫徹するべきか」とずいぶん迷ったが、現物の誘惑には勝てず、これを購入。「片手唐鍬」というもののようだ。

片手唐鍬とツルつき

使ってみるとこれが非常に使い勝手が良い。溝を掘る作業も、石が混じっていてスコップではお話にならない場所も問題なく作業が進み、思ったよりも楽に早く溝の掘直しができた。

そのうえ、普段親木の畑にしている場所も石が混じっているのだが、この時期は雑草ががっしり根を張っている。そんな場所に苗を植えようとする時、やはりスコップよりもずいぶん楽にできることに気がついた。それなりに重量があるので、根を張った草取りをするときも草掻きツールやスコップよりも確実に土に刺さるし、なんといっても掘り起こしが非常に楽だ。ということで、この夏の愛用ツールの一つとなった。

さて、不思議なもので、先日親戚の納屋の片付けの手伝いをしたときに、まさに最初に欲しかったピッケル状(ツル付きというそうだ)のツールがでてきた。使わないと言うことなので、譲ってもらうことになった。そんなにどこの家にあるものでもないと思うのでちょっと不思議だが、類は友を呼ぶということなのだろうか。

いずれにせよ、こちらも今後活躍しそうだ。初志貫徹しなくてよかったと今になって思う。