ハウスからの逃亡者

ビニールハウスとビニールハウスの間の雑草も急に伸びてきた。

いよいよ草刈りのシーズン到来だ。

多種多様の雑草が生えているが、ところどころに一体どうして逃げ出したのか、ハーブが広がりつつある。

一番東の棟とその横のハウスの間にはアジュガ。種子でも増えるとは思うが、ポット苗の場合、花が終わりかけるとさっさと剪定してしまうから種子がこぼれたようには思えない。

この場所はこれから秋にかけて何回も厳しく草刈りをしているが、減るどころか増えていく勢いだ。

山側のビニールハウスの横にはタイム(おそらくロンギカウリスタイム)。これもビニールハウスの棚の苗から種子が落ちたのだろうか、場所的にはタイムが置いてある場所の近くだから間違いないだろう。

この場所もそれなりに草刈りをする場所なのだが、これまた徐々に範囲を広げていっている。

草刈りで痛めつけられながらも広がる生命力には少し驚く。すぐ横で、大切に育てられているタイムの苗たちは逃亡者の姿をどう思ってみているのだろうか。

春は懺悔と反省の季節

「ああ、まだいてくれたか」と、ホッとしつつも申し訳ない気分になった。

ビニールハウス横の木陰、数年前はもっと花盛りだったカウスリップの株、今年はずいぶん勢力が衰えて範囲も狭まった。

ここ2年間、まったく放置状態で、しかも剪定や何やらで結構踏みつけられたり、夏は雑草に覆われたりして過酷な時期を過ごしてきた。

もしかしたらもう消えているのではないか・・・とも思っていたが、先日からぼちぼち花も上がってきた。

ここ1年間、植え替えはおろか、周囲の草取りもままならず、せめて腐葉土でも周りに置いてやればよかったのだが、横目で見ながら「またそのうちに」が続いて一年、二年が過ぎてしまっていた。

プリムラの仲間でもかなりお気に入りの方なので、むしろ大切にあつかってやりたいぐらいなのだが。今年こそは・・・と思いつつ、写真だけ撮って作業に戻ってしまった。

白袴が多すぎて

一昨日、店頭に置いていた鉢植えのビオラ類が、花がほとんど終わっていたのにそのままになっていたのをようやく剪定できた。

「紺屋の白袴」とはこの事だネェ

と、笑ってスタッフと話をしていたのだが、このフレーズは頻繁に口から出てくる。

今日もそろそろ挿し木ができるかな・・・とラベンダーセイジの株をチェックしに行ったのだが、昨年の枝が残ったまま。

草取りも・・・

新芽は出ているのでもう挿し芽もできそうな感じだが、まずは古い枝の剪定から行わねばならない。

お客様には

「秋咲きのセイジは秋に剪定しておいた方がいいですよ」

なんて偉そうにアドバイスしているのだが、ついつい後回しになっていてこの有様だ。

一方、鉢植えのレモンマリーゴールドは冬の間にきちんと剪定ができていたので、今いい感じで枝が伸び始めている。まだ柔らかいので作業はもう少し先になりそうだが、すぐに取り掛かれそうだ。

まあ、これはむしろ例外的にうまく行った方で、伸びてきた草取や草刈りは全然進められていないし、野菜を植えるつもりの畑も放置状態、まだまだ蒔く種子もいっぱいあるし、挿し木も、あれも、これも・・・

普段からきちんとしていれば、後が楽なのにどうしてこうも「紺屋の白袴」ばかりなのかといつもうなだれてしまう。

だが、よくよく考えてみると、染めるべき白袴が多すぎるのだ。

しかも生き物なので、一度染めても一年、いや場合によっては半年で元に戻ってしまう。一度染めたらそれでOKの紺屋さんとはわけが違う。

まずは袴を減らすことが解決策のようだ。でもそれがまた難しいこともよくわかっている。

外へ出たまえ!

ビニールハウスで水やりをしていたらすぐ目の前で動くものがいる。

大きなバッタだ。この時期にトノサマバッタ?と思ってスマホを近づけるとジリジリとあとずさり。気温は決して低くないとはいえ、動作は緩慢だ。

トノサマバッタって冬を越すのかと思って調べて見たらツチイナゴのようだった。

イネ科の植物を食べるようだが、この棟にはイネ科のハーブはほとんどない。隣の棟なら今柔らかいレモングラスの葉もたくさん伸びているのに、知らないのだろうか。

それよりも畑では雑草がだいぶ伸びてきているからぜひどんどん食べてほしい。こんな屋内(?)に閉じこもっていないで外へ出たまえ!

そこは勘弁してほしい

休憩時間、コーヒーでも入れようと、スタッフがカップを取り出そうとした時、手元からアシナガバチが飛び出してきた。

驚いたスタッフがよく見ると、カップの中に作り始めたばかりの巣が。

まさかこんなところに巣を作ろうとするとは思いもよらなかったが、第一巣が大きくなった時、これでは小さすぎやしないだろうか。

確かに頑丈で水も通さないという意味では陶器のカップは悪くないだろうけれど。

このカップ、その昔、誕生日のプレゼントに、スタッフから送られた手作りの品だ。毎日のように愛用しているし、譲ったりしたら怒られそうだ。

話が通じるならばもうちょっといい場所を探したほうが賢明だよと伝えてやりたい。

彼女(蜂の方)には悪かったが、巣は取り除かせてもらって、いつも通りにコーヒーを楽しませてもらったのである。