こんな場所にはこのハーブ-ゴールデンヘリオトロープ

以前、こんな場所にはこのハーブ-ナスターチウムで紹介した病院のエントランス部分の花壇。ナスターチウムも良かったが、あまり長期間おなじハーブが植わっているというのも芸がないのでときどき種類を変えている。

パンダスミレ
花も長期間咲いて手間いらずのパンダスミレ

球根類を多めに植え込んでみたり、ビオラの仲間を植えてみたり。特にパンダスミレはよく広がってくれた。トラブルも少なく、花壇全体を覆いそうな勢いだった。

当初、この場所に何を植えるかについてはかなり危惧していた。上に屋根があるので雨はかからないし、西側と南側にスリット状の壁があるので日差しも遮られる。そもそも、エントランスのすぐ脇、もっとも人目につきやすい場所であるというのがプレッシャーである。

何年も試しているが、いつも、うまくいくだろうと思う種類が案外イマイチで、「大丈夫かな」と思いつつ植えた種類が思わぬ成長を見せるという厄介な場所である。

今年の春に植えたのが、ゴールデンヘリオトロープ

これも結構な賭けだった。ヘリオトロープ自体が、そもそもちょっと気まぐれなところがある。通販で購入されたお客様からも、「何年も咲かない」とか、「急に葉が茶色になり始めました」と相談があったり、一方で苗から数ヶ月経たないうちに開花したり

そのうえ、葉色が鮮やかな黄色をしているゴールデンヘリオトロープはなおさら葉が弱く、強光線や強い風、乾燥でも傷んでしまいやすい。

「ま、うまくいけばしめたもの、葉の色も鮮やかだし、花も咲いたら香りはいいだろうし」
という感じだった。そもそも、夏が越せないのではないかと思っていた。

今年の夏、ここ山陰は雨が非常に少なく、気温も非常に高かった。なので、メンテナンスに行くたびにドキドキだったが、「え?」と拍子抜けするぐらいに順調に育った。この花壇、見た目より結構深く、根が暑さで傷まなかったのも良かったかもしれない。
ゴールデンヘリオトロープ
秋、少し気温も下がり、一層元気をましてきたようだ。

このスリットから斜めに差し込む太陽が気持ちよさそうだ。

花芽の兆しも見えているが、さて、寒くなるまでに開花してくれれば良いのだが。

水切れの後

圃場では苗の水管理がシビアになってきた。水をやりすぎれば徒長してしまうし、かといって今の気温での水切れは致命的だ。

油断していたらホワイトヘリオトロープの親木が水切れしてしまった。株がダウンするほどではなかったものの、ヘリオトロープの場合、葉への影響は大きい。他のシーズンなら葉が黒く縮れるぐらいで済むけれど、暑い時期は新芽へのダメージが大きく、新芽まで縮こまってしまう。気温が高いのは好きなくせに、妙にデリケートだ。

ホワイトヘリオトロープ

こうなるといくら水をやっても無駄。差し芽にも使えないので一度強く刈り込んで木質化した場所からの新芽をのばす必要がある。

まだ暑さは当分衰えそうにない。大きくなりすぎた親木は剪定して水切れのリスクを減らす対策をそろそろはじめねば。

かわいいアジサイ

「お引っ越しの忘れ物」で話題にしたヘリオトロープがようやく復活して花も咲かせ始めたので店頭に持ってきた。

ヘリオトロープ

風の具合によっては甘い香りが辺りに漂う。花もさる事ながらやはりヘリオトロープの命はこの香りである。今でも最初に嗅いだ時の感動は忘れられない。

なるべく多くのひとに見ていただきたくて、店頭でも目立つ所に据えた。香ってみて「次の苗ができた時には是非」とのご希望も頂いたりするとなおさら嬉しい。

中に、「あら、かわいいアジサイね」という反応が結構あったのにはびっくりした。まあ、パッと見にはそうも見えるよね、とスタッフと笑いあった。とはいえ自分もこの世界に足を突っ込まなかったら、「かわいいアジサイ」としか思えなかったのかも知れない。どころか、ただの「花」ぐらいの認識だった可能性も高い。今は幸せである。

お引っ越しの忘れ物

年末のこと。寒波が来て大雪の恐れ!と聞き、レモングラスやヘリオトロープなど寒さに弱いハーブの苗は2重のビニールハウスへお引っ越しをした。大きめの株も漏れなく移動したと思っていたのに、今になって移動し忘れていた株が見つかった。

ヘリオトロープ

ヘリオトロープである。咋秋、少し大きくなった苗を鉢あげしていたのだ。大きくしてから店頭へ持っていって飾ろうと思っていた。そのため、他のやはり店頭用に育てていた鉢と一緒にしていたのが災いしてチェックを逃れてしまったのだ。

ヘリオトロープの場合、強い寒さに当たってしまうと、こんなふうに葉が焼けたように変色してしまう。傷んだ葉は復活は無理なので剪定してしまうしかない。

このぐらいなら株までダメージを受けてはいそうに無いのだが、店頭デビューはかなり先になりそうである。

白花ナントカに御用心

今朝、苗の様子を見回っていてドキリ。白花のヘリオトロープに花がついていたのだが、微妙に紫がかっている。確か、咲きはじめは少し紫がかるはず・・・。間違いない・・・。と思うのだが、どうしても不安が拭いきれない理由があった。1年ほど前、白花のヘリオトロープを買われたお客様から「紫花が咲いた」とクレームがあったのだ。

白花ヘリオトロープ

どうやらその時は、紫花の方を間違えて発送してしまったようだったが、挿し木の時に親木を間違えたのか、ポット上げの時にラベルの記入ミスがあったのか、でき上がった苗をピックアップした時に間違えたのかいまだに原因は不明である。

なので今回、この花を目にした時、ラベルは確かに「ホワイト」と記入してあったにも関わらず確信が持てなかったのだ。

以来、毎日のようにチェックする日々が続いた。

白花へリオトロープ

翌日。だいぶ花が開きはじめてきた。紫・・・じゃないよな。

白花ヘリオトロープ
4日目。徐々に紫色は薄くなってくる。ほぼ大丈夫だろう。

白花ヘリオトロープ

15日目。気温がそれほど上がらないので、ようやくここまで開花。白花に間違いはない。安心。香りもいっそう甘く感じられる。

白花ナントカと言う名前のハーブはたくさんあるが、元が紫色のものは冬場は余計に元の色合いが出やすくなる。ホワイトスイートバイオレットなども、うっすらと色づいてそれはそれで可愛らしいけど、すこし不安にさせられるのだ。まれに秋に咲く事のある白花系のラベンダーも秋は少し色みがついて時にヒヤリとさせられるのだ。ヘリオトロープも暖かい時期はほとんど紫を感じさせないまま開花する。辛い環境の中では、本性が現れるのだろうか。