一皮むけて

子供のころ、夏休みに海につれていってもらうと、日焼けのしすぎでその夜は大騒ぎをだった。数日のあいだ背中の痛みと、むずがゆさに悩まされたあと、ペリペリと皮が剥けるのが毎年の恒例だった。

今ではむしろ春先、腕まくりをしはじめたころ、一気に日焼けをして一皮むけることが多くなった。夏、それほど海に行かなくなったことと、夏はかえって長袖を着るなど紫外線対策をしているので強く日焼けをしなくなったのだ。

さて、以前にも紹介したことのある、圃場脇のユーカリ・グニーの皮も夏前から剥がれはじめてきた。もちろん、下にはしっかりとした表皮が表れている。つい、皮をはいでみたくなる衝動に駆られてしまう。

ユーカリ・グニー

気のせいかも知れないが、このユーカリにしろ、ティートゥリーにしろオーストラリアの植物は皮が剥がれやすいような気がする。ティートゥリーも別名でPaperbark(紙の樹皮)と呼ばれるように、ぽろぽろと剥がれやすい。

オイル分を含んでしかもこんな樹皮をした木が多いので山火事も起こりやすいのかななんて考えてしまう。

雨の日のユーカリ

雨の日のユーカリがしょげている。梅雨が終るのをじっと耐えているかのようだ。実はこの株は丈が6メートル近くはあるのに、先端の葉が私の目の前なのである。

ユーカリ・グニー

つまり、もうかなり横に倒れてしまっているのだ。その上雨で重たくなってなおさら下に垂れてしまった。もともとは種子から育てたユーカリ・グニーという種類である。寒さにも強く、葉の香りも爽やかだということで育てはじめ、隣地との境に植えてみた。最初は順調に育っていたが、2メートルを越えた有る冬、湿った雪の重みで根が持ち上がってしまった。

もともと乾燥した土地を原産とするユーカリのこと、山陰のような湿った土地では細かい根が張りにくいようで雪や大風によって倒れてしまうことが多い。移植も嫌うので、今更動かすわけにも行かず、そのままにしておいたのだが、粘り強くここまで育ってしまった。株元から新芽でもでれば切り戻してしまうという選択肢もあろう。しかし、放置状態のためか、新芽がでる素振りは見せない。

たまにユーカリの葉が欲しいと仰るお客様のためにそのまま育てているぐらいで、普段はなおさら気にかけられないかわいそうな株である。それでも雨の日は、雨粒が葉についてなかなか良い感じである。

ちなみにこの隣にやはり大きなユーカリ・グニーの実生株があるが、こちらはもっと丸い葉である。種子から育てたユーカリは結構育ちに幅が出てくるとは言え、誰も同じ種類だとは信じてくれない。