ギブ・アンド・テイク

ひとりのスタッフが、家でサクランボがなったと言って持ってきた。

そう言えば圃場のサクランボにも春先花が咲いていたから、それでもと思って見に行ったら、おやおや、小さな実がついているではないか。

スタッフの家のサクランボはかなりをヒヨドリに食べてしまわれたと言う。ここのサクラにはあまりヒヨドリが来ているのを見たことが無い。花の数がそもそもわずかだったのでこれだけでも実がつけば嬉しいものである。

サクランボ

お味の方はまあ、酸っぱさがあるけれどサクランボであった。今まで放置ばかりしていたので、これから少し手入れしてみることにしよう。実のサイズも味も良くなるかも・・・。現金なものである。いやいや、何事もギブ・アンド・テイクなのだよ。サクランボ君。

さて、仕事からの帰り道、ふと道路脇の庭に、それはもう鈴なりのサクランボの木が植わっている家を見つけた。いままで、ちょっぴり嬉しかった気持ちが急にしぼんでしまったような気がした。

ささやかなお花見

世間では花見も自粛モードだという。とはいえ、飲めや歌えのお花見は学生時代以来御無沙汰だし、そもそも例年花見に行く時間が取れない。今年もこのままお花見シーズンが静かに過ぎていくのだろう。

今朝ふと畑の方に行って見ると、もう何年も前に畑の脇に植えた暖地性のサクランボが花をつけていた。もともと、十年以上前に知人から鉢植えでいただいて、しばらく鉢植えで育てていたが、その間も花が咲かなかった。地植えにしたらどんどん大きくなってきたので、今年こそ、今年こそと期待しながらも全く咲く気配を見せなかった。

品種は不明
品種は不明

暖地性とは言え、もっと涼しくないと花も咲かないのかも。と半ば諦めていた所であった。もしかするとこの冬の強い寒さのためか、咋秋あまり毛虫の食害がなかったからなのか。

ようやく花が咲いたといっても、木の全体で20輪あるかどうか。サクランボを期待するのは時期尚早だが、せめて来年も同じように花を見ることができればと思わせるのは今の我々が置かれた状況のせいかも知れない。

早朝出勤

毎日暑い日が続く。日中、長時間の園芸作業は効率も悪いので、梅雨が明けてからは早朝出勤の日も多い。

一仕事終えて6時半、ラジオ体操を行なう。スタッフにも早朝出勤しているのがいるので「おーい、ラジオ体操が始まるよー」と声をかける。

圃場の前のネムノキの下がお気に入りの場所である。日差しも遮られ、風が心地よい。

ネムノキと月
体を後ろへ思いっきり反らして空を見上げると、月が名残惜しそうに浮かんでいた。

今年のお花見

松江でもあちこちで桜の花が目につくようになった。例年、桜の季節はそれなりに忙しく、お花見に行くほどの余裕はない。昨年も、庭仕事に行った時、お昼休みに公園で見た桜が結局唯一の花見だった。

それでも今年は遠方から友人が来たこともあり、木次町の土手へお花見に行く事となった。

ところが、今日は寒かった。時折パラパラと冷たい雨が降る。桜並木についた時には時折日も射したが、風が強く、桜を見上げると顔が痛い。つい、うつむいて肩をすくめてしまう。訪れる人もまばら。平日と言うこともあって宴会の一組さえいなかった。

桜
桜並木を写す気にもなれなかったぐらいである。とりあえず並木を一往復してお花見をしたことにした。

かえって去年のお花見の方が満喫できたような・・・

竹と椿

今日は竹の収穫に出かけた。場所は島根半島のとある川沿いの竹やぶ。親戚の所有する竹林である。川のせせらぎをBGMにして竹を切るのはなかなか悪くない時間だ。

せせらぎ

この竹やぶもかつてはタケノコ掘りなどに良く使われていたようだが、この頃はあまり使われることも無く、荒れるに任せてある。そのため、竹を切ってあげるとむしろ喜ばれるのだ。

竹林
毎年のように行なっている作業なので長い竹を切り倒すこともそう苦ではなくなってきた。最初のころは倒れた竹が他の竹に挟まれて引っ張り出すのにひどく手間がかかったり、割れた竹が跳ね返って危ない思いをしたこともあった。

今となっては手慣れたもので、小さなノコギリと鉈だけでリズミカルに作業を進めることができるようになった。何でも経験である。

竹
パァンと竹を割るのはなかなか気持ちの良い作業だ。瑞々しい竹の香りもまた気分を新鮮にしてくれる。また、割ったばかりの竹の美しいこと。今まで外界にさらされていない清らかな竹の内部。昔のひとがかぐや姫をそこに想像したのも無理はないように思えてくる。

竹
一仕事終えて一服すると目に鮮やかな赤い色が入ってきた。椿である。島根半島は野生の椿が多いと言う。竹と椿、何とも風情のあるひとときを過ごさせてもらった。
椿