花の後

ポット上げが少し遅めになったワイルドクリーピングタイムが今ごろになって満開状態になった。

ワイルドクリーピングタイム

種類の多いタイム、花も白、赤、ピンクを中心に大きめの花や小さい花など幅広い。ワイルドクリーピングタイムは割と普通の方だけれど調子が良いと見た目もそこそこ良好だ。

立性タイムでも、匍匐性タイムでも、花の後の様子は種類によって様々だ。大抵、目立つ花が咲く種類は花が終ったら早めに剪定しないと花がらが目立って見た目がよろしくない。特にモロッコタイムや、イブキジャコウソウなどがそんな感じになりやすい。

ワイルドクリーピングタイムは花がたくさん咲いてもそれほど花の後が汚らしい感じにならないのは嬉しい。

その点、レイタータイムは見事である。花もそこそこ楽しめ、花の後、剪定しなくてもそれほど目立たない。グラウンドカバーとして人気が高いのも頷ける。

努力は買いたいが

店の横のホップの葉にかじられた跡が目立ち始めた。葉をひっくり返してみると、一瞬ぎょっとして手を引っ込めてしまう。毎年お目にかかるとは言うものの、さすがにこの極悪そうな姿にはついひるんでしまう。

キタテハの幼虫
正体は、キタテハの幼虫(だと思う)。毒は無いらしい。普通は、雑草のカナムグラにやって来ると言う。同じHumulus属、似たような味がするのだろう。見た目も良く似ているし。それにしても周囲にはこれ一株しかないし、カナムグラも近辺には無い。食べ尽くしてしまったらどうするのか考えなかったのかな、なんていらぬ心配をしてしまう。

頑張って探してきたのだと思うと、退場願うのは心苦しいのだが・・・。緑のカーテンに大穴を開けられてしまっては・・・。

似て非なるもの

マートルを育てたものの、なかなか花が咲かないと言う声は多い。少なくとも、苗から育てて一年目から咲くことは珍しいと思う。ただ、ある程度大きくなって一度咲くようになるとその後は比較的安定する。

市内でも、これは何年ものだろうかというマートルが植えてあるお宅がある。優に背丈を越え屋根に届くような勢いだ。もちろん、花の時は見事だった。なので株元にも実生がたくさん芽生えていた。

マートルは小さくても気品を感じさせる植物なので、鉢植えで楽しみたいと言う向きも多いだろう。その上で花が咲いてくれれば言うこと無しである。

マートル・ルマ
この鉢も小さめ。今年の春先に植え込んだ。

ただ、小さな鉢植えではやはり咲きにくい。これはドワーフマートルでも斑入りマートルでも変わらない。だが、マートル・ルマの場合はちょっと話が違う。実際9cmポット苗でも花が咲く。全く性質が違うのである。

マートル・ルマ

というのも、他のマートルとは相当かけ離れていて、Myrtus属ではなく、Luma属と言う別の属に分類されることもあるぐらいなのだ。なので葉は小さめでも油断してはならない。15mに成長すると述べている資料もあったりするのだ。

南向き軒下

たくさんのハーブが開花をはじめる時期となり、お客様のお庭へ行くのにも楽しみが多い。

このお庭には、南向き軒下の花壇がある。吹き込まないかぎり雨がかからない。いつもカラカラだ。だが、深くまで掘ってあるので、地上部は乾燥していても深い所はそこそこの湿度はあるようだ。おかげで多湿に弱いハーブもとても元気に育つ。

当地では地植えではダメージの多いオレガノ・カルカラータケントビューティーなども花後の剪定ぐらいで充分である。

タイムも花付きは良いし、色もビビッドになる、今年はタイミングがずれたが、昨年、モロッコタイムの色鮮やかなこと。びっくりした。

マスティックタイム

このマスティックタイムも見事な咲きようだった。うちの圃場ではもっと花もまばらだ。無論香りが素晴らしいのは言うまでもない。つい作業の手を止めて香りを堪能してしまった。

イメージの善し悪し

コガネムシの幼虫には毎年のように苦い思いをさせられている。親木のラベンダーの根が食害されてダウンしてしまうことはしょっちゅうだし、お客様の庭のローマンカモミールが一区画あっという間にダウンしてしまったこともあった。店先で広がりかけていたカーペットグラスも昨年、相当かじられてしまい、さすがのカーペットグラスも一時瀕死の状態になってしまった。

なので、「コガネムシ」と聞くと悪いイメージが思い浮かんでしまう。けれど「カナブン」という名前には子供の頃の夏が思い出され、なんとなくほのぼのとした気分になってくる。憧れのカブトムシを探して歩いた雑木林。カブトムシはいつも見つからず、枝にしがみついているのはいつもカナブンだった。それでも、「カナブンがいるなら、きっとこの木にはカブトムシもやって来る」と、毎回胸をわくわくさせて向かったものだ。いつも空振りだったけど。

カナブン

このカナブンは、圃場の横のギンヨウボダイジュにしがみついていた。樹液を探してやって来たのだろうか。でも、スズメバチと間違えるような大きな羽音でびっくりさせたり、ハーブの株元に産卵するのは勘弁願いたい。