そばに来ないで

ハーブを育苗する用土に、ずいぶん前からそば殻を加えるようになった。用土を軽くし、水はけを促進、隙間を作って微生物の住み処としても役立つようだ。

庭作りをさせていただいているお客様のお庭でも粘土質の硬い土の場合、積極的に使って土壌改良している。以前はもみ殻なども使っていたが、見た目が悪いのと、チカチカして始末に悪いことでそば殻に替えている。実際に比べていないけれど、もみ殻の方が分解しにくいとか、土が酸性に傾きやすいとも言われているようだ。

ただし、そば殻の場合、しばらくすると出てくるのだ。蕎麦の芽が。脱穀する時少し残ってしまうのだろう。

蕎麦の芽

いったん発芽すると一気に成長する。さすがに優れた救荒作物である。当然、ポット上げしたばかりの隣りのハーブはあっという間に追い抜かれて日陰になってしまう。また、一説では成育阻害物質も出すというので早めに取り除いた方が良いようだ。幸い、根は弱くて簡単に抜ける。有りがたいことである。

あるときお客様の庭ですき込んだ蕎麦の芽が生えてきた。急いで抜こうとしたら
「花が可愛らしいから活けて楽しむので少し残しておいて」
と言われた。若いのに風情が有る方だな。と感心したことがある。

ビニールハウスでは一杯生えてくるので、時々取りにきて欲しい。小さな時はサラダにできると言われているようだし。試して見ても良いけれど、軟弱栽培しないと美味しくないのかな?