Tidy

カーネーションの仲間はたくさんあるが、ハーブではクローブピンクが良く知られている。クローブ(丁字)に似た香りを含むのでこの名で呼ばれている。実際には種子で育てると香りの強さや花色にばらつきがあるのでがっかりすることもあるけれど。

ただ、丈夫であまりトラブルがないのは嬉しい。唯一難点は、野性味が強いので育てかたによっては枝がぐんぐん伸びてしまい、収拾がつかなくなることだ。そんなふうになった株は花茎も倒れがちで見た目もあまりよろしくない。

市内幼稚園で咲くインチメリー。おままごととかにもどんどん使って欲しい。
市内幼稚園で咲くインチメリー。遊びの中でもどんどん使って欲しい。

それに対して、同じ仲間で良く似ているのに、インチメリーカーネーションはきちんとしていて行儀が良い。枝も極端に伸びることが無いので倒れにくいし。花付きも良好だ。野性的なクローブピンクに比べると躾された園芸品種と言う感じが伝わってくる。

どちらが好きかは好みの問題だけどね。

移ろう花色

母の日の前後から咲きはじめたインチメリーカーネーションももうそろそろ終わりである。クローブピンクに近い種類で、やはり香りがするが、クローブピンクよりは優しい香りである。花色も同様、ソフトピンクの柔らかい印象だ。

クローブピンクはやや広がりがちになり、まとまりが無くなることも多い。それに比べ、インチメリーはしっかりした株立ちなのもお気に入りの理由だ。花茎もしっかりしているので切り花にするにしても、クローブピンクよりもおあつらえ向きだ。クローブピンクが野性味をたっぷりなのに比べて、きちんとしつけされたお嬢さんといった感じがする。

インチメリーカーネーション

花が終る時も同様、徐々に花色が薄れていく。決して一気に散っていくようなことはなく、少しずつフェードアウトしていく。「色が移ろっていく」という感じがぴったりなのである。自分も最後を迎える時はこういう終り方ができれば良いのだが・・・