ウワ〜ン

ビニールハウスの中で苗の整理をしていると、外から「ウワ〜ン」とかすかにうなるような音が聞こえてきた。

おや、何の音だ?と一瞬思ったが、すぐにわかった。蜂の巣離れである。昨年も確か今ごろ遭遇したように思う。

外へ出てみて、音のする方へ行ってみると、裏の竹やぶの辺りで蜂が群れ飛んでいる。即座にカメラを構えたが、遠すぎるのとカメラの性能が足りず、何の写真だかわからなくなってしまった。

subanare

昨年は群れがビニールハウスの方へ向かってきた。ミツバチは怖くとも何ともなくとも、さすがに何百(何千?)の群れになると少し緊張した。今年は竹やぶの奥のほうへ消えていったので少し安心でもあり、残念でもあった。

また、昨年は二日続けて巣離れに遭遇。何か起こるのではないかと話していた。ミツバチの減少が危ぶまれている今年、一度でも多く見かけたいぐらいである。

梨好き

秋を感じさせる食べ物は数あれど、自分にとっては「梨」かなぁ?

暑い最中に、初物だといって食べさせてもらった梨の冷たさ、さっぱりとした果汁は最高の御馳走で、子供のころから好きだったように思う。梨を食べると秋の訪れ、そして夏休みの終わりが近いことを感じさせられていたものだ。

一口に梨といってもいろいろあるが、お隣の鳥取県が二十世紀梨の産地ということもあり、甘い風味の種類よりも慣れ親しんできたさっぱりとした味の梨の方が好みである。甘い方の梨より、ひと足遅れてでてくる二十世紀梨を口にするころには、風はもう秋を感じさせてくれる。

ここ数年、台風の直撃や、天候不順により梨の栽培に影響が・・・というニュースを何度も聞き、梨農家の大変さを感じていた。中でも、袋掛けは大変じゃないかなと思っている。手を上に上げての作業、辛いもんね。そう思うにつけ、梨の美味しさは一際アップするのである。

もちろん、梨にも病害虫の心配は多いのだろう。あんなに美味しい実を成らせる木を虫たちが見逃すはずは無いではないか。

ナシケンモン(褐色型)?
ナシケンモン(褐色型)?

そんなどん欲な昆虫たちはしっかりハーブにも目をつけるのである。この間初めて見たこの毛虫。ナシケンモンと言うそうな(たぶん)。梨を初め、様々な植物を食べるそうだが、この日はウインターセイボリーをガジガジ。もちろんその時は正体不明だったのでおっかなびっくり退場を願った。

セイボリー見たいにぴりっとしてちょっと硬い葉よりも、もっと美味しくて柔らかそうな葉がたくさんなるのに物好きなヤツと思ったが、あとで梨が大好きとわかり、少しだけ親近感が湧いたのである。

キノコの謎

いつもなら、強い日射で苗の水切れを毎日心配する時期なのに、今年はまったく安心である。かえって過湿に注意せねばらならないぐらい。その上、見たことのないキノコまで生える始末。

キノコ

成長にはそれほど影響は無いと思われるものの、やはりあまりよい気持ちはしない。だいいち、神出鬼没で、何が原因なのか、どこからやって来たのかが全くわからない。

もう数年も前のことになるが、手入れしているお客様の庭で初めて見るキノコが突然現れたことがある。いろいろ調べて、チャワンタケの仲間ではないかという結論に達したのだが、その後一度も現れることも無く、今でも原因は良く分からない。

チャワンタケの仲間かも知れないが詳細不明
チャワンタケの仲間かも知れないが詳細不明

今回も、用土の中に胞子でもあったのか、それとも外から飛んできたのか探りようも無い。想像もつかないほど広そうなキノコの世界である。いちいち名前を調べようという気にもならない。

かつて、信州の人たちと話をしていたときに気がついたのが、キノコに対する思いの強さである。こちら(松江や出雲)の知り合いのなかには、キノコを追い求めるような人がいない。いても、マツタケのような超高級キノコへの関心が有る人で、キノコ狩りを楽しむという人にあったことが無い。文化の違いなのだろうか。これもまたキノコの謎である。

ブロッカー

苗を育てるビニールハウスで一年を通して見ることのできる小動物の一つがクモである。小さいのから大きいのまで様々な種類を見かける。時には糸が顔に絡みついたりしていやな思いをすることもあるが、害虫の捕食者としての役割を果たしてもらっている。まあ、益虫も補植してしまうこともあるとは言え、こちらは干渉しない。

クモ

夏前からは外から飛んでくる昆虫を捕まえるためだろうか、ビニールハウスの枠のパイプに巣を張る種類が目立ってくる。風通しも良いだろうし、ずっと開けっぱなしなので巣も張りやすそうだ。害虫のブロッカーとして、どんどん張ってもらいたい。今年は最初巣の数が少なく、少し心配していたのだがこの頃ようやく所々で見かけるようになって安心している。

コガネグモ

ところで、この写真のクモ、ずっとジョロウグモという種類だと思っていた。普段、一番目にするし、大型で立派な巣も見事である。念のため調べたら、コガネグモというらしい。

コガネグモの巣は、何かがかかると、非常に揺れる。「クモの巣って敏感なものなんだなぁ」といつも感心していた。ところが、実のところはクモが威嚇のために揺らしているんだとか。なかなか可愛いやつである。今度じっくり観察してやろう。

思わぬところで

小さなカエルがチョロチョロ動き回るようになった。雨でも降るような天気なら思わぬところで顔を合わせることになる。

カエル

上のおちびちゃんはビニールハウスの入口のドア、ちょうど目の高さぐらいをペタペタと登っているところだった。この先上がっていっても何も無いんだが・・・虫も少ないだろうし。

カエル

この2匹は手洗い場のシンクに置いてある砥石の上がお気に入りのようである。雨が降るとしっとりするのだろうか。でもこの周りにもエサはありそうにない。まあ、いろいろ徘徊して経験値を高めているのだろう。でもこのあたりはヘビも多いからせいぜい注意して欲しい。