寝ぼけ眼

本格的な寒さの後、まだ落葉していなかったビニールハウスの親木も葉を落としたのでようやく冬の植え替えができるようになった。

ハニーサックルの植え替えをしようと株元の雑草を取り除いていたら何やら手にぐにゃりと当たるものが。もしやと思って見てみるとやはりカエルだった。
カエル
気持ち良く寝ていたところを起こされて、少々つついても全く動く気配が無い。カエルというと昔一緒に働いていたスタッフはとんでもないカエル嫌いだった。小さなアマガエルでも見つけた日には3メートルぐらい後に飛び退くほどだった。

自分はと言えばカエルは好きでも嫌いでも無い。小昆虫を補植してくれるというので、暖かい季節にはしっかり働いてもらいたいところだが、実際に食べているところを見たことが無い。かといって毛嫌いするほどでも無い。暑くてかなわない時期に雨の前に軽やかに鳴いてくれるのは嬉しいが。

中華料理で出てくるカエルはすこぶる美味しいとの話は聞いたことはあるが、こちらも実際には食べたことが無い。それとは知らされずに食べてみることができればいいのだが。

さて、当のカエル君は鉢から出しておいたらそのうちヨタヨタとどこかへ去ってしまった。暖かくなったらまた会おうね。

静かに越冬中

夏前から息をひそめていたアブラムシが、今ごろになって目につくようになってきた。

暑いシーズンは苦手なようだし、天敵も多いためかそれほど目に留まるようなことはない。ところが寒くなって天敵も姿を消すと雨もかからず強い風も吹かないビニールハウスの中はアブラムシにとっては天国だ。春のような勢いは無いが葉の裏で静かに勢力を伸ばしつつある。
アーティチョーク
特にアーティチョークボリジの葉の裏のように細かい綿毛がたくさんあるところが好きなようで先日まで見なかったのに今日はご覧の通り。
ボリジ
この程度なら水で洗い流したり、外に定植してしまえばいつの間にかいなくなってしまうのだが、いずれ発送される苗である。早めに対処するにこしたことはない。数日間をあけて二度三度繰り返し水で洗うのがコツである。

小さな刷毛や筆を使うと葉も傷まないのでおすすめしたい。

All or Nothing

一月に蒔いた種が次々と発芽を始めた。ハーブの種はとても気まぐれで、発芽しない時は全く発芽しないし、発芽する時は全部発芽してしまう。技術のせいもあるのだろうが、野菜の種の場合きっちりと蒔いた分だけ発芽するので種の質のばらつきが問題なのだろう。
フローレンスフェンネル
前回蒔いた際に成績が悪かったのでフローレンスフェンネルをかなり多めに蒔いたらほとんど発芽してしまった。直根性の根が弱いので細かく分けるのも気が進まない。第一、全部育ててしまっても嫁ぎ先探しに困るだけだ。

でもきっと、次回セーブして蒔くと、きっとほとんど発芽しないだろう。そんなものだ。

奇襲

ビニールハウスに行くときは、ハーブ達の様子を見るのが毎日の楽しみだが、もう一つ昨年から加わった楽しみがある。野菜である。

圃場の横に小さな畑があり、昨年から少しづつ野菜作りに励んでいる。慣れないこともありまだ試行錯誤ばかりだが、ハーブよりも成長が早く、毎日顔を見るのはこちらの方が楽しかったりする。

年が明けてからは雪のためしばらく様子を見ることがなかったのだが、今日見て何となく様子がおかしいことに気がついた。白菜の色が妙に明るいのだ。
白菜
近寄ってみて理由が分かった。上半分を中心に外側が食い荒らされて、中心部が露出していたのである。苗を植えてから、虫よけにネットを張っていたのだが、大雪で支柱ごと潰れそうになったため、先日外していたのだ。どうやらその隙を狙って鳥がやって来たらしい。

植えるのが少し遅れ、ようやく葉が巻いて年末から食べれるようになりまだそれほど楽しんでいない。廻りにも白菜を育てているところはいくらでもあるのに、余程グルメな犯人なのか。無農薬、有機栽培をひと目で見抜いたようだ。

それにしても悔しい限り。このままにしておいてまた葉が巻いて食べれる日が来るのかわからないが、しばらく様子を見ることにする。

先祖返り

ハーブに限らず、園芸のカテゴリには「斑入り」というジャンルが存在する。

「斑入り」と言うだけで強く好奇心がかき立てられるという方もいるようだが、花が咲いていなくても目を楽しませてくれると言う点では積極的に活用したい。また、強い日光に弱いというウイークポイントもあるが、「日陰でも育ちやすい」と考えると活用範囲も増える。

ただ、冬から春にかけては結構注意が必要な場合もある。
シルバークイーンタイム
写真はシルバークイーンタイムであるが、もちろん一株である。もともと斑入りの種類なのだが、先祖返りした葉の勢力が強くなってちょうど半々ぐらいにまで育ってしまった。

これはこれで楽しいのだが、そのままにしておくと葉緑素の多いグリーンの葉の方が優勢になってしまう。盆栽風にまめに刈り込みを続ければ良いバランスのまま保つことも可能かも知れないが、それほどの根気は無い。早めに剪定してしまった方がベターなようだ。