この時期、育苗に気をつかうハーブの一つがナスタチウム。
白状すると、どちらかといえば育てるのが不得意な部類にはいる。
種子も大きくて蒔きやすく、発芽も揃いやすいのだが、暑さにも寒さにもちょっと弱いところがある。春早すぎる種蒔きだと、せっかく発芽した苗を寒の戻りなどで傷めてしまうことが多い。でも、寒さに弱いからと春暖かくなってから種子を蒔くと、ほんの小さいうちに花を咲かせてしまう。
同じ一年草でもこれがジャーマンカモミールのように寒さに強ければ秋に蒔いてしっかり寒さに当てれば良いし、バジルのように暑さに強ければ春十分に暖かくなってから育て始めても問題はない。
かといって、とても寒さに弱いレモングラスのように、しっかり防寒しておくだけでよいという訳でもない。暖かい場所では妙にひょろひょろに伸びてしまう。なかなかに悩ましい性格なのである。
その代わりと言ってはなんだが、夏もある程度涼しい場所に移動してやれば秋からまた長く咲いてくれるし、冬が厳しくない場所なら寒さ対策をして冬越しをさせれば多年草として楽しむこともできる。
この頃はなるべく秋のうちに蒔いて、冬までにそれなりに大きくして冬越しの態勢をととのえるようにしているが、それでも寒さに厳しいここしばらくは寒さで傷まないかと心配が続く。
さて、そのナスタチウムだが、種子から育てる以上、ある程度花色の違うものが出てくることがある。
この「ミルクメイド」というクリーム色の花が可愛らしい種類は、茎もうすい色で、葉も明るいグリーンなのだが、数十個のうち一つぐらいの割合で茎が赤みを帯びたものがでてくる。大抵そういう株は花もクリーム色ではなく、オレンジだったりするのだが、今年はなぜかこの冬の最中に蕾をつける株が多く、違う色のものを見つけるたびに間違えないように分けておく。
突然変異とか、先祖返りとか、色素がどうのこうのとか、理由はあるだろうが、ナスタチウムはナスタチウム。大抵は鉢植えになって店頭の彩りとして活躍するとになる。でも、去年の鉢がしっかり今年の冬も越しそうで、ナスタチウムの鉢ばかり増えていきそうな予感・・・。