今年もお蔵入り

夏から秋に花が楽しめるもの無いですか?と聞かれると、まず思い浮かぶのは秋咲きのセイジやサルビアだ。種類も多いし花もバラエティーに富む。そのため、どうしても彼等に隠れて見過ごしがちになってしまうのがアガスタキの仲間である。どちらかと言えばマイナーなせいか、呼びかたもアガスタシェであったり、アガスタチだったり定まらないようだ。

店頭でもあまり人気がない。そもそも知名度が低い上に、花が咲かないと目立ちにくいのだ。そのうえ、割と細身のものが多く、花が上がってくると苗では茎も柔らかなので枝がしだれてしまいやすい。夏の間、水切れしないようしっかり潅水するのも災いする。今年など特にひどい。

アガスタキ・アプリコットスプライト

写真のアガスタキ・アプリコットスプライトも花だけ写すと見事なんだけど、実はこの苗、下のほうの枝がぐにゃ〜っと曲っていてとても販売できる状態ではなかったりする。

結局写真を写してから剪定、植え替えのお決まりコースを辿ったのである。確か去年もじゃなかったっけ?

株数のジレンマ

今夏の家庭菜園はキュウリばかりが大豊作。去年雨続きの夏で、露地植えのものがだらだらに伸びてしまったことから、今年は試しにと雨除けのある場所でも育てたのがまずかった。露地とあわせて計4株。サラダ、ぬか漬け、ピクルス、丸かじり・・・相当頑張って食べたつもりだったけれど、一家族ではとても処理しきれない量であった。まさにキュウリ地獄。配った数も相当に昇った。結論としてわが家ではキュウリの必要数は二株、もしくは丁寧に育てた一株でも充分かも知れない。

さて、雨除けのあるキュウリには一つ不思議なことが。毎年悩まされるウリハムシ。今年も露地植えの株は被害に遭った。まず植えてしばらくした成長期。そのころは数も少なく、手で駆除してもそれほど苦ではなかった。そうするうち見かけなくなった。そして8月後半に入ってから。もうこの頃になるとこちらのキュウリへの愛情もだいぶ衰えているので大挙して押し寄せてもあまり構わない。今、葉は穴だらけで見る影も無い。

ウリハムシ
それに引き換え雨除けのあるキュウリにはほとんど見かけなかった。場所も30メートル程しか離れていないのに・・・。

なんてことがあると、来年も両方で試してみようかと言う気になってくる。それぞれ一株づつ、枯れたりした時に備えて各プラス一株。結局今年と同じである。おそらく苗も配るほどできていることだろう。ついでにその頃になると今年のキュウリ地獄はきれいさっぱりと忘れているに違いない。

梅雨の恩恵

雨が少ない上に暑さが厳しい。にもかかわらず、菜園のバジルたちは元気である。一応株元にマルチをして乾燥を防いではいるけれど、例年でも結構水切れ気味になりやすいのに意外である。

ルビンバジルとスイートバジル
梅雨明け以来しっかりとした雨は降っていないのに、渇水の話も出てこない。時々ネットでチェックする近隣ダムの貯水量もまだ心配するような値にはなっていない。春からの降雨がしっかりと地面に滲みているのだろう。降り続く雨にうんざりした梅雨も今になると有難く思う。

バジルたちにもその恩恵があるのかどうかは分からない。さあ、葉の状態が良いうちにどんどん使わなくては。

ルビンバジルは花も咲き始めた。隣にスイートバジルがあるとついそちらに手が伸びてしまう上に、花の咲いた様子が可愛らしいので収穫は後回しになりがち。困ったものだ。

夏の種まき

例年ならもうかなり進んでいるはずの夏の種まき、今年は暑さのために遅れぎみである。

ただ、ある程度の温度を必要とする種子ならばすぐ発芽してくれる。春先にかなりてこずることの多いリコリスの種子も揃って発芽する。

リコリスの発芽

ただ、発芽した後は例年以上に気を使う。この後、徒長の心配をしたり、水切れはもちろんのこと、柔らかい茎が腐ってしまう恐れもある。

そもそも暑さを嫌う種子は蒔くことすらままならない。以前いたスタッフが、保育園のバザーが秋にあるので苗を出品しようとした。「かわいいから絶対人気がでる」と、チャービルをお盆過ぎ頃に蒔き始めた。案の定一つも発芽しなかった。

今年のような気温ならなおさらだろう。涼しさを好む種類の種蒔きはまだ当分先になりそうだ。

通り雨

待ちに待った雨。通り雨程度とは言え、緊張していた気持ちがふっと和らぐ。お盆前の台風以来の雨は、たった2週間ぶりなのに、一月も待ったような気がする。

ビニールハウスに打ち付ける雨音が快い。花壇や畑も多少潤っただろう。それよりも心への潤いは計り知れない。通りすぎる雨雲に、もう少しゆっくり動いてくれと願いつつ空を見上げているうちに、雨足は弱くなっていった。

ギンヨウボダイジュと蝶
ギンヨウボダイジュと蝶

外へ出てみるとギンヨウボダイジュに蝶が雨宿りしていた。