秋の失敗、春の反省

昨日は各地で春一番が吹いたといわれるけれど、この辺りでは、「そう?」といった感じだった。確かに南風は少し強かったようだが、毎年、ビニールハウスが揺さぶられるような風で春一番を感じるので、それに比べればまだまだだったようだ。

まあ、それでも圃場のところどころで春の兆しが見つかるようになった。今日は、花壇の様子をなんとはなしに眺めていたら、あちゃー、昨秋植えたポットマリーゴールドの真下から球根の芽が!

スキラとポットマリーゴールド

ラベルがどこかへ行っていたせいか気がつかずにポットマリーゴールドを植えてしまったのだろう。確かここには・・・と頭をひねることしばし。葉の様子から花の様子はぼんやりと思い浮かぶのだが、名前が出て来ない。情けなや。

結局事務所に帰って、昔植えた球根のリストを検索して、ようやくScilla campanulata(S. hispanica)だと思い出した。しかし、ピンクかブルーかはいまもって不明。花が咲いたらしっかりとラベルをつけておかねば。

どうも球根類に対してはこういうミスが多い。性格的に向いていないのかなぁ。

しかし、この球根も植えっぱなしで、おそらく10年近くになるのではないかな?決して良い環境とはいえないはずなのに、徐々に増えつつあるようだ。よほど丈夫なのだろう。

さて、近接して育ってしまうことになった2つの種類、今後どうなるやら。

3月の声

いよいよ3月。3月の名を聞くだけで少し気分が明るくなる気がする。思えば長い2月だったように思う。毎日暗い空を見上げては「今日も雪(雨)か・・・」とため息ばかりついていたひと月だった。

そのうえ、頼みもしないのに一日多い閏年。2月を多くするよりも他のもっといい気候の月を多くしてもらうわけにはいかないのだろうか。

ところで、昨夜日記をつけようとしたところ、私のはいわゆる5年日記というものなので、2月29日の欄には上下が無い。5年日記(10年日記)は、昨年、一昨年を一目で見れるから意味がある。それを思うと記入もややためらわれる。閏年の29日だけぽつんとひとりぼっち。うーん、2月29日生まれの人の気分ってきっとこんな感じなのだろう。

さて、圃場の畑では3月の声が聞こえたのか、ルバーブの新芽が顔を出していた。寒さに強いのは重々承知だが、それでも春の新芽を見つけるとなぜだかホッとしてしまうんだよね。

ルバーブ

見落とし

ビニールハウスのなかで、親木が置いてある棟(通称、親木ハウス)を見回っていたら、ミントブッシュの親木が目に留まった。

そういえば、夏の挿し木の結果があまりよくなくてその後のポット上げ数もちょっと不足気味だったのを思い出した。その後枝もだいぶ伸びているし、結構差し穂がとれそうな大きさに育っている。

気温は低いけど、まだ間に合うかもしれないと思って、近づいてよく見ると、もうすでに枝の先端には花芽の兆し。

ミントブッシュ

こうなってしまうと、まず挿し木をしても発根率はがた落ちである。花を咲かせたい力が強くて、根もでないまま開花、その後ダウンというパターンは確実。まれに根が出ることがあってもきっとわずかだろう。

仕方が無いのでしっかり花を咲かせて、その後また挿し木にチャレンジである。もう一月早ければ・・・と悔やまれてならない。何度か見ているはずなのになぁ。

春を先取り

今日はお客様のお庭のお手入れ。できれば2月初めには伺いたかったのだが、悪天候でずれ込んでしまい、ようやくお邪魔することができた。

庭に入ると、おっと、足下からたくさんのクロッカスが。店の花壇や、圃場にも植えているのに、まだ咲く気配さえ見せないから、一足先に春を先取りされたようで、ちょっとうらやましく思う。

クロッカス

3階の東向き、日当り良好のお庭と、やや日当りの悪い西向きの花壇では相当差がつくのだろう。圃場なんて、年によっては前年のうちに咲いてしまうNarcissus bulbocodiumが、ずっとつぼみのままだし。

ところでこのお庭は所々にクロッカスが植わっていて春先はつま先立ちで歩かねばならない。でも、花や葉の無い時期はあまり気を使わず歩いているので丈夫なものだなと改めて思う。早くうちでも咲かないだろうか。

積算温度

天候が悪く、気温の低い日が続いていたが、ここ二日ほど太陽が顔を出してくれている。日が当たると気温もさることながら、気分が明るくなるのはありがたい。

太陽が顔を出すのにあわせてか、ナスタチウムも顔を見せ始めた。

ナスタチウムは直播きがセオリーだが用土節約も兼ねプラグ蒔き。ポット上げには気を使う。
ナスタチウムは直播きがセオリーだが用土節約も兼ねプラグ蒔き。ポット上げには気を使う。

先月半ばに蒔いたというのに、ようやく今頃発芽。例年ならばそれでも数日に一度は日が当たるので一月かからず発芽する。いわゆる積算温度の関係だろう。でもビニールハウスの中であっても、日光が当たらなければ0℃の少し上程度。かといってがんがんボイラーでもたいて加温して一日でも早く発芽させようと言う気はない。

ただ、一度発芽した新芽が傷んでしまうとチトまずい。種が大きい分、エネルギーがあるのであきらめずにまた芽が出てくることもあるのは驚きだが、できれば最初の芽を順調に伸ばしたいところだ。先日の寒波が今冬のピークであると願いたい。