嘴だらけ

ニオイゼラニウムの花が終る頃になると、圃場は嘴だらけになる。ちょうどゼラニウムの花の後、種子の莢が鳥の嘴のようになるのだ。

ニオイゼラニウム

諸説あるようだが、ゼラニウムの学名、Pelargoniumも、Pelargos(コウノトリ・ギリシア語)の嘴からきているとされる。

ニオイゼラニウム

種子が熟してくると、莢が割れて元の部分から徐々に種子が顔を出す。

ニオイゼラニウム

種子も雰囲気が鳥の羽毛を思わせる感じである。他にも鳥とのつながりが多いようで、園芸種の名前にもPheasant’s foot(キジの足)、Peacock(孔雀)など付いていたりする。

この種子を蒔くとそこそこ発芽する。圃場にはたくさんの種類のゼラニウムが育っているので、ちょっと変わった花が一つや二つ出てきそうなのだが、非常にありきたりというか、あまり特徴の無い、強いて表現するならぼやっとした感じのゼラニウムが出てくる場合がほとんどだ。

最初の頃はこまめに種子を採っていたりもしたが、今はさっぱりである。

いたるところに嘴が見えるここしばらく、先端恐怖症の人は近づかない方が良いかも知れない。